負担が少なく病気の早期発見にもつながる
経鼻内視鏡検査
やすもと内科クリニック
(宝塚市/清荒神駅)
最終更新日:2025/07/16


- 保険診療
血液検査や尿検査は負担なく受けられるが、消化器官の検査となると少々荷が重くなってしまうという人は少なくないだろう。特に、口からスコープを挿入する経口内視鏡検査の場合、嘔吐反射が強い人にとって負担となるだけでなく、検査日の前後の日程調整も必要となるため、つい先送りにしてしまうこともあるだろう。そんな人のために、「やすもと内科クリニック」の安本秀男院長は、鼻からカメラを挿入して鼻腔、喉、食道、胃、十二指腸などの消化器官を診る経鼻内視鏡検査を実施している。嘔吐反射の軽減と、検査日の前後に予定が入っている場合でも受けられるのが大きな特徴だ。消化器疾患の早期発見と早期治療につながり、気軽に受けられることで近年急速に普及している経鼻内視鏡検査について、安本院長に詳しい話を聞いた。
(取材日2024年10月25日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q経鼻内視鏡検査はどのような人に向いていますか?
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A
舌の根元の嘔吐反射が強いために経口内視鏡検査が苦手な方、バリウムでの検査に抵抗のある方、痛みや苦しみに苦手意識を持っているものの鎮静下での検査はしたくないという方にお勧めしたい検査法です。検査前日の飲食制限はありますが、検査後は当日でも負担のない範囲で仕事や家事ができるので、どなたでも気軽に受けていただける検査だと思います。異常が見つかった場合は、内視鏡を使って粘膜を採取することが可能なため、精密検査もスムーズで病気の早期発見にも役立ちます。薬を飲んでも治らない胃の不調を感じている方や、健康診断などで胃の異常を指摘された方はぜひご検討ください。
- Q内視鏡検査で見つかる可能性の高い病気はありますか?
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A
経鼻内視鏡では鼻腔、喉、食道、胃、十二指腸などの上部消化器官の検査を行うことができます。この検査ではポリープや胃潰瘍、逆流性食道炎などの炎症や、胃がんが見つかる可能性があるだけでなく、胃がんの原因となるピロリ菌発見のきっかけになることもあります。現在の内視鏡カメラは解像度が非常に鮮明で、患部をかなりはっきりと診ることができるため、開腹することなく詳細に内臓の状態を確認できるのも大きな特徴です。粘膜の色や状態の異常を検査で早期に発見できれば、早期治療にもつながります。負担の少ない検査なので、定期的に受けることをお勧めしています。
- Q検査に不安を感じていても受けられるでしょうか。
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A
内視鏡検査には、経鼻内視鏡検査のほかに経口内視鏡検査があります。こちらには痛い、つらいというイメージがあると思いますが、そうした方のために静脈注射による鎮静下で行う方法もあります。鼻からスコープを入れることに抵抗や恐怖心がある場合は、経鼻内視鏡検査にこだわらず、鎮静下での経口内視鏡検査に切り替えるのも一つの手です。どちらか迷ったときは、まずは医師に相談してみると良いでしょう。当院ではそれぞれのメリットやデメリットをきちんと説明した上で、患者さんに合った方法をご提案させていただいています。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診後に検査の説明を受ける
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まずは問診票に体調や自覚症状、既往歴などを書き込む。薬を服用している場合は確認が必要なので「お薬手帳」を持参するとスムーズ。その後、検査について詳しい説明を聞く。不安や疑問がある場合は遠慮せず質問を。
- 2検査着に着替えて事前処置を受ける
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検査前日の夕食は夜9時までに済ませ、以降は水以外の飲食は禁止。検査当日は水、茶の飲用は可。検査の説明後に検査着に着替え、胃の中をきれいにするために消泡剤を飲む。続いて、鼻の通りを良くしておくために血管収縮剤を両鼻の穴に噴霧される。
- 3麻酔を塗布したチューブを鼻から挿入
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麻酔を塗布した経鼻検査用のやわらかなチューブを鼻の中に挿入される。鼻腔の形によっては挿入が困難な場合もあるが、チューブの挿入に伴う痛みは少ない。チューブが喉を通る際に多少違和感はあるが、徐々に軽減していくという。
- 4経鼻内視鏡検査の実施
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内視鏡を鼻から挿入して検査を開始。炎症や潰瘍といった疑わしい部位があれば、内視鏡によって病変の粘膜採取が行われる。検査に要する時間は5~15分程度。検査中は医師との対話も可能だ。
- 5検査結果を聞いて帰宅する
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内視鏡で撮影した画像を見ながら医師より検査結果の説明を受ける。病変部の粘膜を採取した場合は、後日改めて精密検査の結果を聞くことになる。体調に問題がなければそのまま帰宅可能。無理のない範囲で仕事や家事をすることもできる。