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中川 靖子 院長の独自取材記事

たんぽぽこども診療所

(藤沢市/大船駅)

最終更新日:2021/10/12

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JR・藤沢駅より車で10分ほどの場所にある「たんぽぽこども診療所」は、2017年の4月に開院した小児科のクリニック。院長の中川靖子先生は、長年、大学病院や総合病院で豊富な臨床経験を積んだ小児科ドクター。白衣を着けず、患者と近い距離で関係を築いていくのが中川先生の診療スタイルだ。中川先生に、日々の診療への思いや今後の展望などについて、じっくりと語ってもらった。

(取材日2017年5月22日)

患者をしっかり観察することを教えられた勤務医時代

このエリアや患者の印象はどうですか?

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小児医療に関心が高く、しっかりしておられる親御さんが多いという印象です。症状は風邪、鼻水、喘息、嘔吐が多いですね。平日の夕方には保育園帰りのお子さんをお父さんが連れて来られることもありますし、いわゆる「イクメン」が多いエリアなのかもしれませんね。これまで勤めた病院では、お父さんが連れて来られても子どもの病状がわからなかったり、お母さんが経過や病状について書いたメモを私に渡される方がいました。でも当院では、お父さんがお子さんの様子をご自身の口からしっかり説明してくださるので感心しています。

医師を志したきっかけについて教えてください。

父親が医師で、母親が看護師という医療家族だったことが基礎にあるように思います。自然な流れで医学部に進むことになりました。例えば、歌舞伎役者のお子さんが、自然な流れで歌舞伎役者になるようなことに似ていますね。小児科を選んだのも、自然にという感じでした。

勤務医時代の経験が生かされていることを教えてください。

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出向した国立東京第二病院小児科(現・東京医療センター)の小児科の構造は、診察室と待ち合いスペースがとても近く、診療しているとその内容が次の患者さんに聞こえるのではないかというほどの距離でした。待っている患者さんの様子が診察室から見えていました。医局の先生から「今、診療している患者さんだけではなくて、次の患者さんの様子も観察していたほうがいいよ」とアドバイスを受けました。それは、待っているときのほうが、お母さんの不安感や子どもがどれくらいつらそうなのかなど、患者さんの本音や素の姿が見えるからです。このときの経験が、今の私の基礎になっているように感じています。

必要なことは明瞭に伝えて未来志向の治療につなげる

病院と開業医院との違いを感じるのはどんなときですか?

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勤務医は周りに質問できる人がいますし、アドバイスももらえるので、ストレスは少ないかもしれません。さまざまな職種の人ともコミュニケーションできるのでストレスも溜まりにくかったですね。一方、開業すると、基本は一人なので診療に対してさらに慎重になりますし、どんなことも一人で判断しないといけないので、時にはプレッシャーを感じることもあります。反対に、診療所の良い点は、いい意味で自分の好きなようにできるところですね。そして、地域のクリニックだからこそ、このエリアの親御さんがどのような診療を望んでおられるのかをより意識するようになりました。患者さん側のニーズに合ったことをして差し上げたいし、一方で自分の信念も曲げたくないという気持ちがせめぎ合っています(笑)。診療所は地域の方々に受け入れていただくことも重要ですので、患者さんの要望に応えることは大切にしていきたいですね。

診療で大切にしていることは何ですか?

人対人なので、真剣に話せば私の意図は患者さん側に伝わると信じています。最終判断は患者さん側にお任せしますが、伝えるべきことは、はっきりとお伝えします。ありがたいことに、「先生ははっきりと言ってくださるから好き」というお声をいただくこともありますね。中には、はっきりと病名を言われたくないという方もいます。その場合でも、現状は現状として受け入れていただいて、それ以上、悪化しないように、ではどう治療していきましょうかとお話できればと思います。また、病状の深刻度を素早く判断することは重視しています。当院ではこれ以上診れないとなれば、だらだら長く治療するのではなく、素早く連携先の病院を紹介するようにしています。というのが、病院に勤めていた頃、なぜこのような状態になるまで送ってこなかったのだろうと思うことがあったからです。結局、お子さんとご両親の負担が増えることになるので、素早い判断は重要です。

内装や設備面のこだわりについて教えてください。

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動線がスムーズになるようにしました。診療スペースに入り口をいくつも設けて、待ち合いの様子を見れるようにしたほか、スタッフがどこからも出入りできるようにして情報共有がしやすいように工夫しました。授乳室やおむつ交換台も設置しています。血液検査装置は、針をほんのわずか刺して採れる微量の血液で結果がわかるものを導入しています。赤ちゃんでも負担が少なく検査できることがメリットです。そのほか、喘息の吸入器や鼻水の吸引器も設置しています。

医療機関に連れていくことで病状の判断基準がわかる

ところで、休日はどのよう過ごしていますか?

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休日はほとんど家にいないアウトドア派です。スポーツジムに行くことが多いですね。一日中家にいるのは、1月1日と大型台風が近づいていて外出できないときくらいですね。私は正に「回遊魚」。止まると死んじゃうんです。

今後の展望について教えてください。

これからも当たり前のことを当たり前に「普通」にやっていきたいです。この地域に住むお母さんは、私が話す内容の意図をよくつかんで理解してくださいますし、治療にも協力的でたいへんやりやすいです。今後も皆さんと良い関係を続けていければと考えています。患者さんとそのご家族お一人お一人に誠実に向かっていきたいですね。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

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お子さんの病状に対して、どういう対応をすればいいかというのは、実際に経験してみないとわかりません。勤務医時代に実際にあった例ですが、緊急性の高い病状のお子さんをお母さんが日中の外来に連れて来られて、お話を伺ってみると「昨夜からこういう状態でした」とおっしゃるんですね。なぜ夜間救急に行かなかったのか聞くと、「こんな状態ぐらいで行くと怒られるかも」とためらわれたと。こういうふうに遠慮してしまうお母さまは結構多いのかなと思います。医療に携わっていない親御さんが病状の深刻度がわからないのは当たり前。なので、医師からたとえ怒られてもいいから、お子さんがいつもと違う様子であれば積極的に医療機関に行ってほしいですね。そこで先生に「これならまだ家で寝ていていいよ」と言われれば、そこで初めて病状の判断基準ができますよね。そういう経験を積み重ねていくことが、結果的にお子さんの健康を守ることにつながります。

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