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秋好 沢林 院長の独自取材記事

湘南平塚下肢静脈瘤クリニック

(平塚市/平塚駅)

最終更新日:2019/08/28

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2017年5月に開業したばかりの「湘南平塚下肢静脈瘤クリニック」。院内は北欧風の椅子や調度品でシンプルにまとめられ、温かい雰囲気が漂っている。さわやかな笑顔で迎えてくれたのは、院長の秋好沢林(あきよし・たくりん)先生。下肢静脈瘤をはじめ、多くの手術経験を持つ血管外科のドクターだ。「当クリニックは下肢静脈瘤手術を得意としていますが、血管全体の病気を必ずチェックします。下肢静脈瘤と思っていても実は下肢静脈瘤ではないことや、下肢静脈瘤以外にも病気が見つかることがよくあるからです」とのこと。開業から半年ほどだが、実際に下肢静脈瘤以外の病気をいくつも発見したという。そんな秋好院長に、医師になったきっかけから将来の展望まで、医療にかけるさまざまな思いを聞いた。
(取材日2017年11月1日)

血管外科を学んできたドクターによる下肢静脈瘤治療

開業から半年ですが、まず開業までの経緯をお聞かせください。

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医学部を卒業後、母校の大学病院と関連病院で3年間、研修医・専修医として一般消化器外科全般を、4年目からは末梢血管外科を専攻し、下肢静脈瘤・閉塞性動脈硬化症・腹部大動脈瘤などを深く学びました。血管外科は全身の血管を扱う専門診療科目ですので、内科の知識にも精通していなければならず、緊急事態に遭遇することも少なくありません。大動脈瘤の破裂などの緊急事態に対処したこともあり、非常にやりがいのある仕事です。2014年からは、平塚市民病院の血管外科部長として、手術を指導する立場にもなりました。しかし下肢静脈瘤で悩んでいても、その治療を血管外科で行うことを知らない方は、意外に多いんです。患者さんに来ていただかなければ、どんなに治療が進歩しても意味がありません。そこで皆さんに情報を提供できる身近な存在でありたいと、下肢静脈瘤を冠したクリニックを開業しました。

クリニック名にもなっている下肢静脈瘤とは、どういった病気なのでしょう。

ふとももやふくらはぎの血管がぼこぼこと膨らむ病気です。静脈には一方通行の弁がついていて、同じ方向にしか血液が流れないようになっていますが、その一方通行弁が壊れてしまう人がいるのですね。そうなると、まず血管が膨らんできます。進行すると最終的には皮膚が壊死してえぐれてしまい、肉が露出した状況になる。そうなるとかなりつらいですよね。この病気の原因として、家族要因、環境要因の2つが考えられます。家族に下肢静脈瘤の方がいる場合、そして美容師、看護師、飲食関係など、立ち仕事が多い方がかかりやすいのです。当クリニックの血管外科では、こういった下肢静脈瘤だけでなく、頸部、胸部、腹部、上肢など全身の血管に関係する疾患の検査および治療を行っています。

どういった患者さんが来院されるのでしょう。

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下肢静脈瘤の患者さんは、長年立ち仕事に従事してきたご高齢者が多いです。また主婦層も少なくありません。気づいていないかもしれませんが日常の家事は、ご自身が思う以上に立ち仕事が多いからです。若い人もいます。それは、家族要因がある方です。以前は症状があっても何の病気かわからず、そのままにしている方も多かったのですが、最近はインターネットの発達によって、下肢静脈瘤の症状を写真などで見ることができますので、初期症状のうちに来院される方が増えています。お仕事やご家庭の事情もあり、ほとんどの方がレーザーやラジオ波の焼灼術による日帰り治療を望まれます。

スタッフとの連携を重視した患者目線の医療

日帰り治療は、どのくらい時間がかかるのでしょうか。

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下肢静脈瘤手術の場合、早いと15分から20分くらいですね。リカバリー室で休息をとった後、ご自分で歩いてお帰りいただけます。でも昔は手術に2時間くらいかかっていました。その2時間のために、6時間も7時間も準備をしていたんですよ。CTなどの検査結果を詳細に見て暗記し、実際にどういうふうに手術するか、最初から最後まで何度もシミュレーションをします。こういった積み重ねを何年にもわたって行ってきた経験から、より早く丁寧にできるようになったと感じています。実は大学時代にアメリカンフットボールをやっていたのですが、準備に時間をかける意識はそこで培われたのだと思います。2時間の試合が年間に5試合、その10時間ほどのために1年間、つらいトレーニングや練習、作戦会議などを反復して行うのです。集中力と目的達成能力、持続力がかなり鍛えられましたね。

先生の診療方針をお聞かせください。

僕は医師になった当初から、「名医であるより良医であれ」をモットーにしてきました。今もそれは変わりません。ですから患者さんに対して厳しいことをいうときもあります。例えば患者さんが薬も飲まない、指導も守らないと「それじゃダメだよ、来ている意味ないよ」とね。本当にその人のことを考えたら、はっきり言わなくてはいけないこともありますから。友人でも夫婦でもビジネスでもそうですが、まともに向き合ったら喧嘩や衝突はあると思うんです。でもその衝突を恐れていたら、事態は好転しません。医療も同じ。優しいことを言っているだけでは、ダメなこともあるのです。

クリニックの特徴をお教えください。

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優秀なスタッフが在籍していることです。血管外科の医師がいることも特徴の一つだとは思いますが、本当の意味での自分のクリニックの特徴は、スタッフだと思っています。医療現場では、医師が患者と接する時間は実は少ない。一番接しているのは、実は看護師さんやスタッフなんですよ。「スタッフを大事にすれば、それはオートマチックに患者さんを大事にすることにつながるんだ」と言っている医師もいました。僕もそのとおりだと思います。患者さんを医療の中心に据えるのであれば、優秀なスタッフがいることが決め手になるのではないでしょうか。その点、僕は本当に優秀なスタッフに巡り合うことができて、それだけでも開業して良かったと思っています。

患者の負担を軽減する、新しい病診連携の実現をめざす

ところで先生は、なぜ医師を志したのですか?

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僕は子どもの頃から、生物学の研究者になりたかったんです。純粋に自分の好奇心を満足させたいという理由からですね。では、なぜ医学部に進学したかというと、ちょうど自分の進路を決める高校2年生のときに同級生が亡くなったことからです。中学1年生のときにできた最初の友だちで、幼なじみのような存在でした。その友人が亡くなったことが、非常にショックで、自分にできることは何かないのか、そう思うようになり、「研究者になれば、その研究で助けられる人はいるかもしれない。でも医師であれば、もっと直接的に誰かの命の助けになるのではないか。」と思って医師の道を選びました。

お忙しい毎日だと思いますが、どのようにリフレッシュされているのでしょうか。

休日にサーフィンをしています。平日の朝、診療の前にしていることもあります(笑)。勤務医時代は病院でひたすら手術ばかりしていたので、1年くらい前から気分転換のために始めました。20代だったら「すごくうまくなって大会に出よう」とか「プロになろう」とか思っていたかもしれませんが、40代になって始めたので、今さら急激に上手くなるわけもありません。海に浮かんでぼけっとして、たまに波が来たら乗って。「今日は1本、2本乗れたから気持ちよかったな。さて、疲れたし、帰って酒飲んで寝よう」って。それが僕にとって本当にリラックスできる時間です。

今後取り組みたいことなど、将来の展望をお聞かせください。

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今考えているのは新しい形の病診連携です。開業から半年ほどですが、下肢静脈瘤以外の血管外科の病気、治療や手術がここでは難しい病気をいくつも発見しました。僕が病気を見つけた患者さんは、僕が責任を持って手術や治療したい。これは医師として当然の思いなのですが、今の日本ではなかなかそうはいかない。アメリカでは、開業医は外来で日々診察をし、小さな手術なら自分のクリニックで行いますが、難しい手術などが必要な場合は設備が整った医療施設で治療を行うことも可能なんですね。そういうシステムになれば、かかりつけ医に治療をしてもらうことで患者さんの心理的負担も軽くなるのではないでしょうか。クリニックと病院の関係も含めて、新しい医療のあり方、新しいシステムを構築したい。それが地域医療に貢献し、多くの患者さんを救うことにもつながると思っています。

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