井上 雄一郎 院長の独自取材記事
井上内科クリニック
(茅ヶ崎市/北茅ケ崎駅)
最終更新日:2021/10/12
茅ケ崎駅から徒歩約20分、矢畑のバス停からすぐの場所にある2017年5月に開院した「井上内科クリニック」は、内科、糖尿病内科、甲状腺内科、生活習慣病の診療を行う。かかりつけ医として地元の人々が通院するほか、糖尿病や甲状腺疾患の治療のため、遠方からも通う患者が少なくない。糖尿病の患者は病院へ通院した際、検査のために長時間待つことが多い。その点を問題視した井上雄一郎院長は「大きな病院でもクリニックでも糖尿病の患者さんにできる治療は変わらない。地域にクリニックを開院すれば、少ない待ち時間で診療ができるかも」と考え開院に至った。混んでいない時であれば糖尿病の検査結果がすぐに出せ、糖尿病の患者の負担軽減につながるのだとか。井上院長に治療にかける思いを語ってもらった。
(取材日2017年12月20日)
患者とのコミュニケーションを重視
医師をめざしたきっかけを教えてください。
私の両親が医師というわけではないのですが、親類に医師が多く、身近な職業だったんです。小学生のころから「将来は医師になりたい」と言っていたようです(笑)。また、両親も私が医師になることを望んでいたようだったのでその影響もありますね。寒い所が苦手なので、大学はできるだけ南の地域を、と考えて沖縄の大学を選びました。茅ヶ崎も関東では暖かいエリアですので、そういう意味でも、茅ヶ崎は好きな場所ですね。
専門は代謝内分泌内科とのことですが、代謝内分泌内科を選んだのはなぜですか?
内科と外科を比較したとき、内科のほうが自分に合っていると思いました。その中で、代謝内分泌内科は長く患者さんと接することができる科なんです。また、心筋梗塞や脳梗塞などの大きな病気になる前に、予防的に介入ができるというところに面白さを感じました。自覚症状が出て生活に支障をきたし生活の質を落としてしまう前にやれることがあるんじゃないかと思うんです。それができるのが代謝内分泌内科です。
患者さんはどのような方が多いですか?
近隣の方が多く、徒歩圏内の方がほとんどです。また糖尿病と甲状腺を専門に打ち出しているので、お悩みの方だと少し遠いところからも来られます。寒川や茅ケ崎駅の南側、あとは平塚から来られる方もいます。糖尿病の患者さんとは長いお付き合いになりますので、私が茅ヶ崎市立病院に勤めていた頃からの患者さんもいます。患者さんの年齢層は幅広く、内科は若い世代の方、糖尿の方は60~70代が多いですね。甲状腺内科は甲状腺疾患の患者さんが来られますが、若い女性に多い病気なので、20~40代の女性が多いですね。生活習慣病では高血圧の方、コレステロールや尿酸値が高い方が来られます。糖尿病よりも少し若め、50~60代の方が中心です。
患者さんと接するときに心がけていることを教えてください。
ここは開院したばかりなので時間に比較的ゆとりがあります。そのため、患者さんとコミュニケーションをしっかり取ることを心がけています。話が一方通行にならないように、分かりやすく説明するようにということに注意を払っています。ものすごく混んでくると難しくなるのですが、時間をかけて病気について説明をしていけたら良いと考えています。忙しいとゆっくり話すのは難しいですよね。どうしても時間が取れない、時間を取ってしまうと後ろの人に響いてしまうというところがあります。しかし今は時間を取って一人ひとりの患者さんに対応できますので、こちらとしても余裕がありますし、以前勤めていたような規模の大きな病院よりは待ち時間も少なくできています。
通院を忘れてもいい、気にしないで来てほしい
こちらならではの治療について教えてください。
糖尿病を専門的に診ることができますし、検査も大きな病院と同じような精度で受けて頂けます。糖尿病の治療というのは、大きな病院でもうちのような小さなクリニックでも、内容はあまり変わりません。しかし、大きな病院で糖尿病の検査を受けると、待ち時間が長く時間がかかかります。初診だと2時間で診てもらえたら早いほうなのではないでしょうか。実際、大きな病院で勤めていたとき、患者さんから「待ち時間が長い」という話を聞いたこともありました。大きな病院は検査の結果が出るのに時間がかかりますが、ここでなら短い時間で検査結果が出せ、待ち時間も短くできることは患者さんにとってメリットだと思います。
糖尿病の患者さんとは長いお付き合いになりますよね。
食事指導なども行いますが、すべての方がきっちり守れるというわけではありません。それでもいいと思っています。意識してもらえるだけでも変わってきますから。糖尿病では合併症が進んでしまい、失明や腎不全で透析を受けなければならないようになってしまう患者さんがいます。こういう患者さんは治療中断歴があるケースが多いんです。糖尿病そのものは自覚症状が乏しい病気です。そのため治療を中断しても生活そのものに支障をきたすことはあまりないため、中断してしまう患者さんがいるんです。しかし中断歴がある患者さんは合併症が進んでしまい、失明などの重い症状になってしまいがちです。血糖値のコントロールは悪くても、しっかり通院していた方はそこまでの重い合併症に至ることが少ないのです。治療を中断してしまうというのは、リスクがとても高いです。症状が無くても通い続けていただくというのはとても大切です。
なぜ通院を中断してしまうのでしょうか。
いろいろな理由があると思います。忙しかったり、予約日を失念していてその後行きにくくなってしまったり。また単純に病識があまりないため、というケースもあるでしょう。予約を忘れてしまうときもあるでしょう。うちであれば予約外で来ていただいても問題ありません。忘れてしまっても、とにかく気にしないで来ていただきたいです。患者さんの将来のためにも中断しないことが大事です。
気になることは気軽に相談してほしい
甲状腺内科も診療科目にありますが、どのようなときに受診すれば良いのでしょうか。
甲状腺のホルモンが足りなくなると、だるさ・倦怠感が出たりうつ傾向が出てくることがあります。精神科でうつ病という診断をされている方でも、甲状腺の病気が隠れているということがあるんです。甲状腺の治療をしっかりしてあげれば、うつの薬がいらなくなることがあります。甲状腺のホルモンは基礎代謝を司るので多くなれば痩せやすくなりますし、少なくなれば太りやすくなります。同じ甲状腺の疾患ですが、太りやすくなったり痩せやすくなったりするんです。また、甲状腺疾患では倦怠感があったり集中力が無くなるといった症状があります。普段と変わらない生活をしているのに体重が変動する場合やこのような症状が出る場合は、一度受診をして検査を受けていただくと良いかもしれませんね。
休日の過ごし方を教えてください。
3歳の子どもがいますので、子どもと一緒に遊んでいます。昭和の時代からある特撮ヒーローキャラクターになりきって、戦いをすることが多いです。私が悪役の怪獣で子どもがヒーローになるんです。とっても元気なんですよ。子ども中心の生活です。
読者へメッセージをお願いします。
近所の方にとっては、一番身近なかかりつけ医として頼ってもらえるクリニックでありたいです。ちょっとしたことでも気軽に相談していただければと思います。また、もちろん糖尿病と甲状腺という専門性は変わらないので、糖尿病の診断がついている方や、糖尿病特有の症状が出ている方も相談していただきたいです。たとえば、喉が渇いてトイレが近くなったりですとか、オシッコの回数が増えて体重が減ってくるなど、疑わしいことがあれば検査で確認できますので、いつでも受診してもらえればと思います。