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本田 浩一 理事長、山口 智也 院長の独自取材記事

岐南ほんだクリニック

(羽島郡岐南町/手力駅)

最終更新日:2024/05/13

本田浩一理事長、山口智也院長 岐南ほんだクリニック main

2017年に「ぎなんメディカルスクエア」内に誕生した「岐南ほんだクリニック」は開業以来、地域住民のみならず、滋賀県や愛知県など遠方からの患者も多いクリニックだ。この春、西岐阜エリアに誕生する姉妹院の開業に伴い、前院長の本田浩一先生は理事長に就任し、2024年4月より山口智也先生を新院長として迎え、さらに地域の治療ニーズに応えるクリニックになるべく新体制となった。山口先生は精神科を専門とする以前は、救急医療の専門家としてドクターヘリにも搭乗するなど、救急医療の前線で活躍した経験を持つ医師だ。新体制となったその経緯や診療において大切にしている考えなど、本田理事長と山口院長に語ってもらった。

(取材日2024年3月14日/情報更新日2024年4月1日)

救急医療の前線から精神科へ

山口院長のこれまでのご経験や医師を志したきっかけをお聞かせください。

本田浩一理事長、山口智也院長 岐南ほんだクリニック1

【山口院長】もともとは救急医療が専門で、最初に勤務した青森の病院では救急の外来にいて、ドクターヘリにも乗っていました。医師を志したきっかけは高校時代の友人たちが医師をめざす人が多くて、その影響が大きかったと思います。医学部の学生の頃は、精神科についても関心がありましたが、学生から臨床の現場に出た段階では、自分が対応できる治療の間口を広げたいという想いがあり、救急科を選びました。当時勤務していた青森県の病院は、さまざまなことにチャレンジができる環境で、とにかく経験を積む機会がたくさんありました。その後、札幌市の病院に勤め、そこで精神科を担当するようになりました。精神科をスタートしたばかりの頃は苦労もありましたが、やはり救急科にいた頃の経験は糧になっていたと思います。

救急医療に従事していらしたんですね。どのような理由で精神科もご専門にされたのでしょうか。

【山口院長】実は救急の外来には精神科の患者さんも多くいらっしゃるんです。ご自分の症状について、どの科を受診したらいいのかわからない、どこに助けを求めたらいいのかわからない、わからないから間口の広い救急に来るというケースを多く診てきました。その時に、精神科の患者さんはとても苦労して病院にかかられているなと思いました。そして、せっかく来院しても上手に受診できないことが多いんですね。相談したいことはたくさんあるのに、できないまま帰っていくということをよく目にしていました。その姿を見て、体を診る診療科と精神科の間に立てるような医師になりたいと思い、精神科へとつながっていきました。また、社会に向いて仕事をするという意味では、精神科は役所とコラボレーションすることが多く、救急は消防や自衛隊とコラボレーションすることが多い。外と連携して仕事をする部分では精神科と救急科はとても共通点があると感じています。

2024年4月に姉妹院が開業されるということですが、どのような連携体制になるのでしょうか。

本田浩一理事長、山口智也院長 岐南ほんだクリニック2

【本田理事長】当院は診察やカウンセリング、精神科訪問看護に加え、休職者のためのリワークプログラムを提供するデイケア施設を併設したり、学童を対象とした「子どもデイケア」も実施したりする多機能型のクリニックです。現在当院には、愛知県や滋賀県など他県から、また大垣市や瑞穂市など遠方から来院されている患者さんもいらっしゃいますので、姉妹院はその方々の利便性を考えたエリアに新設しました。そのため訪問診療で立地的な連携をするほか、姉妹院の患者さんに当院のデイケア施設に来ていただくことも可能です。また、4月以降も私も火曜日はこちらの診察に入りますし、その間は、山口先生は姉妹院の診察に入ってもらい、常に連携できる体制を整えて、治療ニーズに応えられるようにしていく予定です。

患者の意思や希望を聞きながら双方向で診察を

山口院長が診療の時に大切にしていることは何でしょうか。

本田浩一理事長、山口智也院長 岐南ほんだクリニック3

【山口院長】満足度を少しでも上げて帰宅していただきたいなと思っています。精神科の疾患は特に今日一日だけ診たからといって劇的に良くなるわけではありません。僕と話をすることで「来て良かったな」と思ってもらえることが最低条件かなと思っています。また、ただ薬をもらいに来るためだけの外来にはしたくないですね。例えばすごく回復して、復職もできているような状態で「薬だけで結構です」と言われるのであれば、それで良いと思います。ただ、そうではない方に、薬だけ出すという診療には、僕は少し違和感があります。やはり救急と違って数時間前に急に受診する状態になったというわけではなく、これまでの長い人生の苦悩がある方もいらっしゃいます。何とか当院までたどり着いてきてくださったのだと思いますので、何か僕に力になれることはないかと、いつも考えています。

大人の発達障害の治療についても力を入れられているのですね。

【山口院長】大人の方がご自分で調べて自分は発達障害じゃないかと思われて、診察を受けるケースは少なくありません。診察室に入ってくるなり、これまでの生きづらさを話してくださるような方がいらっしゃったら、僕はまずは患者さん自身のお考えを聞くようにしますね。医学的にこちらのほうがいいということはあるかもしれませんが、患者さんご本人の人生ですので患者さんご自身がどういうふうにやっていきたいのかということを大切にしたいと思います。必要な時には必要な薬も処方しますが、ほかの対処法もあるということを一緒に考えていきたいと考えています。

山口院長のお考えは、こちらのクリニックの理念とも親和性が高いのではないでしょうか。

本田浩一理事長、山口智也院長 岐南ほんだクリニック4

【本田理事長】そうですね、先ほど山口先生がお話しされていたことはSDM(共同意思決定)と言って、医師の判断のみではなく、患者さんの意思や希望を聞きながら、お互いに話し合って診察していくというスタイルです。このSDMを山口先生は貫いていらっしゃって、それがこの「岐南ほんだクリニック」の理念にも合っていると思いました。それに、山口先生は診察中など、すごく親身に目の前の患者さんのことを考えておられる先生だという印象が強いですね。本当に真面目な人柄で、非常に信用できる先生だと感じています。だからこそ、このクリニックをお任せしたいなと思いました。

「先生に会いに来た」その気持ちに応えていきたい

ほかには、どのような症状の患者さんが多いのでしょうか?

本田浩一理事長、山口智也院長 岐南ほんだクリニック5

【本田理事長】多いのは軽度のうつ症状、適応障害、不安障害などの患者さんです。入社や転職といった環境の変化によるストレスで、不眠や不登校、会社に行けなくなったという方が大勢来院されます。初診の方には、まず予診といって臨床心理士から「どういった状況で来られたか、何に困っているか」を15〜30分ほどお聞きします。その後、医師による診察を行い、治療計画を立てていきます。そのほか、心理検査でその方の性格傾向や知的能力、うつや不安の程度を細かく診ていきます。また、血液検査や心電図検査、睡眠時無呼吸症候群の簡易検査など身体的な検査も行っています。

院長に就任されるにあたって、今後のご展望をお聞かせください。

【山口院長】具合が悪くてもクリニックに来られない方がいるという事実があります。そういった方に向けて訪問診療ができるような体制を整えたいですね。ドクターヘリではありませんが、助けを求めることすらできない方もいますので、こちらから乗り込み、医療を届けに行きたいという気持ちがあります。ただ、患者さんとのお付き合いは救急とは違い長くなりますので、自分自身が体調を崩すことなく、この地域に密着して長く頑張れるよう尽くしたいです。ありがたいことに「先生に会いに来た」と言ってくださる患者さんもいらっしゃいますので、そのお気持ちに応えられるようにしていきたいです。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

本田浩一理事長、山口智也院長 岐南ほんだクリニック6

【山口院長】来院されるまでに「こんな症状でクリニックにかかってもいいのかな」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、心療内科でも精神科でもファーストタッチがとても大切ですし、心のケアが必要なのか、体のケアが必要なのかも診察してみないとわかりません。診察した上で地域のほかの診療科の先生に連携させていただくことも可能ですし、一緒に悩むこともできます。どなたでも、どんな悩みでも構いません。どうか一人で悩まずに、気軽に来院していただけたらと思います。

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