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和田 慶洋 院長の独自取材記事

祇園わだ内科クリニック

(広島市安佐南区/下祇園駅)

最終更新日:2022/08/16

和田慶洋院長 祇園わだ内科クリニック main

JR可部線・下祇園駅から徒歩4分の場所に「祇園わだ内科クリニック」はある。祇園で生まれ育った院長の和田慶洋(わだ・よしひろ)先生が2017年に開業。広島市内でも人口増加率が高く、子育て世代が多いというこのエリアで、地域に根差した医療を提供している。日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医として胃・大腸の内視鏡検査を得意としながら「無用な検査で患者さんに負担をかけない」ことをモットーとする和田院長。内視鏡検査も、できるだけ負担の少ない経鼻内視鏡を取り入れるなど、患者ファーストの姿勢を大切にしている。また、消化器疾患だけでなく、生活習慣病予防にも取り組み、地域の人々の健康維持に力を注ぐ。爽やかな笑顔で親しみやすさあふれる和田院長に、治療方針や地域医療に対する想いについて、詳しい話を聞いた。

(取材日2022年6月23日)

外科との関わりに興味を持ち、内視鏡診療を研鑽

先生はこちらのご出身だそうですね。

和田慶洋院長 祇園わだ内科クリニック1

はい。祇園は地元で、なじみ深い場所です。実家もここから数分くらいですし、かなり土地勘がありますね。地域に恩返しできるよう、この祇園で開業したい思いはかねてからありました。実家の近所ということもあり、友達や昔からの顔なじみの方が来られることも多いです。私を子どもの頃から知っている方や、小学校の頃の先生や、担任の先生が来られることも。先生からは病院でも「和田くん」と呼ばれますね。

内科の医師に興味を持ったきっかけを教えてください。

兄弟が3人いるのですが、私だけ少し病気がちなところがありました。病気がちといっても大きい病気をしていたわけではなく、よく風邪をひいていた程度なんですが。小学生の時からよく病院に一人で行っていたので、医師の仕事に興味を持つようになりました。子ども一人で行くと病院の方々にかわいがってもらえるので、幼いながら居心地の良さを感じていたのかもしれません。その後、福岡大学に進学するのですが、身内に医師がいないこともあり、何科に行くかは正直迷いました。悩んだ末、病気や体を診るなら基本は内科だと思い、内科を選択しました。卒業後、広島大学病院で消化器内科の内視鏡を扱うところにローテーションで回った時、ほかの内科に比べて外科的な要素が加わる部分に興味を持ち、「ここで勉強したい」と思い消化器内科を選びました。

外科的な要素というのは、手術にもつながる点でしょうか。

和田慶洋院長 祇園わだ内科クリニック2

そうですね。胃がんや大腸がんなどは、内視鏡を使って切除する場合があります。内視鏡検査において、外科に紹介すべき進行した症例なのか、内科で切除できる症例なのか、その差を診断することは非常に大事な役割です。患者さんにとって全身麻酔の外科手術になるか、内科的な内視鏡治療かは、とても大きな分かれ道になります。手術すれば胃がなくなったり、大腸を切除したりする可能性もありますから。基本、その判断は消化器内科の医師が行います。進行具合を見極めるという意味では、内視鏡での診断は非常に重要な役割を持ちます。

患者の負担軽減を最優先した内視鏡検査を提供

このクリニックの特徴についてお聞かせください。

和田慶洋院長 祇園わだ内科クリニック3

積極的に経鼻内視鏡検査を行っている点です。口から入れる内視鏡は舌が圧迫され、呼吸しづらくなる恐怖感や「おえっ」となる反射が避けられません。鼻の場合はそれらの軽減が期待できますし、何より会話ができる安心感があります。口からの検査に嫌な思い出のある方が「眠る注射をしてからやってください」とおっしゃることもありますが、不安の強い方は鎮静剤が効かない場合もあり、安全性が担保できません。最初に鼻から入れるメリットをしっかりと説明し、不安を取り除いてから検査に臨んでいただくようにしています。それでも口でやりたいという方もいらっしゃるので、両方できるようにしています。口からの場合は鎮静剤を使いますが、その場合は検査後に車の運転ができません。そのため、車で来られる方には経鼻内視鏡検査をお勧めしています。

内視鏡を希望される方が多く来院されるのですね。

そうですね。胃がもたれる、胃が痛い、胸焼けがする、喉が詰まるなど「おかしいな」という自覚症状を覚えた方が内視鏡を希望する場合が多いです。また、この地域は働き盛りの方や子育て世代が多いので、会社の健康診断でコレステロール値が高い、肝機能が悪い、検便の検査で潜血が引っかかったと来られることもよくあります。「胃カメラを飲む」と覚悟を持って来られる方も多いですが、なるべく検査をしなくて済むよう、話をまずしっかり伺うことを心がけています。数日調子が悪いくらいの軽いものであれば胃薬を出し、悪化したり改善がなかったりした場合のみ、ネットから内視鏡検査を予約して来てくださいとお願いするかたちです。検査を経て、もしもポリープなどが見つかった場合、小さくて入院しなくていいと判断できるものは当院で積極的に切除も行います。

「できるだけ検査をしない」という方針について詳しくお聞かせください。

和田慶洋院長 祇園わだ内科クリニック4

これは私が医師になって以来、ずっと心がけていることです。消化器内科においては症状のある方の場合、病気の7割はお話を伺うことで原因が見えてくるといわれています。残りの2割は診察で腹部を触って判断し、あとの1割は検査で確認する。検査だけに頼っていたら自分の腕が落ちてしまうし、身体的にも費用面でも患者さんに負担がかかる。だからこの方針をずっと大切にしてきました。最低限の負担で済むよう、できるだけ検査に頼らない診察、触診、視診に努めています。とはいえ、患者さんの不安を取り除くのも治療の一つ。どうしても不安だという方には安心してもらうことを優先し、検査をさせていただきます。

院内の雰囲気や設備面でのこだわりはありますか?

院内は設計士さんに相談しながら、和風な木のぬくもりがテーマの内装にしてもらいました。本物の杉の木を貼ってもらったのも、一つのこだわりです。院内設備やシステムについては、スタッフの負担を減らすため、機械化を進めて働きやすい環境にすることを心がけています。SNSで予約できるシステムを導入したり、自動精算機を取り入れたり。この地域は若い世代も多いので、インターネットをできるだけ駆使したいと考えています。

地域の人々の健康を守るため、内科医としてできること

内視鏡での定期検診はやはり重要でしょうか。

和田慶洋院長 祇園わだ内科クリニック5

そうですね。20代のうちに一度でいいので、ピロリ菌がいるかいないかを内視鏡で見てもらうことをお勧めします。ピロリ菌は胃がんの原因の一つとされているので、ピロリ菌がいると判明すればできるだけ早く駆除したほうがいいでしょう。そして除菌後も定期的に検診を受けるようにしてください。除菌で胃がんのリスクは低くなりますが、ゼロになるわけではないからです。日本は胃がんや大腸がんで亡くなる方が多く、特に最近は新型コロナウイルスの影響で進行がんを抱えている方が増えています。感染を恐れて体調が悪くても、検診を控えられていた方が多かったのでしょう。やはり早期発見のためにも、定期的な検診をお勧めします。

このクリニックを今後どのようにしていきたいですか?

地域の方々が生活習慣病などのリスクを抱えないよう、管理していきたいと思っています。急性の心筋梗塞、脳梗塞、脳出血などは命に関わるので、まずは医療の基本として生活習慣病を防ぎ、リスクを減らすことをめざしたいです。ただ、これらは高血圧、コレステロール値が高いなどで判明することはありますが、基本は無症状なので、患者さんはなかなか自覚できません。そこで、診察の中でパンフレットをお渡ししたり、口頭で説明したりして、無症状でも定期的に診察を受ける重要性を説明しています。20年先、30年先に「心筋梗塞や脳梗塞にならなかったね」と思えたら、通院が間違いではなかったんだと思ってもらえるはず。一人でも多くの地域の方に理解してもらい、健康維持に向けて一緒に頑張っていきたいですね。

最後に読者へのメッセージをお願いいたします。

和田慶洋院長 祇園わだ内科クリニック6

最近では、胃もたれに悩んで来院される方が多いです。新型コロナウイルスなどの影響で運動不足やストレスが原因となり、胃腸の機能が低下していることも考えられます。「すぐに検査してください」とおっしゃる方も多いですが、当院ではまず詳しくお話を伺い、薬でのサポートから始める場合がほとんどです。それでも改善がなければ、内視鏡検査をしましょうといった流れで治療を進めていきます。無用な検査は避け、できるだけ患者さんの負担の少ない治療を心がけていますので、まずは気軽に相談へ来ていただけたらと思います。

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