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市川 眞喜子 院長の独自取材記事

皮フ科 いちかわクリニック

(小平市/鷹の台駅)

最終更新日:2021/10/12

市川眞喜子院長 皮フ科 いちかわクリニック main

五日市街道沿い、上水本町クリニックモール内にある「皮フ科 いちかわクリニック」。院長の市川眞喜子先生は、大学病院に長年勤務。皮膚科部長として10年間勤務した後、総合病院の院長や部長職を歴任した。ベテランでありながら「患者さんや地域の方にクリニックを育てていただいています」と話す気さくな人柄が印象的だ。リラックスして通院できるようにと、待合室には市川院長が自ら撮影した風景写真や熱帯魚が泳ぐ水槽が飾られていて、そこにも院長の心配りが感じられる。地域に根差した診療を大切にする院長に、患者への想いやこれからの展望を聞いた。

(取材日2017年5月18日/再取材日2021年3月12日)

何でも気軽に相談できる地域のかかりつけ医でありたい

開業から間もなく4年。患者さんや地域の方とも関係が深まってきたそうですね。

市川眞喜子院長 皮フ科 いちかわクリニック1

町を歩いていると、白衣を着ていなくても「あ! 皮膚科の先生だ」と声をかけてもらうことが増えました。診療を終えて家に帰る途中に公園を歩いていたら、そこで遊んでいた親子のお母さんに「先生ちょっといいですか?」と声をかけられて、その場で相談に乗り、後日治療のためにクリニックに来てもらったこともありましたね。あとは、開業時に保育園に通っていた患者さんが小学校に入り、中学生は高校生に、高校生は大学生になりました。そういったことを報告してくれるのもうれしいです。クリニックのロゴは「いちかわ」の頭文字「i」をモチーフにしていて、「i」の形が植物の芽に似ていることから「成長していく芽」をイメージしてデザインしてもらいました。芽の周りを囲むグレーの輪はクリニックを支えてくれる方々を表現していますが、まさにロゴに込めた想いのとおりに、地域の皆さんにクリニックを育てていただいているなと日々実感しています。

年齢・性別など、どのような患者さんが来院しますか?

0~100歳を越える方まで幅広く、相談内容もさまざまですね。当院はバリアフリーなので、地域の介護老人ホームに入居されている方が介護士さんと一緒に来られたり、自宅で介護をされている方が、介護している家族に連れて来られたりもしますね。近くにいくつか大学のキャンパスがあるので、ニキビやマスクによる肌荒れで来られる学生さんもいます。0歳の赤ちゃんは、お母さんが乳幼児健診で顔が赤いことを指摘されて「病気かどうかわからないけど不安で」と相談に来られました。その時は病気ではなかったので、お話を聞いて「お母さん、大丈夫ですよ」と肌のケアの仕方をお教えして終わりましたが、最近は核家族が増えて近くに相談できる両親もいないですし、新型コロナウイルス感染症の流行で親同士の交流も減っていますから、もし肌で少しでも気になることがあれば、当院を活用してほしいですね。

性器周りの皮膚疾患で相談に来る女性もいると聞きました。

市川眞喜子院長 皮フ科 いちかわクリニック2

女性医師なので、人に見られると恥ずかしい所も相談しやすいのかもしれません。看護師やスタッフも開業以来ほとんど変わっていないので、すでに通っている患者さんとは顔見知りになっていることも相談しやすい理由の一つかなと感じています。服を脱ぐ必要があるときは、ベッドの回りにかけたカーテンを閉めて、その中で診ます。カーテンはあえて両開きになるように取りつけているので、最小限の隙間を開けるだけで私や看護師が出入りできるんです。患者さんが必要以上に人に肌を晒さずに済むように配慮しました。治療は決して楽しいものではないですから、どうすれば患者さんの心の負担を減らして前向きに治療に取り組んでもらえるだろうといつも考えています。そのために私たちの工夫でできることはなるべく実施していきたいです。

治療や通院における負担を軽くするこまやかな配慮

患者さんの負担を減らすために、他にはどのような工夫をされていますか?

市川眞喜子院長 皮フ科 いちかわクリニック3

女性はもちろん、お子さんやご年配の方にも負担なく通っていただけたらと思っています。例えば処置室の椅子は電動式で、自動で脚を医師の手元の高さに上げてくれるので、患者さんが頑張って動く必要がありません。診察室のベッドは可動式ではありませんが、お母さんの診察中にお子さんが横で座って待っていられるように、お子さんの足が床に着く高さに変更しました。待合室の椅子も座面が低いものを選んでいて、立ったり座ったりしやすいとご年配の方にも好評ですね。診療では、顔や体のイラストに薬を塗る位置を描き込んだ紙を作って、患者さんに渡すこともあります。直接お伝えもしますが、家で見返したいときに使えるので。アロマセラピーも、通院の負担を和らげたいと思って始めたんです。また、今はコロナ禍で通院しづらい状況なので、少しでも安心して通えるようにさまざまな対策をしています。

感染症対策について、取り組んでいることを教えてください。

各所にアルコール消毒液を設置し、スタッフの検温、手洗いを徹底することは基本ですが、例えば患者さんの家族が複数人で付き添うときは、密にならないように診察室よりも広い処置室でお話を聞くこともあります。診察室のドアハンドルには抗菌シートを貼り、診察が終わるたびに椅子や机を拭いて、次の患者さんをご案内します。待合室は雨でなければ常に窓を開けて換気していて、椅子も患者さん同士が向き合わないように間隔をずらして設置。新たに外にも椅子を置いたので、そちらも利用できます。また、車でお越しになる方は車の中でお待ちいただいて、順番が来たらお呼びする対応もしています。それから、診療開始前にスタッフみんなでラジオ体操をしています。私たちが病気にならないことも対策の一環ですし、体力維持・免疫力アップに一役買っていると思っています。

感染症の拡大が落ち着いたら、患者さんとやってみたいことがあるそうですね。

市川眞喜子院長 皮フ科 いちかわクリニック4

今は難しいですが、ご家族みんなで通ってくれている患者さんも多いですし、年代問わずみんなが楽しめる「クリニック祭り」なんてどうかなと思っています。駐車場にはお子さんたちが白衣を着て写真撮影できるコーナーを作って、大人の方には待合室でスキンケアの相談に乗るのもいいですね。「肌に優しい化粧水の塗り方は?」「〇〇はどんな病気ですか?」など、診察では聞けなかった質問に答える機会にもなればと思います。

治療の道筋を立て、完治に向け患者と根気よく伴走

大学病院や総合病院で長く勤められていましたが、開業後にその経験が生きたと感じたことはありますか?

市川眞喜子院長 皮フ科 いちかわクリニック5

当院では治療ができないような、大きな病院に紹介しなければならない疾患にぶつかったときでも、ただ窓口としてつなぐだけでなく、患者さんに説明できることですね。例えば、それがどんな病気であるか、紹介した病院で受けることになるかもしれない検査や治療について説明します。こうした道筋を示せることは、勤務医時代にたくさんの症例を診たおかげだと思っています。大きな病院に紹介となると不安になる患者さんもいるので、少しでも不安を拭えればという想いで診察にあたっています。

患者さんの不安を拭えるよう、さまざまな工夫をされているんですね。

そうですね。なるべく診察に時間をかけるようにしているのもその一つですね。初診では特に、患者さんは「このクリニックで本当に治るのか」と半信半疑だと思いますから。皮膚科は治療に時間がかかる疾患も多いためか、治療が終わる前にクリニックを乗り換えてしまい、かかりつけ医を見つけられずに病気をこじらせる方も多い傾向があるので、そういった患者さんに寄り添いたい気持ちもあります。例えば、一概にステロイドといってもさまざまな強さや種類があり、医師は病気が起こっている部位と病気の程度によって使い分けています。患者さんからするとどのクリニックでもステロイドを出されるので「また?」と思うかもしれません。しかしどの程度の薬を出して、どれくらい良くなるだろうという医師の「さじ加減」を患者さんに伝えることで、治療のイメージを持ち、前向きに通院できると思いますので、そこまで説明するように心がけています。

最後に読者へメッセージをお願いします。

市川眞喜子院長 皮フ科 いちかわクリニック6

皮膚科の疾患は我慢すれば何とかやり過ごせてしまうものもあるので、悪化させてしまう患者さんもいます。コロナ禍でクリニックに通いづらい状況ではありますが、まずは医師に診断をつけてもらい、適切な治療をすることが大切です。不安なことがあれば説明しますし、相談しながら治療の道筋を立てましょう。「病気かどうかわからないけど気になる」など、些細なことでも構いませんので、どなたでも気軽に相談に来てくださいね。

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