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野畑 和夫 院長の独自取材記事

のばたクリニック

(東海市/尾張横須賀駅)

最終更新日:2019/08/28

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尾張横須賀駅から徒歩7分。一戸建てやマンションが立ち並ぶ住宅街の一角に「のばたクリニック」はある。西に臨む湾岸沿いは、特殊鋼メーカーなどの大工場が稼働する工業地帯だ。全国的に高齢化が進む中で、産業とリンクしたこの街では若いファミリー層も多く、患者層は幅広い。同クリニックの野畑和夫院長は、産婦人科の医師だった父の医院で内科を担当後、2013年7月に独立開業。内科・小児科・消化器内科として、患者の悩みに幅広く対応している。野畑院長は日本消化器病学会消化器病専門医や日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医など、消化器疾患に関連する資格を有しており、検査・医療機器も充実している。「患者さんに学び、育てていただいている」と謙虚な姿勢を大切にする野畑院長に話を聞いた。
(取材日2017年7月18日)

消化器内科の専門家として豊富な経験を生かした診療

医師をめざした理由から、開業までの経緯をお伺いします。

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父がこの近くで産婦人科の開業医をしており、子どもの頃から医師として働く父の姿を見て育ちました。その姿に漠然とした憧れというか、影響を受けたのでしょう。父から医師になるよう言われたことはありませんが、自然と医師になることが自分の進む道と感じ取ったのだと思います。病院勤務を経て当院開業までは、父のところで内科の医師として患者さんの診療に携わっていました。そして父が80歳を迎え開業医を辞めたことを節目に、場所を変え新たなスタートを切ることに。もともと父のところで診療に携わるまでは、消化器疾患を専門としていましたので、そちらに重点を置く現在の方針に切り替えました。消化器内科に深く関わってきたのは、研修医時代の上司の影響から。上司の姿を見て私も同じ道を歩もうと考えました。

お父さまから学ばれたことや、反対にご自分で新しく始められたことはありますか。

小児科領域の経験は、父のもとで多く学ばせてもらいました。小児科に関しては勤務医時代に救急外来くらいでしか関わる機会がなかったので。父の専門でもあった産婦人科領域においても、更年期障害のような内科診療にも通ずる症状については父から学び、引き継いでいます。ただ父のところでやっていたときは、産婦人科の存在感が大きくて、私の内科は隠しメニューみたいでして(笑)。産婦人科の扉を設けていて、そこに内科の患者さんが足を運ぶといったことはなかなかないですよね。だから新しくクリニックを開業するときは、消化器疾患を中心とした内科をしっかり診ていきたいという思いもあって、イメージをがらりと変えたいと考えました。検査機器などの設備も、ほとんど新品で導入しましたね。

現在どのような患者さんが多いですか。

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この辺りは農家の方や、高齢の方が多めですね。でも鉄鋼メーカーの工場があるため、若い人も来院されますよ。ファミリー層や子どもさんもいらっしゃいますね。高齢の方は慢性疾患を診ていくための定期的な通院、働く世代だと胃痛など消化器関連が多いですね。子どもさんはインフルエンザや夏風邪など季節の病気、それから予防接種でも足を運んでいただいています。東海市は集団接種をしない地域なので、それぞれクリニックを選んで接種するのですが、当院は都合のいいときに気軽に立ち寄っていただきたいので、予約制ではありません。また、話をじっくり聞いてほしいと思っていらっしゃる患者さんからはじっくり聞きますし、反対に状態が落ち着いていて診察を手早く済ませてほしい、という患者さんには、そのように対応します。

病気の早期発見を第一に、注力し続ける経鼻内視鏡検査

いろいろな病院で勤務されていた頃、どのような患者さんと出会われましたか。

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勤務医時代は基本的に消化器科に籍を置いていたので、やはり消化器疾患の患者さんが中心ですね。振り返ると、患者さんの疾患には時代的な特徴を大きく感じていました。例えば、ちょうど私が医師になりたての頃は、C型肝炎の患者さんがとても多かったのです。肝硬変や肝臓がんで亡くなる方も多く、今は肝炎も薬で内服薬で治療できますが、昔の治療は今ほど効果を期待できませんでした。検診も普及していなかったので、進行してしまったがんに苦しむ方がたくさんいましたね。大きい病院だったので、重い病気の患者さんが集まってきていました。そんな中、駆け出しの医師の私にできることは、とにかく目の前の患者さんと向き合うことだけ。毎日必死でしたし、患者さんから教わることばかりでした。

特に印象深かった患者さんについて聞かせてください。

20代のB型肝炎の患者さんで、吐血を繰り返している方がいらっしゃいました。その方に「先生、僕、もう死ぬんですか?」と聞かれ、返事に困ってしまうことがあって……。もっと早く治療できていたら、助かったかもしれないのにという思いが強かったですね。胃がん、大腸がんなども今は内視鏡など検査設備も充実していますが、当時はレントゲンが中心でしたから、早期発見も大変でした。そうなると、症状が出てこないまま進行してしまっているのです。「なんで、こんなになるまで」という状態で、亡くなる直前に病院へ来る患者さんは、昔はとても多くいらっしゃいました。大切なのは、いかに早く見つけてあげるかということ。当時のこともあってか、今でもとにかく早期発見につなげることを心がけています。

内視鏡検査を行うときに気を配っていることは何ですか。

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気を配るのは、とにかく患者さんに苦痛が少なくなるようにするということ。そのために、自分で検査を体験してみることもありますよ。消化器内科と言えば、検査・治療は内視鏡ですからね。もちろん昔から内視鏡には関心がありましたし、力を入れてきました。今は鼻から挿入する経鼻内視鏡を使用しています。苦痛が少ないですし、検査中の会話も可能です。昔と比べると映像も鮮明なので、早期発見にもつなげられます。最近は経鼻内視鏡で診てほしいと、自発的に来られる患者さんもいらっしゃいますね。ネットやクチコミでそういう知識を持たれるようです。東海市には大手鉄鋼メーカーがあるので、そこで働かれている方など、横のつながりをきっかけに検討する方もいるのではないでしょうか。

患者に学び育ててもらう、謙虚な姿勢を忘れない

先生ご自身で、内視鏡検査について発信されることはありますか。

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当クリニックのホームページで、苦痛の少ない検査として経鼻内視鏡検査をご紹介しています。経鼻内視鏡が利用されるようになって、もう10年以上。クリニックでも気軽に受けられるようになってきました。利用されるのは50~70代の方が多いですが、40代で始まるがん検診で精密検査になるケースも多いです。若い人は検査を受ける機会が少ないですが、ぜひ一度は受けてほしいですね。病気の発見は早ければ早いほどいいですから。若い人の症状だと、胸やけ、げっぷの原因となる逆流性食道炎が多い印象です。検査というと、つらいイメージがあって皆さん足踏みしてしまいがちですが、がん検診は、年1回は受けたほうがいいです。重ねますが、早期発見が何より大切。命に関わりますから。

診療にあたって大切にされていることは何でしょうか。

謙虚に、優しく、丁寧に、ですね。患者さんに寄り添い「どうですか?」「どうしたのですか?」という感じです。病院の勤務医時代を含め専門家として積み上げてきた経験があり、それを生かした治療はできます。でも、それは当然のことでもあります。私たち医師は、患者さんに学び、育てていただいているのですから、そのためにも、謙虚に優しく話を聞くことが大切だと思っています。勤務医の頃よりも開業医になってからの方が、患者さんの言葉に耳を傾ける時間が多くなった気がします。これからもこの地域のかかりつけ医でありたいと思っています。私でよければ、お役に立ちたいという気持ちですね。

いま重視されている治療や、今後の展望について聞かせてください。

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以前当院に通われていた患者さんのお宅を訪問して診療しています。他の病院に通っていたけど通えなくなったので、在宅で診療してほしいという依頼もありますね。ありがたいことに、「先生、死ぬまで診てくださいね。」とおっしゃる高齢の患者さんが、たくさんいらっしゃいますので。そういう方のための力になれたらいいな、と考えています。また専門性を生かして、さらに内視鏡検査を充実させたいです。高齢の方が増えている土地柄ですから、医療を通じて地域の方のニーズに応えていきたいと考えています。

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