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松田 史博 院長、松田 優樹 副院長の独自取材記事

まつだ消化器糖尿病クリニック

(堺市北区/北花田駅)

最終更新日:2023/08/02

松田史博院長、松田優樹副院長 まつだ消化器糖尿病クリニック main

北花田駅から徒歩2分。大規模商業施設の向かいにある「まつだ消化器糖尿病クリニック」を訪問した。院長の松田史博先生が消化器内科を、副院長の松田優樹先生が糖尿病内科を担当している、2017年に開院のクリニックだ。「通いやすい、来たら楽しい気持ちになるクリニックをめざした」と話す松田院長と優樹副院長。天然木をふんだんに使った院内は温かみと優しさに満ち、壁や棚は葉や木々をコラージュして自然をイメージさせている。「葉のシールは全部、私が手で貼ったもの」と笑う優樹副院長。誠実で優しい雰囲気の松田院長と活動的で明るい雰囲気の優樹副院長。二人がめざす地域医療の話から、このクリニックだからこそできる診療体制や今後展開する予定のさまざまな取り組みまで、たっぷりと聞いた。

(取材日2020年7月30日)

診察当日に内視鏡カメラができるように体制を整備

ここを開院場所に決められた理由を教えてください。

松田史博院長、松田優樹副院長 まつだ消化器糖尿病クリニック1

【松田院長】私も妻も、こちらに来る前は大阪赤十字病院に勤務しておりました。そこから私が2015年、妻が2016年に転勤となり、この近くに移り住んだのです。この地域は、緑が多くとても過ごしやすい場所ですね。大阪赤十字病院に勤務していた頃はお互いに忙しく、将来開院しようなど考える余裕もなかったのですが、こちらに来てから「ずっと、ここにいたいね」「ここで地域医療ができたらいいね」と話すようになり、2017年、この場所に開院を決めました。

患者さんはどういう症状の方が多いですか?

【松田院長】生活習慣病や糖尿病、高血圧、脂質異常症という方が多く、胃カメラや大腸カメラの検査を希望して来院される方もいらっしゃいます。開院して思うのは、胃やおなかの痛みが「ずっと気になっていて、胃カメラ検査をしたかった」という方が意外に多いことです。当院では最短で、その日のうちに胃カメラ検査を受けていただくこともあります。総合病院ですと予約から1~2週間後に検査、結果を聞きに行くのにまた数日かかることもありますから、当日に検査が受けられて、そのまま状況がわかれば、患者さんも安心されると思います。私は勤務医だった頃からさまざまな内科疾患を診療してきましたが「症状を我慢せずにもっと早く受診してもらえていたら……」と思うことが多々ありました。
【優樹副院長】検査してみたらがんが見つかる方もいらっしゃいますので、少しでも気になる方は、まずは検査を受けられることをお勧めします。

糖尿病という病気も、早期発見、治療が望まれますね。

松田史博院長、松田優樹副院長 まつだ消化器糖尿病クリニック2

【優樹副院長】糖尿病がもし悪い状態で見つかったら、血糖値を診て糖尿病だけを良くすればいいというわけにはいきません。体のどこかにがんが隠れていたり、膵臓の病気だったり、ということもありますから、検査をしてチェックすることが必要になります。ところがそこで患者さんに「大きい病院へ行って、先にがんのチェックをして来てください」と言うと一気にハードルが上がってしまいますので「糖尿病の治療を始めながら、平行してがんのチェックもしていきましょう」とお話しするようにしています。幸い院長は肝臓の専門家でもあります。当院では血液検査、尿検査はもちろん、超音波検査、腹部エコー、頸動脈エコー、ABI検査といって足の血管の詰まりを調べる検査なども行っています。これらを初診ですべてを行うわけではなく、症状を伺いながらゆっくりと進めることもできますので、患者さんにとっても負担が少ないと思いますね。

患者が納得して治療開始するまで選択肢を提示して待つ

胃カメラはつらいと敬遠される人も多いのに、患者さんから望まれるのには何か理由があるのでしょうか?

松田史博院長、松田優樹副院長 まつだ消化器糖尿病クリニック3

【松田院長】私は患者さんが検査中の不安や痛みなどでつらい思いをされないよう、できるだけ配慮しながら行っています。大阪赤十字病院にいた頃に上司の先生から「もうこんな胃カメラ検査はしたくない、と患者さんに思わせたらその人は一生、検査を受けなくなる。だから絶対にそう思わせてはいけない」と言われたことが今も頭に残っています。また、ベルランド総合病院では、補助についてくれる看護師さんが検査の間、患者さんの背中をさすって励ましていて、それが患者さんの安心感につながる、ということを勉強させてもらいました。
【優樹副院長】胃カメラ検査で院長は、タイミングよく声かけをしているなと思います。受ける人にとって心強いと思いますよ。当院にはお礼の言葉をお手紙でいただくことも多く、うれしくて診察室の奥のスペースに貼ってあります。

ほかにも、患者さんに接する際に心がけていらっしゃることを教えてください。

【松田院長】患者さんのつらい症状を傾聴して、選択肢を多く提示するようにしています。血圧が高い患者さんが投薬開始を躊躇されたら「少し様子をみて、それでも血圧が下がらなければ飲んだらどうでしょう?」というような言い方を心がけています。
【優樹副院長】この数値になったらこう、とガイドラインにあることが医師として正しい判断だと思い込んでいましたが、地域医療に携わるようになってから「患者さんの納得がないと、治療を進めても患者さんの幸福度にはつながらない」と思うようになりました。患者さんご自身が納得されて「その治療がしたい!」と思えないと、先には進めないのです。「今日からインスリンです」と急に言うと患者さんは不安になりますから、血糖値を測定する機械を貸し出して「明日、もう一度お話ししましょう」とお帰りいただくこともあります。たった1日でも心の準備をする時間があれば、変わってくると思うのです。

こちらでは、生活習慣病の方の食事指導にも力を入れておられるそうですね。

松田史博院長、松田優樹副院長 まつだ消化器糖尿病クリニック4

【松田院長】栄養指導をしたい、という気持ちのとても強い管理栄養士さんたちが頑張ってくれています。副院長が先頭に立ってフィードバックをしたり、お互いにアドバイスをしあっています。
【優樹副院長】診察室で私が話したことと、ガイダンスルームで管理栄養士さんの話す内容が違ったら、患者さんは不安になりますし、信頼関係も築けないので、普段から連携を取るように気をつけています。栄養指導も「これを食べてください」などの押しつけにならないように、患者さんと一緒に考えていくというスタンスを心がけています。患者さんのモチベーションを上げる栄養指導が目標なので、当院では指導という言葉を使わず、ガイダンスと言っています。

大きな病気になる前に見つけて、伝える

明るくて優秀なスタッフさんが、たくさんいらっしゃるのですね。

松田史博院長、松田優樹副院長 まつだ消化器糖尿病クリニック5

【優樹副院長】開院当初は少ないスタッフで始めたのですが、今では管理栄養士さん、胃カメラや大腸カメラから診察にも携わってくれる看護師さん、超音波エコー検査などを行う検査技師さんが在籍してくれています。受付業務や会計も手の空いているスタッフがするスタイルなので、受付専任のスタッフはおりません。採血も院長、私、看護師さんで対応していますので、時々、私を看護師さんと間違う患者さんもおられますよ(笑)。

ご専門を決められたきっかけや理由があれば、教えてください。

【松田院長】外科にも憧れはあったのですが……。触診や聴診、検査で診断をつけていく診断学と言いますか、昔の方々が積み重ねて来られたことを勉強するうちに「これはすごい」と思い内科に進みました。今も日々の診察の中で、この診断学を実践しています。
【優樹副院長】人の健康を守って病気を治せたら、関わった人すべてが幸せになる、との思いから医師の道に進みました。大阪赤十字病院時代には、救命救急にも携わり大きな病気を治すことにモチベーションを持って働いてきましたが、こちらに来てからは「大きな病気を起こさなかったら、もっと幸せ」という考えのもと、病気の早期発見にも努めるようになりました。

最後にクリニックの今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

松田史博院長、松田優樹副院長 まつだ消化器糖尿病クリニック6

【松田院長】クリニックへ来るほどの病気ではないけれど、ちょっと困っている体の不調。例えば便秘などをテーマに、時折、患者さんを集めた講演を行っています。診察することも大切ですが、病気にならないようにサポートすることも私たちの役目だと思っています。
【優樹副院長】来てくださる患者さんを大事にしながら、新しいことにもチャレンジしていきたいですね。私たちが納得できる医療の質は保ちながら、さらに広く、地域の皆さんの健康のために働いていきます。

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