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島田 路征 院長の独自取材記事

かみやま親子歯科

(新潟市中央区/関屋駅)

最終更新日:2021/10/12

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JR新潟駅から車で15分ほどの郊外、ファミリー層の多い新潟市中央区女池エリアで、2017年から診療を続けている「かみやま親子歯科」。発達障害や小児麻痺などで治療の難しい子どもたちを積極的に受け入れる歯科医院だ。院長の島田路征先生は富山県出身。新潟市内の大学で学び、小児歯科と障害者歯科を専門に、大学病院で20年以上働いてきた。大学病院で順調なキャリアを積む中で開業を決意したきっかけ、子どもたちとの信頼関係をつくる工夫、口腔機能発達不全への取り組みなど、時に涙をにじませながら語ってくれた島田院長。歯科医師である前に、一人の人としての優しさと温かさが感じられるインタビューとなった。

(取材日2021年1月7日)

治療を始める前に信頼関係をつくる

「小児歯科」ではなく「親子歯科」という名称は珍しいですね。

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専門は小児歯科なのですが、この名称にした一番の理由は、ずっと通い続けてくれる子どもたちのためなんです。一般的に、小児歯科に通う子は中学生くらいになると縁が切れてしまうことが多いんですね。小児と呼ばれるのが気恥ずかしくなる年頃ですが、引き続き通いたいと言ってくれる子も少なくないので、大きくなっても通いやすい名称にと考えました。もう一つ、治療を通じて子どもたちに関わる以上、親御さんとも関わることになります。また、妊婦さんについては、ホルモンの関係などからお口の中の環境が悪くなりやすく、生まれてくる子の口腔衛生に大きな影響があります。親子それぞれの口腔衛生を守ることで、子どもたちの健康な成長にかかわっていきたいという願いを込めて、こんなクリニック名にしました。

こちらに開業されたいきさつを教えてください。

出身は新潟でなく、富山なんです。日本歯科大学の新潟歯学部に進学して、卒業後も大学の附属病院で20年ほど働いてきました。小児歯科や障害者歯科などで勤務し、小児歯科科長・准教授の役職も務めたのですが、その上の教授職となると、気持ちとして無理だなぁと思ったんです。僕はどちらかというと臨床が好きですし、もともと開業志向もあり決断しました。開業は2017年5月です。この地域は子どもや若い世代の方が多く、ほどよく人口が集まっているので、地域のニーズと僕の得意分野がマッチするかなと考えて決めました。

こちらならではの診療や特徴はありますか。

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実際の診療台で治療を受ける前に、子どもたちに歯科診療に慣れてもらうためのトレーニングルームを用意しています。歯科治療に使う道具を模した小さいセットがあって、クリニックの歯科衛生士や保育士が子どもに道具や使い方を説明するんです。そして、子どもたちとしっかりコミュニケーションを取れる状態にしてから、治療を始めます。反応はとても良いです。治療を頑張ってから「ここで遊んでいい?」と聞かれることや、きょうだいの治療についてきて遊んでいく子もいます。トレーニングルームはリラックスできる場所で、医療者と子どもが信頼関係をつくる場所なんです。これは僕の恩師の発案で、何十年も実績を積み重ねてきた手法であり、僕を含めて多くの教え子たちが自分のクリニックに導入しているようです。

障害や特性に合わせて、行動観察をしながら治療

患者さんの傾向や訴えの多い疾患はありますか。

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子どもの虫歯は減っていますが、それでもやはり虫歯の治療を求めて来られる患者さんが多いです。また、当院ではスペシャルニーズの子ども、障害のある子どもの治療を受けていますので、一般の小児歯科で治療ができなかった子が転院されるケースもあります。定期検診やフッ素塗布などの希望も少なくありませんし、意識の高い方が多い地域なのかもしれませんね。近年は口腔機能発達不全のお子さんも増えている印象です。通常、唾を飲むと舌は上方向に動くのですが、前に動いてしまう子がいます。赤ちゃんがお乳を飲んでいるときの舌の使い方なので、正しく使えないとごはんを上手に食べられなくなりますし、歯並びにも影響してしまいます。

障害のある子どもの治療を引き受ける歯科医院は、あまり多くないように思います。

そうかもしれませんね。実際、そういったお子さんをお持ちの親御さんの中で、当院の情報を共有して訪ねてきてくれる方もいらっしゃいます。当院でよく診るのは、自閉スペクトラム症のお子さんですね。発達障害にもいろいろありますが、自閉スペクトラム症の場合、治療はシンプルにしたほうがうまくいくことが多いので、トレーニングルームに入らず最初から診療台に座ってもらう場合がほとんどです。どんな障害があっても、その子を偏見の目で見ない、できないだろう・わからないだろうと考えず、向き合うようにしています。同伴される親御さんにも、お子さんにどれくらいの能力があるか最初にしっかり伺って、その上で僕も行動観察をしながら、どこまで治療が可能か考えながら取り組んでいます。うまく治療を進めるには、お子さん自身の治療に対する理解度が鍵になります。

診療の際に心がけているのは、どんなことですか。

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何よりも、うそをつかないこと。子どもと相対するとき、大人に対する以上にうそは良くないことです。やらないと言ったことをやるとか、やると言ったことをやらないとか、そういうのもいけません。僕も若い頃、難しいケースやわからないことがあると、患者さんに対して言葉を濁していた時期がありました。ある時、それは患者さんの利益にならないと気づいて、はっきりと言うようにしました。すると、患者さんが信頼してくれるようになると気づいたんです。また、僕らがどんな歯科医療を提供しているかを説明し、患者さんに説明どおりの治療が行われていることを知ってもらえれば、安心してもらえます。クリニックのホームページにも「3つの約束」として掲載していますが、信用と信頼、安心と安全、真摯に聞いて真摯に答える、この姿勢を大切にしています。

子どもたちの健康、未来を守るために尽力する

歯科医師の仕事を志したのはなぜですか。

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父が富山で開業している歯科医師なので、家業ではありますが、僕には家を継ぐことをあまり期待されていなかったようなので、逆に反発するみたいな感じで歯学部に進んだんですよ(笑)。でも、僕の子どもも歯科医師になりたいと言っていた時期があり、僕自身とてもうれしかったので、きっと父も同じように、僕が歯科医師になったことを喜んでいるのではと思います。小児歯科を選んだきっかけは、大学時代の恩師の講義が好きだったので、その先生の下で学びたかったからです。成人の歯は悪くなってしまったら何とか修復して維持していくのが精一杯ですが、子どもたちは改善の余地が大きく、未来に向かってお手伝いができることにやりがいを感じました。

心に残っている思い出があれば教えてください。

僕の恩師はスペシャルニーズの子を積極的に診ていたので、僕にとってもそういう子たちと関わるのは自然で、原点でもありました。その中の一人に、たいへん珍しい難病の子がいて、僕の人生の分岐点になった患者さんです。その子とは数年間関わっていたのですが、ある日、亡くなってしまって……。治療を通じて多くの関わりを持ってやってきたものですから、その時はたいへん大きな衝撃を受けました。どの患者さんに対しても一生懸命向き合ってやっていたつもりでしたが、その頃の自分は大学の中での立場上、診療以外の職務に時間を取られることがあったのも事実でした。この経験で「一人の患者さんに、もっと向き合っていかなければならない」という、本来の歯科医師としての自分に立ち返ることができました。これからも、言葉で上手に表現することができない子たちに、僕のできる限りの力を尽くして歯科医療を提供していきたいと考えています。 

最後に今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

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展望としては、口腔機能発達不全のお子さんの、発達の手助けをしていくことですね。そのために、現在は言語聴覚士の先生に来てもらっていますが、こうした他職種の方と連携して、口腔機能の発達にアプローチしていければと考えています。さらに別の分野の先生とも連携できる可能性があるかどうか、アンテナを立てていきたいですね。また、障害のあるお子さんご自身だけでなく、お子さんから目が離せないことでご自身が治療を受けられない親御さんのために、お子さんをお預かりしながら受診できる体制も整えています。当院を必要とされるならば、どこからでも遠慮なく来院してほしいと思っていますので、お困りのことがあればお気軽にご相談ください。

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供を行っております。
カスタムメイド矯正装置(マウスピース矯正)については、効果・効能に関して個人差があるため、 カスタムメイド矯正装置(マウスピース矯正)を用いた治療を行う場合は、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

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