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柳田 徹 院長の独自取材記事

柳田内科

(大阪市都島区/京橋駅)

最終更新日:2021/10/12

柳田徹院長 柳田内科 main

JR線・大阪市営地下鉄線・京阪電気鉄道の京橋駅から徒歩8分、住宅街に位置する「柳田内科」は1975年に開業。2005年からは柳田徹院長が内科の医師だった父親から同院を継承し、診察にあたっている。長年この街に暮らす高齢者から、子育てのために引っ越してきた若いファミリーに加え、京橋地域に勤務するオフィスワーカーや自営業者など、幅広い患者が来院していて、多様なニーズに応えるべく夜8時まで診察。また、通常の診察時間の合間に、介護施設や個人宅への訪問診療も対応し、多くの往診経験を持つ柳田院長。医師の道へ進んだ経緯や、現在の訪問診療、今後の診療方針など、じっくりと話を聞いた。

(取材日2017年10月18日)

予定より早く継承「かけがえのない思い出」

こちらの医院は、先代のお父さまから継承されたそうですね。

柳田徹院長 柳田内科1

内科の医師だった父が開業したのは1975年、僕が継承したのは2005年になります。最初は他の病院に勤務しながら週に1日、診察を担当していたのですが、父ががんで亡くなり、全面的に継承することになりました。継ぐつもりではありましたが、もう少し後になってからだと思っていました。僕はこの地域の出身で、自宅は医院の上にあったのですが、父の働く姿はあまり見たことがなかったんです。今思うと、もう少し長く父と一緒に診療したかったなと思います。いろいろ話を聞きたかったですね。

医師になられたのも、お父さまの影響が大きいですか。

身近な職業だったということはありますが、父から医師になれと言われたことは一度もありません。医師になろうと思ったのは、進路を決定する高校3年の時です。それまで医師になろうと思ったことは、ありませんでした。しかし、いざ自分の進路を考えた時に、人の力になれる医師に魅力を感じ医師を志しました。僕の弟も、最初は法学部に進んだんですが、卒業後に医学部に入り直し、今は麻酔科専門の医師をしています。

大学時代はどのように過ごされましたか?

柳田徹院長 柳田内科2

中学・高校時代はスポーツを全くしていなかったんですが、近畿大学在学中はラグビー部に所属しました。医学部というのは1学年の人数が少ないので、部活動への勧誘が熱心なんです。ラグビー部の先輩の熱意に惹かれ、入部しました。学業も忙しかったですが、部活動は卒業までずっと続けていました。大学時代はすごく充実して楽しかったです。部活動の先輩・後輩とのつながりは、卒業してからもずっと続いていて、今も一緒に食事することがあります。みんな違う科の医師ですので、話を聞くと勉強になりますね。卒業後は近畿大学の第一内科に進み、その後、堺温心会病院、みどりヶ丘病院で主に循環器内科を担当した後、大阪リハビリテーション病院では訪問診療も行うようになりました。

通常の診療に加え、個人宅や介護施設へ往診も行う

患者さんの傾向を教えてください。

柳田徹院長 柳田内科3

来院されるのは地域住民の方がほとんどです。父の代から来られている患者さんもいますので「こんな、小さな時から知ってるのよ」って言われることや、「徹ちゃん」と呼ばれることもありますよ(笑)。高齢の方も多く、当院を引き継いだ時に院内をバリアフリーにし、靴のまま診察を受けていただけるようにしました。また、都島区は子育て世代の若いファミリーも多いので、幅広い世代の患者さんが来てくださっています。最近はお勤めの方、自営業の方など、若い患者さんも増えてきましたね。疾患としては、生活習慣病をメインに、風邪や気管支炎など含め、内科全般を診察しています。介護施設や個人宅への訪問診療も毎日のように行っています。

医院での診療と訪問診療、どういうところに違いを感じますか。

介護施設では介護度が高い方も多く、会話が難しい患者さんも珍しくありません。患者さんの症状を把握するには、患者さんと日々接している施設スタッフなどからお話を伺うことが不可欠なんです。また、終末期医療に関しても、慎重な判断が求められます。「食事ができなくなったら寿命」と考える方もいれば「胃ろう処置をし、できるだけ長く生きたい」という方もいます。患者さん本人と、ご家族の意思を尊重することを大切にしながら、現状の診断と説明をしっかり行うことを心がけています。

訪問診療は、先代の頃から行っていたのでしょうか?

柳田徹院長 柳田内科4

父の代からも往診はしていましたが、介護保険制度が拡充されるにつれて、要望も多くなってきたように感じます。午前診・午後診の合間に行っていますので、車の渋滞など、訪問スケジュールがずれてくると、午後の診察に間に合わなくなりますので、いつも必死に帰ってきていますよ(笑)。夜間・深夜に急患で連絡をいただくこともあるので、お酒を楽しむこともほとんどなくなりましたし、常にどこか緊張感がある生活を送っていますが、介護度の高い患者さんと、施設のスタッフとコミュニケーションを図りながら一緒に治療に取り組むことにやりがいを感じています。

納得するまで相談を重ね、患者本位での治療を続けたい

患者さんと接する際に、心がけていらっしゃることはありますか。

柳田徹院長 柳田内科5

勝手に決めず、患者さんと相談しながら治療の方向性を決めていくことを徹底しています。診療の際に話を聞いてくれなかった、違う治療がよかったのに別の治療方法を押し付けられた、というケースも少なくありません。医師として適していると思う生活管理や治療方法やはありますが、特に生活習慣病などは日常生活の管理は難しいことが多いので、治療方針はメリットデメリットを伝えた上で、患者さんと相談して決めていきます。患者さんご自身で健康管理をすることは難しく、こちらからのお願いを守ってくれる人も多い反面、なかなか本音や実情を言ってくれないこともあり、検査数値で明らかになることもありますが、そこは厳しく言いすぎないようにしています。医師になかなか希望を言い出しにくいといわれますが、当院の患者さんは、結構ちゃんと希望を伝えてくださるのでありがたいですね。

通常診察に加え、訪問診療も多くされていると、多忙な日々ですね。

まれに、自由に動ける日もあります。しかし、医院の事務的な作業など、いろいろと予定に追われて終わることもしばしばです。できるだけ子どもたちと過ごす時間を持つようにしたいですが、たまに勉強を見てあげるくらいで、申し訳なく感じています。一緒に過ごせる時間を大切にしたいです。今のようなスケジュールで診療を続けていけるのも、看護師や事務長らスタッフのおかげです。本当に周りの人たちに助けられています。

今後、どのように診療を続けていきたいですか。

柳田徹院長 柳田内科6

まずは、患者さん本位で診療を続けたいです。どれだけ有効な治療方法だと医院側が思っていても、患者さんご自身が納得されないと投薬しても薬を飲み続けることは難しいんです。納得いただける範囲で話し合って治療を進めていきます。勤務医時代は、治療方法や現状を受け入れられない患者さんに対し、限界を感じる場面もありました。でも今は、患者さんに通院を続けてもらうこと、体の管理をしていただくことに対する責任感も強く感じています。患者さんには、わからないことをそのままにせず聞いてほしいとお伝えします。また、都島区や北区は大きい病院が多いので、専門的な治療が必要と判断した場合は躊躇せず紹介しています。病診連携も地域の医療機関の重要な役割です。今後もできる限り患者さんの意思を尊重する治療方針を続けていきます。不安や悩みがあれば、ぜひ一度ご相談ください。

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