吉岡 拓也 理事長の独自取材記事
昭島リウマチ膠原病内科
(昭島市/中神駅)
最終更新日:2026/03/13
リウマチ、膠原病の専門疾患から一般内科や訪問診療まで、地域医療を支えているのが「昭島リウマチ膠原病内科」だ。JR青梅線・中神駅から徒歩7分、昭島駅から徒歩10分に位置する同院は、2017年の開業から今年の3月で10年目を迎える。天井が高く、ダークブラウンと白で統一された落ち着いた色合いの院内は、つらい症状で訪れた患者も落ち着いて過ごせるような雰囲気だ。理事長の吉岡拓也先生は、長年リウマチと膠原病の治療に尽力してきたエキスパートで、現在も近隣の医師たちとの勉強会を欠かさない。高齢化に向け病院に通えない患者のための訪問診療にも力を注ぐ。地域のかかりつけ医として一般的な不調にも気軽に相談してほしいという思いを持つ吉岡理事長にリウマチ、膠原病の治療や、地域医療の取り組みについて話を聞いた。
(取材日2026年1月31日)
リウマチ・膠原病の専門疾患から一般内科まで広く対応
クリニックの特徴を教えてください。

当院はリウマチと膠原病を専門としており、大学病院と同等の診療に努めています。膠原病の患者さんは高血圧症、高脂血症、糖尿病なども患っている方が多いため、生活習慣病にも対応しています。私が日本内科学会総合内科専門医でもあるため、一般内科や甲状腺疾患、花粉症や鼻炎、結膜炎なども診療していますね。さらにインフルエンザや肺炎球菌などの予防接種や健康診断、スギ花粉症とダニアレルギーには舌下免疫療法を行っています。当院はリウマチ・膠原病の名を冠したクリニックですが、内科全般を診ているのでどのような不調でもご相談いただけます。診察の結果、当院で対応できない場合は、提携の大学病院やクリニックを紹介しています。後で詳しくお話ししますが、訪問診療にも力を入れているんです。2026年4月からは日本神経学会神経内科専門医が常勤するので、パーキンソン病などの指定難病や、認知症の治療にも対応していきたいと考えています。
昭島で開業されて、今年で10年目を迎えられますね。
どんどん地域の方々に認知していただけているようでうれしく思っています。以前から地域医療に携わりたいと考えていて、その場所は生まれ育った昭島にしようと決めていました。多摩地区には人口の1%にあたる人がリウマチを患っているといわれているのに、リウマチ・膠原病を診療している病院が大学病院も含めてとても少ないからです。治療の流れとして、患者さんがまずクリニックにかかり、詳しい検査が必要な際には大きな病院を紹介、そこでの検査や診療が終了したらまたクリニックに戻るという仕組みは重要だと考えます。当院がリウマチや膠原病の診療を行うことで、患者さんがそのような流れで治療を受けられる一助になりたいと思っています。
リウマチと膠原病の治療は進歩していますか?

リウマチの内服薬や注射は、20〜30年前に比べると著しい進歩が見られます。現在は薬や注射により、日常生活を送ることがめざせるだけでなく、仕事可能となることも期待できます。当院のリウマチ患者さんは、力仕事に従事されている方も多いですね。薬はさまざまな種類がありますが、患者さんの生活の活動量や経済面、薬との相性、飲みやすさ、注射の好き嫌いなどを考慮し、患者さんと相談しながらその方に合ったものを処方しています。一方で、膠原病は人により症状も治療方法も異なるという性質があります。同じ薬でも効果が見込める人、見込めない人と反応が異なるため、患者さん一人ひとりに合った治療方法を見出すように努めています。リウマチも膠原病も奥が深い病気なので、地域の同じ専門の先生方との勉強会を開いたり、症例や治療方法などの意見交換もしているため、日々の診療に役立てています。
認知症や身寄りのない人を地域から取りこぼさない
訪問診療にも力を入れていると伺っています。

通院が困難な患者さんには月に2回の訪問診療を行っています。受け持ちエリアは広くしており、車で30分ほどのところまで伺っていますね。外来診療が「治療」を主眼としているのに対し、訪問診療は「どのような生活を送りたいか」という生活の質の向上をめざすことを主眼としています。訪問診療によって患者さんの日常生活を少しでも良くしていきたいですね。患者さんはご高齢の方が多いのですが、他には末期がんの方などもいらっしゃいます。末期がんで訪問診療を受ける方は、病院ではなく自宅で最期を過ごしたいと望まれる方も多いので、そのような患者さんたちに医療を届けながら、ご自宅で過ごしていただくためのサポートを行うのが訪問診療の大切な役目だと思っています。
地域医療のための取り組みもされているそうですね。
地域密着医療の一環として、認知症をテーマにした講演会を年に1度開催しています。認知症当事者やご家族を対象に、困り事を抱える方が診療につながれるようにすることを目的とした取り組みです。講演をきっかけに訪問診療へつながるケースや、「講演を聴いて日々の生活に軽い運動を取り入れ始めた」という参加者のお声をいただくこともあり、大きな励みになりました。また、クリニックと別の場所で、「暮らしの保健室」という認知症や身寄りのない人が何でも相談できる場所を設けています。1人で過ごすことの苦痛から解放されることを、この取り組みの目的としています。
患者さんと接する時に心がけていることと、スタッフとの連携をお聞かせください。

時間に余裕がある時は、私が待合室に患者さんを呼びに行くようにしています。そこで患者さんの歩き方や立ち上がり方など、診察室では気づきにくい変化を確認でき、治療方針にも役立つからです。診察では患者さんの話を丁寧に聞くよう心がけていますが、もし診察時に医師に言い忘れがあった場合には、後で看護師に言ってもらうようにしています。そうすることで看護師から私のほうに情報を伝えてもらえるので、患者さんの訴えをしっかりとくみ取ることができます。また、週に2回全従業員でミーティングを行い、患者さんの変化や気づきを共有しています。スタッフは私が気づかないような患者さんの細かな変化に気づいてくれるので助かっています。当院の患者さんの年齢は5歳から100歳越えまでと幅広いのですが、スタッフはお年寄りや小さなお子さんへの配慮が行き届いている点も心強いですね。
専門治療を継続しながら、高齢化医療にも対応していく
先生が医師をめざされたきっかけは何ですか?

機械工学の大学に通っていた学生時代に、大病を患いました。その時に病院で働く医師や看護師の姿を見たことが医師を志したきっかけですね。機械工学の大学を卒業した後、大学の医学部に入学し直しました。医師になってから強く感じるのは、疾患も患者さんの症状も実にさまざまということです。そこが、壊れた部分を直すという機械工学と医学との大きな違いだと思います。たとえば膠原病と一言で言っても、人により症状も違えば治療も異なります。一つ一つ異なる症状とどう向き合い治療していくのかが、大変ではありますがやりがいを感じるところです。
休日はどのようにお過ごしですか?
以前はよくサイクリングに行っていたのですが、この頃はウォーキングをすることが多いですね。1回のウォーキングで10kmから20kmほど歩きます。皇居の周辺を歩くことも多いのですが、道幅が広く歩きやすい上、景色もきれいですね。また甘いものも大好きなので食べ歩きをすることもあります。カロリー消費の意味も含めてジムで体を動かすこともありますね(笑)。
今後の展望と、読者へのメッセージをお願いします。

まずはリウマチと膠原病の専門的な治療の継続を大切に守っていきたいですね。リウマチや膠原病は長く付き合っていかなければいけない疾患なので、患者さんの不安に寄り添った診療をしていきたいと思っています。先ほどもお話しましたが、この4月より神経内科の診療も始まるのでぜひご相談いただければと思います。また高齢化が進み、当院の近所の団地も高齢化率が50%を越えていると聞いています。病院に来たくても来れない人たちの治療にもさらに力を入れていきたいですね。当院はリウマチ・膠原病以外にも内科を広く扱っていますので、不調の際の窓口として気軽に利用してほしいと思っています。大きな病院と共同でカンファレンスを行ったり、医師会で他のクリニックの医師との交流もしているので、当院で対応できない症状の際は、知り合いの専門の医師を紹介できますので安心していただけたらと思います。

