辻本勝和院長の独自取材記事

つじもと歯科クリニック

(大阪市城東区／鴫野駅)

最終更新日：2025/09/05

2025年1月に東三国から移転開業した「つじもと歯科クリニック」は、大阪メトロ今里筋線、JR学園都市線の鴫野駅から徒歩約5分の所にある。やわらかな雰囲気で出迎えてくれたのは辻本勝和院長。歯科開業医として25年以上のキャリアを持ち、一般歯科はもちろんのこと、セラミックを用いた治療など審美歯科にも精通している。そんな辻本院長のモットーは「患者さまとともに歯を長持ちさせて、患者さまの健康をより良くしていくこと」。より良い治療のために知識や技術を高めつつ、地域の人々にも歯周管理と予防歯科の大切さを知ってもらおうと力を尽くす。そんな辻本院長に、診療で大切にしていることや今後のビジョンについて話を聞いた。

（取材日2025年7月30日）

今の困り事を最優先に、予防歯科の重要性も訴える
「プロ」として、妥協せず治療の質を追求
予防歯科をベースに、患者に合わせた診療を提供

今の困り事を最優先に、予防歯科の重要性も訴える

今年からこちらに移転開業されたそうですね。

昨年まで東三国で開業していましたが、今年の1月に移転してきました。もともとここで歯科医院をしていた父が1年半前に亡くなり、母も介護が必要になったため、僕が戻ってくることにしたんです。「患者さまのために何か自分が尽くせることをする」という診療スタイルは、移転前から変わっていません。本来歯科医師としてやるべきことをきっちりとやって、歯を長持ちさせることで、患者さまの健康をより良くしていこうと思いながら診療にあたっています。ただそのためには、患者さまにも自分の歯への関心をしっかりと持っていただくことが大事です。患者さまのデンタルIQを高めながら、「あなたに必要なことはこういうことなんですよ」というのをお知らせして、それをちゃんと受けていただける、そんなクリニックにしていきたいですね。

移転後の患者層についてお聞かせください。

この辺りは昔から住まれている方が多く、年齢層が高めの患者さまを中心にお子さんや若い世代の方にもお越しいただいています。ご来院の目的としては、メンテナンスよりも痛みや虫歯に困って来られる方が多い印象ですね。もちろん悪いところは最優先で治療させていただきます。ただ、歯を長持ちさせるためには悪くなる前に来ていただくのが重要です。よく患者さまやスタッフにも言うんですが、メンテナンスをしっかりと続けていれば、一生にかかる歯科診療の費用は半分ぐらいに抑えられるはずなんです。健康面でも費用面でも、予防歯科は大切なんだよということを、この地域の患者さまにもぜひ知ってもらえたらと思っています。

診療するにあたって大切にしていることは何ですか？

患者さまが一番何で困っておられるのかですね。痛みでつらいのに、予約がいっぱいだからと断ることはせず、待ってもらうことにはなるけど診させてもらいますよと。困っているなら何とかしてあげたいというのがすごくあるんです。その上で、口の中がどんな状態であるかも患者さまにしっかりとわかってもらい、どんどん良くしていきましょうねというのが一番やっていきたいことです。当院ではお口の中の写真やエックス線、検査結果などを最初にお見せし、何が問題でどこをどう治さないといけないか、お互いにわかった上で治療するようにしています。患者さまの気づいていないところまで診て、「この患者さまをどうしていってあげたら良いんだろう」「この後ずっと長く、どう持っていってあげたら喜んでもらえるんだろう」と考えながら仕事をしています。

「プロ」として、妥協せず治療の質を追求

先生の得意分野について教えてください。

保険診療でいうと、「根っこ」の治療である根管治療が得意です。一般的には抜くしかないといわれる歯でも場合によっては残せる可能性もあり、入れ歯になる確率を下げることも期待できます。また、健康面への影響を考え、極力メタルフリーで何とかしてあげたいと思っているので、通常型採りをして後日金属のかぶせ物を入れるようなところも、保険内でコンポジットレジンを使って、その場で修復するようにしています。大学病院ではセラミックが登場し始めた頃から研究に携わり、臨床でも研鑽を積んできましたので、セラミックの知識と技術にも自信があります。例えば銀歯を勧められることの多い奥歯の虫歯治療も、セラミックを用いてかぶせているのがわからないほどきれいにできると自負しています。自費診療になる部分もありますが、例えば金属バネのない入れ歯は、入れ歯と気づかれにくいですし、着け心地も揺れたり食べ物が挟まったりしにくいものです。

以前のクリニックでは審美歯科にも力を入れておられたとか。

はい。中には歯並びや歯の色を気にして、思いっきり笑えないという方もいらっしゃるかと思います。そんな方にとって、審美歯科は救世主にもなり得るアプローチだと考えています。歯の治療というのは性格や人生まで変えてしまうことがあると思うんです。そういった考えから、審美面も一層高いレベルをめざすようになりました。ただ、審美歯科をやる上でも一番重要なのは歯周病の管理です。当院では、治療で来られた際にも必ず歯のお掃除を一緒にします。地盤をちゃんとしてからでないと良いものは入らないという考えから、毎回のお掃除でできるだけ口腔内を良い状態へ導き、歯肉を引き締めてから最終のものを入れたいというのが僕のやり方です。虫歯治療でも審美歯科でもまずはそこからです。

まずは土台のケアが重要なのですね。先生がそこまで徹底される背景も知りたいです。

僕は歯科医師になる際、自分が納得できる、患者さまを感動させられる「プロ」になろうと決めました。「プロ」というのは、「一人でも多くの患者さまに今まで受けたことのない治療をして喜ばれること」や「患者さまが楽しく笑って生活してもらえるように追求していくこと」だと僕は思います。理想のために妥協せず、質をしっかり守っていくためには、勉強もしないといけないし壁にもぶち当たる。体力的にも大変だし費用もかかります。でも切り詰めながらどれだけやれるか挑戦です。母方の祖父が腕の良い歯科医師で、「根っこ」の治療にも長けていたそうなんです。お弟子さんもたくさんいて人徳者だったらしく、その祖父をめざして、いつかは超えたいですね。

予防歯科をベースに、患者に合わせた診療を提供

これからのビジョンについてお聞かせください。

繰り返しになりますが、歯科治療で一番重要なのは歯周管理や予防歯科です。痛みが出てからでは、場合によっては手遅れになることもあります。そうなる前に予防し、より健康な状態を維持する。その考え方を浸透させていき、地域の皆さんの歯をもっと良い状態でキープして差し上げたいですね。治療が必要になったときも、1本の歯を治療するのにも噛み合わせや周りの歯への影響などをトータルで診て、再び歯周管理と予防歯科も続けていく。そんな口腔全体をトータルで考えた治療というのを、ここでもスタンダードにしていければと思っています。そして患者さまのライフスタイルに合わせながら、一人ひとりに適した治療を行えるよう、常に心を配っていきたいです。

「ライフスタイルに合わせた治療」とは、具体的にどういったことですか？

患者さまには、職業とか立場とか、それぞれ違いがあるでしょう。例えば人と関わるお仕事や立場の方は特に第一印象が大事で、口元の明るさが好感度に影響してくるんです。歯の白さが顔の明るさに、表情や性格の明るさに結びつく、出会いによって人生が変わることもある。ただ、理想はみんな一緒でも、忙しくて時間が取れない人もいるし、予算の問題もある。ですから、患者さまに合わせてさまざまな選択肢をご提案しながら、プランを決めていきます。通うペース、支払いの方法についても、患者さまの状況に合わせて一人ひとりが納得できる治療を提供できるように努めます。

読者へメッセージをお願いします。

自分の口の中の状態をちゃんと見たことがある方は、意外と少ないかと思います。当院では口腔内写真やエックス線画像などをお見せしながら丁寧にご説明させていただきますので、まずは今の状態をしっかりとご自身で把握していただきたいですね。そして「より長く良い状態をキープしていこう」という気持ちを、ぜひ持ってもらえたらと思います。それが将来的にも自分の歯で噛めて、良い食生活が送れて、より健康でより人生を楽しめることにつながっていきます。現在では全身のさまざまな病気の始まりに、お口の健康が大きく関わっていることがわかってきました。お口の健康を考え、定期的なケアを続けていくことは、体全体の健康維持に大きく貢献します。そのお手伝いを、ぜひ当院でもさせてもらえたらと思います。