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首藤 由江 院長の独自取材記事

よしえクリニック

(大阪市中央区/北浜駅)

最終更新日:2019/08/28

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大阪市営地下鉄堺筋線・北浜駅から徒歩約1分の所にある「よしえクリニック」。同院の診察室は、上品で落ち着いたインテリア、明るい日差しが差し込む大きな窓など、患者が日常から離れて、一時の安らぎを得ることができるような癒やしの空間になっている。心療内科・内科を標榜する同院では、薬の使用は最小限の量・期間で、漢方なども活用し、対話を重視しながら不調の原因を明らかにする診療を行っている。首藤由江(しゅどう・よしえ)院長は「心身一如=心と体はつながっている」という考え方を基本に、20年の臨床経験を重ね、ストレスによるさまざまな心身の不調を抱える患者と向き合ってきた。今回は、そんな首藤先生の診療や薬に対する考え方、今後の展望、プライベートな素顔の部分に至るまで詳しく聞いた。
(取材日2017年11月8日)

悩みは人に話すだけで軽くなることがある

気分が落ち込むなどの不調は誰にでもあると思いますが、どのような段階から治療が必要になるのでしょうか?

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やはり治療が必要になってくるのは、日常生活に支障が出た段階だと思います。「こんな程度のことで……」といった遠慮は必要ありません。ご本人がその症状に不安を感じているなら、気軽に心療内科を受診してみてください。日本には、心身の不調を人に相談することを恥と捉える傾向があります。実際、東日本大震災の際は、多くの医師がメンタルの不調のケアをするため現地へ向かいましたが、最初はなかなかご自身のメンタル面での不調を医師に相談する人はいなかったそうです。体のどこが痛い、という話は気軽にするのに、心の不調の話はなかなか口に出せない。そういう文化的な背景もあるのでしょう。しかし、自分自身の気持ちを誰にも打ち明けずに悩み続けることで、症状が悪化してしまうこともあります。当院では、心身の不調を抱える患者さんの良き伴走者となれるよう、しっかりと患者さんのお話を伺っていきます。

心療内科で行われる治療とは具体的にどういうものですか?

最初は、心身に現れるさまざまな症状をお薬などで和らげるところから始めます。コントロールしきれなかったストレスが、結果として症状に現れているわけですから、根本的にはストレスの原因について話し合い、それにどう対処していくかということを考えなくてはなりません。しかし、心身ともに疲れきった患者さんの場合、最初はそうした作業に取り組むだけの気力も持てないことも多くあります。ですから、まずはお薬でつらい症状を緩和し、少し落ち着いたところで、患者さんの生活の背景、仕事の状況、行動や考え方のパターンについて、しっかりとヒアリングします。院内の内装なども、あえて病院らしくない雰囲気にして、日常を離れてリラックスできる空間にすることを意識しました。

ストレスが原因で心身に不調をきたしてしまう人にはどのような人が多いですか?

やはり、我慢強い人、相談することが苦手な人が多いですね。また、ご自身のストレスを過小評価している人も多いです。「みんな我慢しているのに、こんなことぐらいで……」という考え方です。しかし、重要なことは「みんながどう思うか」ではありません。「自分自身がどう感じるか」です。自分自身を追い詰めてしまう、そうした考え方を少しずつ軌道修正していくことで、症状が改善することもよくあります。

漢方薬も扱うそうですね。また、処方するお薬も最小限だと伺いました。

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治療のために用いる薬には副作用というデメリットがあり、私自身も内服には慎重です。しかし、もちろん薬にはメリットも存在します。薬は、例えば足が折れた人が松葉杖をつくような、弱ったところを支える杖代わりのようなものです。ただ、一時的に弱い部分を支えるためには役立っても、杖に頼りっぱなしになってしまうのは良くありません。そのため当院では、お薬の処方は最小の期間、量で済むよう心がけていますし、漢方も扱っていますよ。漢方は、ある程度の期間服用しないと効かないと思われがちですが、即効性があるものもありますし、向精神薬で治らなかった症状が漢方で治った例などもありますから、必要に応じて用いています。

心因性の不調にも早期治療が大切

医師をめざしたきっかけや、心療内科・精神科に進まれた理由は何ですか?

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実は最初薬学部に入学したのですが、勉強をしているうちに、化学式より人の体や心について学ぶほうが自分には合っていることに気づき、医学部に入り直しました。その後の学生生活の中で、穀物や野菜、海藻類などの自然食を軸とする食事法に傾倒している友人に出会い、その人の話を聞くことで、病気の治療は対症療法だけではなく、生き方そのものを治すという視点も大切なんだ、と気づくことがありました。また、原因不明の腹痛などで長く苦しみ、各科の先生方が頭を悩ませてもまったく治らなかった患者さんの症状が、カウンセリングによって、あっさり改善した例がある、ということも勉強会などを通して知りました。病気の原因は、医師や患者さんご自身が思っているよりも、ずっと身近なところに存在している場合もあるのです。こうしたことに興味を持ったことから、心療内科の道に進みました。

なぜ北浜での開業を決めたのですか? 開業に至った経緯も併せて教えてください。

大学病院に来る患者さんは、既に症状が進んでひどく重症になっていることが多いです。本当は、心療内科や精神科においても早期の治療開始は大切なのですが、実際のところ、少し不調を感じるからといって、いきなり大学病院にかかるのはハードルが高いと感じますよね。そこで、仕事帰りなどに、なるべく早い段階で気軽に受診できる心療内科があればと思い、開業を決意しました。北浜という地域を選んだのは、私が昔からこの土地が好きだったからです。おしゃれですし、来ると、どこかホッとする町でもあります。

患者層や主訴に何か特徴はありますか?

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患者層は、若いOLさんや仕事帰りのビジネスマンの方など、さまざまですね。年齢は20~40代ぐらいまでの方が多いです。主訴はやはり、吐き気がする、眠れないといった、ストレス反応による体調不良が多いです。仕事に行こうとすると、涙があふれて止まらなくなる……というような話も珍しくありません。精神的な負荷だけがストレスの原因と考えられがちですが、実際は肉体的にも疲れすぎると、それがストレスとなって体調不良を引き起こすこともあります。

女性の笑顔は社会の元気につながる

将来の展望についてお聞かせください。

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私は、女性を元気にすることも、社会を元気にすることにつながると考えています。お母さんが元気なら、子どもや夫も元気でいられます。子どもの健やかな成長には、母の笑顔は欠かせません。ですから、何か女性を元気にできるような活動をしていければと考えています。その一環で、放課後デイサービスのお母さん向けに「女性が笑顔でいられるための勉強会」を実施予定です。今の時代、女性はさまざまな役割を求められ、苦しい思いをすることも多いです。「~しなければならない」「~でいなければならない」という足枷のような思い込みで、自分自身を苦しめてしまうことがないよう、いろいろな実例を交えつつ、お話ししていければと思っています。

休日の過ごし方を教えてください。ご趣味などはありますか?

趣味は陶芸です。かれこれ7年位やっていて、一通りの物を作りました。今は、少しクオリティーを意識して、再びお茶碗作りに取り組んでいます。無心で土を触っていると、ストレス発散になって良いですよ。ちなみに、ろくろを使うとおしゃべりができないので(笑)、私は手びねりをメインにしています。あとは、教会に足を運ぶこともあります。リラックスできるし、牧師さんのお話でものの捉え方や見方が広がって、気持ちが楽になることもよくあります。

最後に、読者に向けてメッセージやアドバイスをお願いします。

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今自分が悩んでいること、考えていることを、人に話したり紙に書いたりするだけでも、症状が軽くなることがあります。自分にとって何がストレスなのかを自覚することで、問題を冷静に客観視することができるのです。病気になりたくてなる人はいません。けれど、病気になってしまったら、もう「転んでもただでは起きない」くらいの気持ちで、病気や自分の生き方、考え方を見直し、自分らしさを取り戻す良いきっかけにしてしまいましょう。当院でそのお手伝いができましたら、幸いですので、お気軽に訪れていただけたらと思います。

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