川口 義明 院長、川嶌 洋平 副院長の独自取材記事
かわぐち消化器内科
(横浜市港南区/港南台駅)
最終更新日:2025/01/23

港南台駅が最寄りの医療モール内にある「かわぐち消化器内科」は、膵臓がんなど専門的な知識・技術を必要とする領域で研鑽を積んできた川口義明院長と川嶌洋平(かわしま・ようへい)副院長が診療を担当。医療モール内という立地と、各種検査機器をそろえた環境を生かし、超音波や内視鏡検査による消化器がんの早期発見に努める。「痛みや違和感は病気が進行したサイン。症状のないうちから定期的に検査することが大切です」と川口院長は注意を促す。その点、同院では痛みに極力配慮した内視鏡検査を実施。1年に1回、定期的に検査を受けに来る近隣住民も多いそうだ。膵臓がんの検査に対応可能な特殊な内視鏡も駆使し、「1センチメール以下の膵臓がんの発見を目標にしている」と話す川口院長と川嶌副院長に、同院の特徴や診療方針などを聞いた。
(取材日2024年11月22日)
身近なクリニックで専門的な内視鏡検査を提供
こちらではどのような診療が受けられるのでしょうか?

【川口院長】内科全般に広く対応しながら、膵臓をはじめとした消化器疾患を専門的に診られるのが当院の強みです。患者さんは、胃や大腸の内視鏡の検査を受けに来られる方が多く、あとは健康診断で再検査になった方、体調不良で消化器の病気を心配して受診された方、毎年内視鏡検査を受けられる方も増えました。近隣の方が多いのですが、遠方から来られる方もいらっしゃいます。実は膵臓を専門的に診られるクリニックは全国的に多くないんです。一般的に内視鏡検査の受診率が低いのは、上部内視鏡なら食道に入れる時の苦しさ、下部内視鏡は大腸への痛みなどが理由です。当院では痛みを軽減しやすい細い内視鏡を使い、必要に応じて鎮静剤も使用しながら、患者さんが楽に検査を受けられるよう工夫を凝らしています。
院長がクリニックを開業されるまでの経緯を教えてください。
【川口院長】札幌医科大学を卒業後、横浜市立大学第二内科消化器グループ(現・消化器内科学教室)に入局し、横浜市内の基幹病院を中心に消化器内科の診療経験を積み、医学博士も取得しました。その後、2006年から東海大学医学部で消化器内科の准教授を務め、大学病院では特に膵臓の病気の検査・治療に力を入れてきました。こうした中で、多くの患者さんが膵臓の病気に大きな不安を感じていらっしゃることに気づきました。そこで大学病院より受診のハードルが低いクリニックを開業すれば、消化器がんの早期発見に貢献できると同時に、患者さんの不安や悩みも軽減できるだろうと考えたのです。
お二人が消化器を専門とされたのはなぜですか?

【川口院長】私は医師の家系に育ち自然と医療の道に進んだのですが、消化器内科を専門にしたのは、これからさらに進歩していくだろうと感じていた内視鏡医療に携わりたかったからです。消化器内科は「内科」ではありますが、内視鏡を用いることで「外科」的な治療に関わることができる分野です。また「直接、目で見て診断する」というシンプルでわかりやすい点も、私にとっては魅力的でした。
【川嶌副院長】膵臓を専門とする医師である父、そして東海大学の客員教授でもある川口院長の影響が大きかったですね。私は院長から膵臓について学びたくて、大学卒業後、母校である東海大学に勤務しようと決めたんです。これからも院長とともに、早期に病気の芽を摘んでいきたいと思います。
膵臓がんの早期発見に必要な設備・環境・人材がそろう
院長と副院長、医師2人で診療されているのですか?

【川口院長】院長の私と副院長の川嶌先生が主に診療していますが、週1回のペースで女性医師に非常勤で来てもらっていて、女性の医師を希望される方は担当日に予約いただけると対応可能です。2022年からこの体制が整い、同時に内視鏡室と内視鏡設備を増やして、膵臓がんの早期発見に役立つ超音波内視鏡も、よりご利用いただきやすくなりました。
【川嶌副院長】当院ではスタッフの対応も温かく、こまめにお声がけをするなど患者さんの不安に寄り添っています。私たち医師も患者さんの気持ちを大切にした診療を心がけていますが、受付時や診療後にスタッフが笑顔で接することで、少しでも患者さんの心が和らげばうれしいですね。
院内設備のこだわりをお聞かせください。
【川口院長】CTのほかに内視鏡室2部屋体制で、超音波内視鏡も利用できます。これらの検査機器に加えて環境も重視し、清潔感あるゆったりとした空間をご用意しました。検査室だけでなく、回復室や下剤服用後に待機する個室の居心地にもこだわっています。検査を受けに来られた患者さんには、できる限りリラックスして過ごしていただきたいですね。日本人のがんの部位別統計で、死亡数の上位5つは肺がんを除けばすべて消化器に関連した胃・大腸・膵臓・肝臓のがんです。このため当院では消化器の病気を見つける検査設備は、「プチ大学病院」と呼べるレベルをめざしました。
検査機器がどんどんアップデートされているとか。

【川口院長】ええ、2024年夏には大腸内視鏡にAI画像診断支援システムを導入しました。検査中にリアルタイムでAIがポリープを指摘するんです。実際に使ってみると、非常に小さなものを見つけてくれる反面、腸の中のカスなどを誤認することもあります。ただそこがプラスなんですね。AIが指摘した箇所は、結局医師が自分の目で確認し直すのですが、その分、一層注意深く診ることができます。AIに頼るのではなく、AIという第2の目を追加することで、検査の精度の向上がより期待できるわけです。新たな医療機器は熟練した医師の技術をさらに拡張させてくれます。そしてそれは結局患者さんのプラスにもなるはずです。
診療面ではどのような特徴があるのでしょう。
【川口院長】腹部の超音波検査やCTはご来院当日に受けることも可能で、症状によってはそのまま内視鏡検査を予約できます。また、膵臓がんの検査に関しては専用の検査機器と、専門的な知識と経験を有した医師が2人在籍していますので、安心してお任せいただけます。当院では1センチメール以下の膵臓がんの発見を目標にしています。
【川嶌副院長】院内設備や医師の技術はもちろんですが、こちらの医療モールには検査施設もあり、血液検査の結果は1時間程度と、大学病院と同レベルの検査スピードといえるでしょう。ご希望があれば、胃と大腸の内視鏡検査を同時に行うことも可能です。
消化器の相談窓口として気軽に利用できる存在に
膵臓がんに注意すべきタイプなどはありますか?

【川口院長】ご家族に膵臓がんにかかった方がいると、膵臓がんに罹患するリスクが高いといわれています。糖尿病などの生活習慣病、IPMNと呼ばれる膵臓の腫瘍もリスク因子の一つです。こうした前提にお心当たりのある方は、年1回の膵臓の検査をお勧めします。腹部の超音波検査もありますが、膵臓全体が見えないことが多く、できればCTや超音波内視鏡を使った検査が望ましいでしょう。膵臓がんをはじめ、消化器がんは痛みや違和感といった症状が出たときは、かなり進行しているケースがほとんど。症状がない段階からの定期的な検査が、早期発見に役立つのです。
診療時に心がけていることをお聞かせください。
【川口院長】じっくり時間をかけて患者さんのお話に耳を傾けるということです。特に私が専門とする膵臓の病気はあまり耳慣れないこともあってか、原因が膵臓にあると聞くと不安のあまり真っ青になってしまう患者さんも多いです。患者さんの不安にしっかり耳を傾けて、寄り添っていける医師でありたいですね。
【川嶌副院長】院長と同じく患者さんの不安に耳を傾け、わかりやすい説明を心がけています。私は、患者さんには笑顔でお帰りいただきたいと思っているんです。時には重い病気であることをお伝えしなくてはならないこともありますが、それでも「ここに来て良かったな」と患者さんが思えるような診療を提供できるよう努めています。
最後に、地域の方々にメッセージをお願いします。

【川嶌副院長】当院では、「また来よう」と思ってもらえるクリニックをめざしています。例えば、苦痛の少ない内視鏡検査のために、経鼻内視鏡や鎮静剤の使用など工夫を凝らしているのもその一環です。検査のハードルを下げることで、病気の早期発見につなげていきたいです。
【川口院長】内視鏡検査や超音波検査は、基本的に保険診療ですが、企業健診で追加する場合など自由診療としてもご利用可能です。当院を消化器についてなんでも相談できる窓口と思って、検査などで便利に使っていただければと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とは腹部超音波検査/5500円
各種がん検診/胃がん検診(内視鏡)1万6500円、大腸がん検診(内視鏡)1万9800円ほか