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中村 あずみ 院長の独自取材記事

可世木クリニック

(名古屋市中区/金山駅)

最終更新日:2023/12/13

中村あずみ院長 可世木クリニック main

金山駅から歩いてすぐの場所にある「可世木クリニック」。中村あずみ院長は勤務医時代、腹腔鏡手術に力を入れ、子宮内膜症や子宮筋腫の手術も行い、幅広く研鑽を積んできた婦人科のエキスパートだ。患者の不安に配慮し「勇気を持って来院してくださった患者さんの気持ちが和らぐよう、いろいろと工夫しています」と親しみある温かな笑顔で話す中村院長。診察着ではなくワンピースなどで診療することもあるが、それも患者の緊張をほぐすための手段なのだという。診療では自分の失敗談を織り交ぜながら、患者の気持ちに寄り添い、同じ目線に立って一緒に考えていくことを大切にしている。いつも気さくで飾らない中村院長に、診療時の心がけや居心地良い雰囲気づくりの工夫についてなど、たっぷりと聞いた。

(取材日2023年8月30日)

女性の健やかな人生を支える伴走者でありたい

「女性のための女性によるクリニック」を掲げていらっしゃいますね。

中村あずみ院長 可世木クリニック1

はい。このコンセプトには「婦人科に限らず、調子が悪くて不安になったら、女性の方はまずいらしてくださいね」という想いを込めました。今、家族関係や社会的な要因を背景とした不調を抱える女性が増えていると思うんです。そのせいか、何か症状が出た際にどの科に行けばいいのかわからないと吐露される方も少なくありません。ですので、こちらに来院いただけたら、まず婦人科の症状かどうかの鑑別をしてから、この科に行ってみたらどうだろうとお話ししています。特に働き世代の女性は自分の体が二の次、三の次になってしまいがちです。もちろん患者さんの同意が得られたらですが、その時の症状プラスアルファで、困っている症状も一緒に診るようにしています。

婦人科というと受診しにくいイメージもありますが、どんな工夫をされていますか?

患者さんに無理強いをしないことですね。例えば、婦人科的な超音波検査などができたほうが、より早く診断がつくでしょう。ただ、「本来は検査を受けたほうがよい」と患者さんご本人がわかっていても、緊張などで「今日は無理だな」と感じることがあります。そういった方に次回も必ず来院いただけるよう、不安な気持ちを受け止めて、患者さんの気持ちやペースに沿うことに気をつけています。中には、ご自身の中で納得のいく答えが見つからず、いろいろな病院を回られて当院に来られた方もいるかもしれません。患者さんを「これ以上行くところがない」といったつらい気持ちにさせないよう、強く心に留めて診療にあたっています。

最近多い患者さんのご相談は何ですか?

中村あずみ院長 可世木クリニック2

生理痛や月経前緊張症、月経困難症といった、生理に関わる不調ですね。お子さんの生理痛のことで、お母さんが来院されるケースもありますよ。お母さん自身が生理痛を経験されていない方ですと、お子さんのつらさを実感としてご理解いただくことが難しいので、お母さんもお子さんと一緒に指導しています。また、ピルは良い薬なのですが、避妊のイメージが強くて使用に慎重な方も多いです。そうした方には漢方薬を処方しながら、同時に資料をお渡しして少しずつご理解いただけるよう配慮しています。ただし、ピルの服用が不安な場合、ホルモン剤も選択肢の一つとしてあることをお伝えしたいですね。あとは、更年期の症状が出てきた方の相談も多いです。

婦人科に来院しやすい雰囲気をクリニック全体でつくる

スタッフさんはどういった構成ですか?

中村あずみ院長 可世木クリニック3

受付の事務員と看護師がおり、全員が女性です。出産の経験がある者もいますし、年代も幅広いので、どの世代の患者さんにも寄り添いやすいのではないでしょうか。スタッフはみんな真面目ですね。患者さん想いで、真摯に患者さんと向き合ってくれる人ばかりです。私自身もみんなに頼っている部分が多く、信頼しています。クリニックの雰囲気づくりにおいても、とても大きな存在です。スタッフにはやりがいを持って働いてほしいので、仕事のしやすさや働く環境には気をつけています。あとは連携ですね。職種にこだわらず、チームとして助け合い、協力し合っています。それはひいては、患者さんのメリットにもつながるはずです。

同院ではどのような診療をされていますか?

子宮内膜症や子宮筋腫、ご高齢の方に多い子宮脱ですとか、卵巣腫瘍の方のフォローなどですね。思春期や更年期の相談もお受けしています。患者さんの中には学生時代から月経困難症などの病気で受診されている方もいますよ。若い頃から知っている患者さんが妊娠をされ、いずれは更年期といったように、親戚のおばさんのような感じで一人ひとりの人生を診ることができるのは、婦人科医としてとても幸せなことですし、やりがいを感じる部分ですね。あとは、例えば不妊症を疑ったほうがいいか悩まれている方の相談ですとか、子宮内膜症がある方には積極的に不妊治療を行っています。その際は、妊娠の診断から赤ちゃんの心拍の確認まで行うようにしていますよ。

こちらで行われる不妊治療についても教えてください。

中村あずみ院長 可世木クリニック4

当院では患者さんのご希望に合わせて、より自然な妊娠をめざしています。ご夫婦の年齢や状況、ご希望によって指導・治療の進め方はさまざまですが、基本的にはまずタイミング指導をお勧めします。タイミング指導は、患者さんの基礎体温や生活習慣、健康状態、プライベートなこともお聞きし排卵日の算出や不妊の原因を考える方法です。これを3~6ヵ月ほど行い、ご希望があれば人工授精に進みます。また、不妊に悩まれている方は、皆さん不安でいっぱいですから、慎重に言葉を選ぶことも大切ですね。例えば、ご夫婦で「僕が悪い」「私が悪い」と、ご自分を責めてしまわれる方も少なくありません。でも、どちらが良いか悪いかではありませんし、「お互いを思いやりながら共同作業でいきましょう」といつもお伝えしているんです。どの患者さんも十分に治療を頑張っていらっしゃいますから、ぜひご自分の心と体をいたわってあげてほしいですね。

患者自身の想いを尊重し、気持ちに寄り添った医療を

診療時のモットーはありますか?

中村あずみ院長 可世木クリニック5

医学的にはスタンダードであっても、患者さんにとってそうではないことはたくさんあります。患者さん自身の人生ですから、皆さんの選択を大事にしていきたいですね。もちろん確率のお話や、本来はこの治療をしたほうがリスクが低いといったお話はしますが、患者さんのお声にしっかりと耳を傾けて、ご本人のこうしたいという想いがあれば、そのお気持ちを尊重しています。その代わり、その方がどこにも行き場がなくなってしまうことがないよう、継続的に診ていますよ。また、私の友人がくれた『いい日になりますように』と書かれた額を院内に飾っているのですが、その言葉が温かくて、響きもよくて大好きなんです。自分もそうありたいと思って毎日過ごしています。当院を訪れた人にとっても、スタッフにとっても、みんなにとって今日もいい日になりますように。そんな思いで診療に励んでいます。

今後の展望についても聞かせてください。

私自身、更年期に差しかかっていますし、当院には私と同年代、あるいは上のスタッフもいます。また、若いスタッフも30代に近づいてきているので、みんなで元気でいようと伝えています。もし、私たちが元気な姿を患者さんにお見せできなければ、患者さんも不安になってしまいますから。全員が笑顔で同じ方向を向いていくことで、「ここに来て良かったな」と思っていただける雰囲気づくりにつなげていきたいですね。スタッフは患者さんだけではなくて、私の体のことも気遣ってくれ、とても面倒見がいいんですよ。もちろんそれは患者さんに対しても同じ。安心できますし、心強いですね。すてきなスタッフに恵まれて本当にありがたいと感じています。

悩める女性へメッセージをお願いします。

中村あずみ院長 可世木クリニック6

現代は女性にとって、なかなかのんびりできない環境だと思いますが、ふっと足を止めて、自分の体をいたわってほしいですね。そして、病気になりにくい体づくりをしていきましょう。今は食が豊かですが、必要な栄養が取れているかというと、必ずしもそうとは限らないと思うんです。栄養の偏りは女性ホルモンの乱れにもつながりますので、食事の取り方には気を付けていただきたいですね。当院では食事指導を通して、生活のアドバイスもしています。ご興味がある方は気軽に相談してくださいね。そして、不安を抱えて受診をためらっている女性がいれば、一度ぜひお越しください。女性が心身ともに健やかな人生を過ごせるよう支えていきたい、そう思っています。

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