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本田 浩一 院長の独自取材記事

岐南ほんだクリニック

(羽島郡岐南町/手力駅)

最終更新日:2021/03/11

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岐南町の「ぎなんメディカルスクエア」内にある「岐南ほんだクリニック」は2017年、本田浩一院長が「地域に密着し、精神科医療を支えたい」という思いで開業した。医療モール内にあるクリニックだが、同院専用の出入口を確保し、患者のプライバシーにも配慮。落ち着いたシックな雰囲気の待合室やカウンセリングルームは、リラックスして過ごせる空間となっている。内科と精神科の両輪から見立て、「心」と「体」を総合的にサポートし、患者一人ひとりに寄り添った丁寧な診察を行っている同院。「いつもの自分と違ったら気軽に来院してほしい」と語る本田院長に、力を入れている診療や、治療におけるモットーなどを聞いた。
(取材日2018年7月19日/情報更新日2021年2月24日)

多職種の専門スタッフが心と体の両方からアプローチ

医師になったきっかけと、精神科を選択された理由をお聞かせください。

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父は広島県で開業医をしており、ゆくゆくは自分も医師にならなければいけないことは幼少時より意識はしていました。ただもともと私は典型的な文系人間で、理系科目に特別苦手意識があり医学部受験は一旦諦め、公認会計士などを意識しつつ高校卒業後は慶應義塾大学経済学部に入学したのですが、最終的に方針を転換。大学を卒業後4年のブランクを経て苦手だった理系科目を何とか克服し、名古屋市立大学医学部に入学しました。医学部には他の学生よりも約10年遅い29歳で入学したので、専門は自分が年を重ねても仕事が続けられる分野にしようと精神科を選択。年齢を重ねるごとに味が出る、そういう診療ができる科だと思ったのです。卒業して3年目に内科を専攻したのも、精神科の医師になるための礎として内科診療の基礎知識をつけてから進もうと考えたから。精神科は身体科疾患に習熟していないとできない科ですので、内科を経験することはとても重要でした。

精神科は内科との関連する部分が多いのですか?

「気分が落ち込む、意欲がない」、といった精神的な訴えよりも、「体がだるい、めまいがする、頭痛がする、肩が凝る、眠れない、微熱が続いている」など、体の症状が前景に出てしまい、内科や耳鼻科、整形外科を受診する患者さんが実は圧倒的に多いのです。しかし内科的、外科的な問題が見つからない。そこで次の段階として精神科を受診に来られるんですが、その際に内科的な疾患の見落としがないかをしっかり判断できる能力がないと、精神科の医師は務まらないところがあるんです。「心身一如(しんしんいちにょ)」という言葉のように、心を診るには、体も診る必要がある。心と体は一体ですから両方を診察できるようになりたいという思いを常に持ち続けています。

開業の際、こだわった点は?

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以前から僕は、医師や看護師だけでなく、多職種のスタッフで患者さんの治療アプローチをしたいと考えていました。精神科の場合、医師の診療だけでは事足りないことが多くあります。例えば、うつ病や不安障害などで会社に行けない、外出できないという方は、診察を受けに来るだけでも一苦労です。そんな患者さんに診療以外でも外出する機会をつくっていかないと、社会復帰が徐々に難しくなるんです。ですから、社会復帰のサポートをしていけるよう、デイケア、リワーク施設を併設しました。また日常生活そのものが上手にできない患者さんには、看護師や精神保健福祉士が自宅に訪問し、外出訓練や受診のサポートを行い、服薬の状況や生活の様子を細かく観察し、それを僕にフィードバックするような包括的な医療が必要です。そこで当院では、看護師、臨床心理士、作業療法士、精神保健福祉士など約25人の専門スタッフがチームの力を結集し対応を行っています。

適切な診断と多様な検査で、患者の社会復帰をサポート

力を入れているという大人の発達障害の治療について教えてください。

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学生の間は不注意や物忘れがあっても、そこまで目立たないことが多いですが、社会人になり、やるべきタスクが増えていくにつれ、どうしても面倒な仕事を後回しにしてしまったり、2つのことを同時に処理できないなど、患者さんの苦痛をよく耳にします。当院では、認知療法、行動療法、生活指導のほか、先進の内服薬による治療を並行して行っています。治療を行うことで、仕事を順調に運べるようになることが期待でき、また家事や子育てに支障が出るADHDの女性の方にも治療を受けていただけます。

その他には、どんな症状の患者が多いですか?

多く来院されるのは軽症のうつ、適応障害、不安障害といった患者さんです。入社や転職など環境の変化によるストレスで、不眠や不登校、会社に行けなくなった方などが大勢来院されます。初診では、まず予診といって臨床心理士から「どういった状況で来られたか、何に困っているか」を15〜30分ほどお聞きしています。その後、医師による診察を行い、治療計画を見立てていきます。その他に特殊な問診法や心理検査でその方の性格傾向や知的能力、うつや不安の程度を細かく診ていきます。また、血液検査や心電図検査、簡易睡眠時無呼吸症候群検査など身体的な検査も行います。

併設の通所医療施設「デイケアセンター ミライ」では、復職支援も行っているそうですね。

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この地域には休職者のためのリワークプログラムを提供している施設が少ないと聞いていました。そこでそういった方々に治療の場を提供できればと、2019年4月に同じ施設内にデイケアセンターを新たに開設しました。ここでは生活支援や作業療法、認知行動療法などを行い、社会復帰するためのさまざまなプログラムを用意しています。また、土曜日に限り、学童を対象とした「子どもデイケア」も開設しており、家庭外環境への適応、社会性と自立性の発達を促すためのトレーニング、ティーチングを行っています。

気軽に相談できる身近さで、生涯にわたって支えたい

診療で大切にしていること、心がけていることは何ですか?

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眠れない時は睡眠薬、不安が強い時は抗不安薬、気持ちが落ち込んでいる時は抗うつ薬、妄想や幻覚には抗精神病薬といったように、患者さんの主訴によって薬の種類が増えやすい「多剤併用」になる傾向が精神科・心療内科にはありますが、僕はなるべく「処方は極力シンプルに」を常に心がけています。患者さんの状態を見て、なるべく減薬していくことを心がけ、漢方薬を治療のエッセンスにして依存性を抑えるなど、処方の工夫をしています。また、睡眠衛生指導といって、睡眠薬を使用する前の段階で患者さん自身ができることの提案もしています。呼吸法などのセルフメディケーションも指導することがあります。さらに、臨床心理士、公認心理師によるカウンセリングも行っており、50分のセッションを続けることで症状の改善が見込める場合もあるんですよ。当院の場合、始めの段階で治療目標や期間についても患者さんの安心のためにしっかりお伝えしています。

こちらのクリニックの強みは、どういうところだとお考えですか?

開業して4年がたち、今では岐阜県、愛知県下から多くの患者さんが来てくださるようになりました。近くに発達障害を診られるクリニックが少ないこともあって、壮年期の働き盛りの方を中心に、遠方だと郡上市や高山市からも来院くださいます。大きな病院だと待ち時間も長くなりますし、主治医を固定することができない場合もありますよね。そういう意味では主治医が決まっているというのはクリニックの強みだと思います。また、入院施設のある精神科の単科病院にかかるというのは、敷居を高く感じてしまう方もいらっしゃるでしょう。男性は仕事や定年後の悩み、女性はホルモンが影響する思春期から妊娠、出産、育児、更年期、認知症など生涯の中でピンチの時が多くやってきます。いつもの自分じゃないと感じたら軽い症状でも気軽に来院ください。早期発見、早期治療が何よりも重要。どんな方も気軽に相談できる身近なクリニックをめざしています。

今後の展望についてお聞かせください。

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現在はより多くの患者さんの治療ニーズに応えるため、2020年9月より副院長を招き、二診体制で診療を行っています。デイケアやリワークセンター、訪問看護を含めると開業後の4年間で非常に多くの患者さんに来院いただけるクリニックとなりました。今後は岐阜県内にクリニック分院を新設することやグループホーム、作業所などの福祉施設の拡充なども視野に入れています。常に迅速に、かつ的確に患者さん個々のニーズに応えていきたいと考えています。これからもよろしくお願い申し上げます。

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