塩崎 正英 院長、塩崎 正嗣 副院長の独自取材記事
しおざき内科
(渋谷区/渋谷駅)
最終更新日:2025/01/09
渋谷駅から宮益坂を上り、表参道駅方面に徒歩約5分。青山通り沿いに面したオフィスビル2階で診療する「しおざき内科」は1997年に開業。白と青でコーディネートされた院内は塩崎正英院長が好きだという海を思わせ、都会のオアシスのような落ち着いた雰囲気が漂う。「人々が孤独になりがちな都会で、たくさんの方の役に立てるのは本当にうれしいものですよ」と話す正英院長。開業以来、温かな人柄と丁寧な診療でさまざまな症状に悩む患者と向き合ってきた。現在は妻の塩崎多枝子先生、息子で副院長の塩崎正嗣先生の3人体制で診療。循環器内科、漢方内科、糖尿病代謝内科とそれぞれの専門性を生かしながら、内科全般に幅広く対応している。正英院長と正嗣副院長に、同院の特徴や診療方針、診療にかける思いなどを聞いた。
(取材日2020年9月23日/再取材2024年11月26日)
患者とともに悩み、ともに解決をめざすホームドクター
1997年の開業だそうですね。
【正英院長】はい。大学病院や総合病院で研鑽を積み、都内や埼玉県内のクリニックの院長職を経て開業しました。以来、渋谷・南青山エリアのホームドクターとして、内科疾患全般を幅広く診療しています。渋谷駅、表参道駅からほど近く、青山通り沿いというアクセスの良い立地もあり、小さいお子さんから100歳を超えるご高齢者まで、多くの患者さんにお越しいただいています。当初は私と、妻で内科の医師の多枝子先生の2人で診療していましたが、今は息子が加わり3人体制で診療しています。
【正嗣副院長】私は大学病院での診療などに従事した後、2020年に当院の副院長に就任しました。私たち3人は内科の医師ですが、院長は循環器内科、多枝子先生は漢方内科や婦人科、私は糖尿病内科と甲状腺・内分泌内科とそれぞれ専門が異なり、多方面にわたって深く診療できるところが強みだと思います。
副院長が診療に加わって、何か変化はありましたか?
【正嗣副院長】当初は院長の診察を希望する患者さんがほとんどでしたが、副院長就任から4年がたち、私が担当する患者さんも増えてきました。糖尿病や睡眠時無呼吸症候群の治療は主に私が診療しています。
【正英院長】開業当初は何でもご相談いただけるクリニックをめざして尽力してきましたが、それはともすると「広く浅く」になってしまう危険性もありました。しかし副院長が加わったおかげで診療の厚みが増し、より患者さんのためになる医療をご提供できるようになったと感じています。女性医師の診察を希望される場合には妙子先生の外来をご案内できますし、もう一人の息子が形成外科を専門としていますので、眼瞼下垂や乳房再建などについてもご相談いただければ紹介もいたします。
どのような患者さんが多いのでしょうか?
【正嗣副院長】内科全般に幅広く対応していますが、多いのは発熱や咳、喉の痛みなど風邪症状で受診される患者さんです。私が当院で診療し始めた頃は新型コロナウイルス感染症の流行の真っただ中でしたが、当時も今も発熱患者さんをお断りせず、検査・診察しています。感染症の診療は内科の本分ですから、今後も積極的に治療していきたいですね。また、新型コロナウイルスやRSウイルスなど各種ワクチン接種も行っています。インフルエンザワクチンは注射のほか経鼻タイプのワクチンも採用していますので、お問い合わせください。
【正英院長】当院のポリシーは、患者さんの立場になって一緒に悩み、一緒に解決していくことです。地域のホームドクターとして、どんな患者さんも等しく対応し、適切な診療やアドバイスで心や体を少しでも楽にしてあげたいと考えています。どんな些細な症状でも気軽にご相談ください。
3人の内科の医師が専門性を生かして幅広く診療
その他、力を入れている分野はありますか?
【正嗣副院長】睡眠時無呼吸症候群の検査と治療に力を入れています。この病気は睡眠中に呼吸が止まってしまうもので、いびきや日中の眠気、集中力の低下といった症状があります。また、放置すると高血圧症や心臓病などの合併症を発症するリスクもあります。診断には睡眠中の呼吸状態を検査する必要があり、かつては入院が必要でしたが、今は自宅で簡単に行えます。睡眠時無呼吸症候群と診断された場合は当院での治療も可能で、重症の場合は適切な医療機関をご紹介いたします。
お子さんの受診も多いのでしょうか?
【正英院長】そうですね。小児科診療としては咽頭炎や溶連菌、インフルエンザなどの感染症や腹痛、胃腸炎、皮膚トラブルのほか、BCGワクチン以外の乳幼児定期予防接種も行っています。中には生まれてすぐの予防接種から始まり、その後も来院してくださる患者さんもいらっしゃいます。赤ちゃんだった患者さんが成長していく姿を見られることはとてもうれしくて、長年同じ場所で診療を続けてきて良かったと感じます。
ところで、お二人はなぜ医学の道に?
【正英院長】父が精神科の医師だったのですが、子どもの頃は橋やダムを造る建築家に憧れていました。ただ、一日ずっと工事でトンネル内にいるのは寂しいな、と(笑)。橋やダムのように形として残らずとも人の役に立つ仕事をしたいと考え、医師を志すようになりました。診療を始めると、病気の治療だけでなく患者さんの悩みを聞くことを大切にしている自分に気づき、精神科の医師だった父の資質が自然に備わっているのかなと感じる瞬間がありますね。
【正嗣副院長】私は純粋に父の背中を追って医師の道に進みました。地域に根差し、多くの患者さんに慕われる父を尊敬していますし、私の目標です。父は患者さんの話や所見を大切にし、そこに知識を重ねて診療しています。その姿勢は「病気を診ずして病人を診よ」という言葉を体現しており、私も見習いたいと感じています。
患者との絆を大切に、地域医療に貢献
診療環境で工夫されていることは?
【正嗣副院長】カルテの電子化やホームページでの情報発信に加え、電話再診やオンライン診療にも対応しています。さらに、スマートフォンやパソコンから事前に問診票を記入できるAI問診を導入しました。症状を手軽に伝えられるほか、待ち時間の短縮にもつながると思います。従来の紙の問診票もご用意していますので、ご都合に合わせてお選びください。
【正英院長】一方で、「今すぐ診てほしい」という患者さんにも対応できるよう、予約制は採用していません。お待ちいただく場合もありますが、体調不良時はいつでもご来院ください。また、疲労回復やエイジングケアをご希望の方へのアドバイスも行っていますので、お気軽にご相談ください。
休日の過ごし方を教えてください。
【正英院長】海が好きで、以前はヨットに乗るのが趣味でした。今は紀元前後から6~7世紀頃まで栄えた仏教美術「ガンダーラ美術」を研究しています。仏像など美術品の鑑賞だけでなく修復・保存にも関心があり、積極的に情報収集しています。
【正嗣副院長】2児の父なので、休日は子どもたちと過ごすことが多いですね。最近、子どもの強い希望でトイプードルを飼い始めたため、犬のお世話も私の役割に加わりました。毎朝、犬の散歩をした後で子どもたちを起こし、朝食を用意するのが日課です。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
【正英院長】「常に患者さんの味方でいる」ことを大切に長年診療にあたってきました。そのことが患者さんに伝わり、またそれが患者さんからの信頼につながっていたら、医師冥利に尽きるというものです。今は息子とともに診療する中で、新しい知識を学べることが喜びです。これからも患者さん一人ひとりに寄り添った、丁寧な診療を心がけてまいります。
【正嗣副院長】地域の皆さんや近隣企業にお勤めの方々が、今も「風邪をひいたら『しおざき内科』へ」と来院してくださることが、とてもうれしいですね。これも院長が長年、誠実な診療を続けてきたからこそだと思っています。これからも院長が築いてきた患者さんとの絆を大切に、地域に根差したかかりつけ医院として皆さんの健康を支えてまいります。どの診療科に行けば良いか迷う場合でも適切な診療科におつなぎしますので、安心してご相談ください。