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曲渕 達雄 院長の独自取材記事

曲渕ペインクリニック

(大阪市西区/阿波座駅)

最終更新日:2026/08/04

曲渕達雄院長 曲渕ペインクリニック main

大阪メトロ千日前線・中央線の阿波座駅から徒歩約4分の便利な場所にある「曲渕ペインクリニック」は、さまざまな痛みの緩和をめざし診療を行うクリニックだ。院長の曲渕達雄(まがりぶち・たつお)先生は、京都大学医学部大学院で学び、京都大学医学部附属病院や赤穂市民病院で研鑽を積み、公立豊岡病院では病院長も務めた経歴をもつ医師。神経ブロック注射や西洋医学の薬だけでなく、漢方薬を用いた治療も取り入れながら診療を行っている。エックス線透視診断装置や骨密度測定装置など、専門的な検査ができる設備も整えて、患者を痛みから解放しようと尽力する。たゆまぬ探究心を持ち続ける院長に、ペインクリニックについて詳しく話を聞いた。

(取材日2018年12月14日)

さまざまな治療方法を駆使して痛みの緩和に尽力

こちらのクリニックの特徴を教えてください。

曲渕達雄院長 曲渕ペインクリニック1

この地域は高齢者が多く、体に痛みを抱える患者さんの役に立ちたいと思って開業したのですが、始めてみると、40~50代で肩こりや腰痛が治らないという方が来られるケースが多いです。まず整形外科へ行き、薬や理学療法で治療をするけれど、なかなか痛みは取れない。何軒か回っても同じで、困ってインターネットで調べてペインクリニックを知り、当院に来ようと思われるみたいです。開業する時、鍼灸師の息子も一緒に、ということになり、1階が鍼灸院で2階が当院になりました。神経ブロック注射と鍼灸はそれぞれ性質が異なり、連携して対応ができるので、両方からのアプローチが可能です。

ペインクリニックでは具体的にどんな治療を行っているのですか?

頭痛と肩こりの症状が多いですが、腰痛・関節痛・神経痛や帯状疱疹にも対応しています。西洋医学の神経ブロック注射や投薬、東洋医学に基づいた漢方薬、運動も取り入れ、使えるツールは何でも使って痛みにアプローチしていきます。「ペインクリニックは注射で痛みをとっているだけで病気を治しているのではないのか」といわれることもありますが、患者さんにとって一番必要なのは、日常生活を不自由なく送れることですよね。そのためには、痛みなく体を自由に動かすことができればいい。その目的に応えることが私の役割だと思っています。例えば痛みの原因に多い圧迫骨折では、脊椎矯正手術をして骨をボルトで固めたけれど、痛みはなくならないということがよくあります。圧迫骨折が起こる原因は主に骨粗しょう症と考えられるので、では骨粗しょう症をきちんと診ていこうと、本格的な骨密度測定装置を入れました。

専門的な装置を導入されたのですね。

曲渕達雄院長 曲渕ペインクリニック2

一般的な検査では踵で測るのですが、骨折しやすいのは、圧迫骨折を起こす腰椎と頸部骨折を起こす大腿骨です。踵での数値が問題なくても腰椎や大腿骨の数値が低い方、その逆の方もおられます。この装置ではそれぞれの箇所を検査できるのですが、やってみて私も「同じ人でも骨の部位によってこんなにも数値が違うのか」と驚きました。開業してから腰や脚の痛みを訴える方を診ている中で、講習会に参加し世界の動向を勉強すると、部分ごとの骨量をきちんと調べたほうがいいとわかってきました。高価な装置の購入は妻に反対されましたが(笑)、予防も含めて適切な診断ができるようになったと考えています。

患者のためになる診療を追究し続ける

ペインクリニックを専門にされ、開業に至った経緯を教えてください。

曲渕達雄院長 曲渕ペインクリニック3

京都大学医学部卒業後、5年ほど勤務医をしてから大学院に進みました。大学病院での勤務を経て、赤穂市民病院に麻酔科部長として赴任しました。そこでペインクリニックの診療を始めたんです。麻酔科は手術時に麻酔をかけるのがメインの仕事なのですが、痛みの緩和をめざして診療する外来もあります。それを赤穂市民病院で始め、この時に東洋医学の勉強をして漢方薬を取り入れて、鍼灸についても学びました。20年近く続け、定年までいるつもりだったんですが、公立豊岡病院に呼ばれて。途中から病院長も引き受けて多忙だったので、「定年になったら週3日くらいだけ診療するクリニックを開業し、後はアルバイトで麻酔の仕事をするような、のんびりした働き方をしよう」と考えていました。でも実際開業してみると、いろんな痛みで困っている患者さんが多くて、のんびりしていられないことがわかりました。

漢方薬を取り入れられたのはどんなきっかけからですか?

赤穂市民病院でペインクリニックの外来を始めた時に、神経ブロックの注射だけでは対応しきれない痛みを抱えた方がおられました。さまざまなことを試す中で東洋医学も勉強し、漢方薬を取り入れるようになったんです。漢方薬は即効性がなく、長く飲み続けないといけないというイメージがあるでしょう。でも、種類によっては即効性が期待できるものもあるんですよ。西洋医学の痛み止めは痛みに直接作用しますが、漢方薬は、例えば血の流れが悪いとか冷えとか、根本的な原因にアプローチできますから、神経ブロック注射と併用すると痛みが出にくくなることが期待できます。

印象に残る症例はありますか?

曲渕達雄院長 曲渕ペインクリニック4

原因不明の腹痛の方が紹介状を持って来られたことがありました。どんな痛みでも診るとはいえ、腹痛はほとんどの場合が内科や外科の領域です。でもその方は、最初に内科に行き、原因がわからないから婦人科や心療内科にも通ったけれど治らなかったそうなんです。それで漢方薬をいろいろ調整しながら、状態を診ていくことにしたということがありました。こうした原因不明の痛みは長期にわたって治療が続くこともありますから、親身な治療を行っていきたいと考えています。

コンセプトは、痛みからの解放

診療にあたってのモットーをお聞かせください。

曲渕達雄院長 曲渕ペインクリニック5

痛みからの解放です。痛みは人間にとって危険を教えるサインではあるけれど、そのために行動に制限がかかり大きなストレスになってしまっているなら、なんとかしてあげたい。まずは神経ブロック注射による処置を行い、その後、再発防止のために日常のフォローをします。例えば腱鞘炎で整形外科に行くと、ステロイドの注射をして対処できれば、たいていの場合それで終わりです。でも仕事で手を使う人だと、また注射が必要になることもあり得ますよね。必要になるたびに注射をしていたら、いつまでも続けないといけなくて、そのうち仕事ができなくなる恐れもある。ですから当院では、クールダウンや湿布、手の使い方などをアドバイスして、痛みが出にくくなるように診療することを心がけています。

再発防止や予防にも注力されているのですね。

肩こりや腰痛、膝の痛みも多いですが、同様にその時だけの対処をするのではなく、再発防止も兼ねて診療します。今はテレビの健康番組や雑誌、インターネットなどで「肩こり体操」「腰痛体操」などいろんな情報があふれていて、何をどのくらいしていいかわからなくなっていますよね。だから、その方に応じたもので、朝起きて5分以内でできる体操を紹介するんです。真面目にしっかり取り組んだ方は、それだけ改善につながりやすくなると考えています。

訪問診療もなさっていると伺いました。

曲渕達雄院長 曲渕ペインクリニック6

依頼があれば対応しています。ここ西区から、痛みのために寝たきりになってしまっている人をゼロにしたいのです。以前、病院に入院していた人が、退院後、起き上がれなくなってしまったから診てほしいと言われたことがあります。内科の先生は往診して病気を診ていらっしゃるのですが、痛みに関しては基本的に痛み止めの薬を出すだけなんですね。周りの方も、病気があるから寝たきりでも仕方がないと思っておられます。でも、痛みがなくなれば自力で立ち、歩くことも期待できるようになると思います。どんな痛みでも、なくせるように一緒に考えていきますので、長い間困っている方、諦めてしまっている方もぜひ一度相談してください。