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平原 慎也 院長の独自取材記事

萩原整形外科リウマチクリニック

(一宮市/萩原駅)

最終更新日:2021/10/12

平原慎也院長 萩原整形外科リウマチクリニック main

一宮市萩原町の「萩原整形外科リウマチクリニック」。日本整形外科学会整形外科専門医の平原(ひらばら)慎也院長が、関節リウマチの研究、海外学会での発表など、多くの経験をもとにしてリウマチ治療にあたる。「大切なことは、正確な診断を早期に行うことです」と語る平原院長。数ある難病についての知識を持つ難病指定医でもあり、専門性の高い診療を提供している。設備面ではオープン型MRIを備え、来院当日の検査も可能だという。また、腰痛を訴え来院する地域の患者のために、腰痛治療にも注力している。長く腰痛で悩む患者に対して、前向きに治療に取り組むことができるよう、心に寄り添った説明と声かけを行う。地域診療を大切に考える平原院長に、早期に正確な診断を行うことの大切さと難しさについて聞いた。

(取材日2018年1月18日)

難しいリウマチ初期診断を適切に行うための深い知識

整形外科、リウマチ治療を専門とされるようになったきっかけを教えてください。

平原慎也院長 萩原整形外科リウマチクリニック1

私は学生時代、水泳とスキーに取り組んでいました。スポーツ整体というものがあるように、スポーツと整形外科は切り離せない関係ですから、スポーツ好きということがきっかけで整形外科を専門に選んだのです。そして、勤務医時代に関節リウマチの研究に取り組みました。開業を考えていた時期、整形外科の医師として研鑚を深めていこうと考えていた時期、リウマチ治療において画期的な薬が日本で使用できるようになり、治療法についても大きな変化が起こりました。私も、ぜひその現場に関わりたいと思い、リウマチの治療を専門とする医師になろうと決意したのです。リウマチという病気は、早期診断がたいへん難しいといわれています。しかし、できるだけ早期に、適切に診断を行い、正しい治療を始めるということを心がけて取り組んでいます。

リウマチについての診断はとても難しいといわれますが、それはなぜですか?

それは、リウマチに似た病気が多いからです。痛む関節が、リウマチであるのか、変形性関節症であるのか、もしくは膠原病と呼ばれる難病のひとつであるのか、という判断が難しいのです。早期に正確な診断を行うためには、やはり医師の豊富な経験と知識が必要となります。私は、リウマチ診断にも役立つ、難病指定医の指定を受けました。これは、原因不明で治療法が確立されていない疾患である希少な難病について、診断書の作成が認められた指定医であるというものですが、その知識は、リウマチの早期診断にたいへんに役立ちます。多くの疾患についての知識があることで、リウマチであるのか、他の疾患であるのかを見極めていくことが可能になるのです。

リウマチの診断には、どんな検査が行われるのですか?

平原慎也院長 萩原整形外科リウマチクリニック2

一般的に診断は所見で行われます。手を触り、関節の状態や腫れを調べます。そして、血液検査や超音波検査を行って診断することが多いのですが、当院ではMRIを使った検査も行っています。MRIは、リウマチだけでなく腰痛や膝痛の場合でも使用します。当院のMRIは、オープン型MRIという、閉塞感もほとんどなく検査を受けていただける設備です。エックス線検査よりも細かな部分を調べることができますから、リウマチの診断に対してもとても有効的とされる検査方法です。総合病院などでは、MRIによる検査まで数日は待たなくてはなりませんが、当院では、当日の検査が可能です。こうした小回りの利く検査が行えるという点でも、リウマチに対して早期に適切な診断を行うことができる理由のひとつだと思います。

さまざまなアプローチ方法で腰痛緩和に尽力

リウマチ治療のほかに、力を入れている治療は?

平原慎也院長 萩原整形外科リウマチクリニック3

腰痛の治療にも力を入れています。腰痛で悩んでいる患者さまは、圧倒的に数が多いんです。例えば田畑や戸建てが多い地域ですから、農作業や庭仕事の後に痛みを感じる方も多くいらっしゃいます。そのほか、年齢による骨の老化、またはぎっくり腰など急性の症状など、腰痛の原因はさまざまですから、なぜ腰が痛むのかを正確に診断することが必要です。レントゲンの結果を見て、骨が老化していますと言い、高齢だから仕方ないとがっかりさせて患者さんを帰すようでは医師の対応としては不十分ですから、痛みを感じている今の状態や、どの神経が触っているから痛むのか、または今後に骨折の危険が隠れていないかなど、細かく説明することを大切に考えています。また、患者さまが腰痛を改善しようという前向きな気持ちになることができるよう、気持ちに一歩踏み込んだ声掛けをしています。

腰痛に対しては、どのようなケアを行っているのでしょうか?

湿布、神経ブロック注射、トリガー注射など一般的な治療のほかに、近年では腰痛の薬として効果が期待できる薬が開発されています。また、当院の2階のリハビリテーション室で行う運動療法もあわせて、総合的に腰痛緩和をめざしていきます。運動療法を行うスタッフは、現在5名の理学療法士が担当しています。当院の療法士が行っているのは、関節を動かして痛みの軽減にアプローチしていくという運動療法技術に基づいたもので、これは単なるマッサージとは違い、理論に沿った運動療法です。

腰痛で困っている患者さまにアドバイスをお願いします。

平原慎也院長 萩原整形外科リウマチクリニック4

腰痛では、急性の痛みは早期に治ることが多いんです。慢性的に痛む腰痛は、年齢による筋肉の衰えが原因となっていることが多く、そうすると治すのにも時間がかかります。でも、医学の進歩とともに効果的な薬も開発されていますから、運動療法や薬、注射などを上手に使いながら、できる限り痛みの緩和に努めていくことが第一の対応となります。まず強い痛みを和らげていかないと、気分の落ち込み、外出が困難になるなど、生活状況が悪化してしまう方もいらっしゃいますから、治りにくい場合には、諦めずいろいろな治療を試すことをお勧めしています。また、整形外科的には、腰痛の予防としてウォーキングよりも体操を推奨しています。ラジオ体操のように、知っている体操でいいので、毎日体を動かすことが大切だと思います。

豊富な経験をもとに、効果的な薬の処方に努める

理学療法士とのコミュニケーションも大切にされているそうですね。

平原慎也院長 萩原整形外科リウマチクリニック5

腰痛においても、初期のリウマチにおいても運動療法は効果的とされているので、私と理学療法士の間でもコミュニケーションを密にして連携しています。当院の療法士は、若い男性スタッフたちなのですが、患者さまを治してあげたいという気持ちが強く、なかなか痛みが改善されない方がいると、とても心配をして私に状態を聞きに来ますね。理学療法士は、運動療法を行うわけですが、その際、患者さまがどんな生活スタイルで暮らしているのか、このほかも疾患があるのかなどを考えながら進めています。エックス線写真の様子も自主的に確認に来ますよ。患者さまの健康を願う熱心なスタッフたちです。また、週に1度、私と療法士全員でカンファレンスを行っています。担当しているすべての患者さまに対して、状況を確認し合い、これからの方針を相談していきます。

先生は治療の中で、薬を効果的に処方する経験も豊富だそうですね。

リウマチ治療では、薬による治療が中心となります。ですから、新しく開発されて効果が期待できる薬を、治療に取り入れていくことには前向きな考えです。症状に合った薬を、適切に処方する経験も豊富です。ですから、腰痛の治療を行う際にも、患者さまの状態に合った薬を処方することが得意ですね。そのために、薬に対する情報も熱心に収集しています。

クリニックのこれからの展望を聞かせてください。

平原慎也院長 萩原整形外科リウマチクリニック6

今後も質の高い治療を行っていきたいと思っています。医学はどんどん進歩し、新しい治療法も開発されていくので、勉強を怠らず、常に新しい知識を取り入れていくことを努力しなければいけません。そういう、前向きに知識と技術を追及する姿勢を大切にしたいと思っています。私たちが一番うれしいと感じるのは、患者さまの状態が良くなってクリニックに来なくなることなんですね。もちろん、顔を見なくなるのは寂しいことだけれど、でも本当はそれが一番うれしいことなんです。そのために、私も理学療法士も全力を注いで治療を続けていこうと思います。

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