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藤本 研治 院長、加藤 道夫 先生の独自取材記事

ふじもとクリニック

(箕面市/桜井駅)

最終更新日:2024/03/08

藤本研治院長、加藤道夫先生 ふじもとクリニック main

阪急箕面線・桜井駅から東へ徒歩約2分、医療ビル1階の「医療法人 ふじもとクリニック」は内科と消化器内科、肝臓内科のクリニック。駅近の立地に加えて6台分の駐車場を備え、近隣はもちろん周辺エリアからも患者が訪れる。「地域の“よろず相談所”でありたい」という藤本研治院長は、診療科目にこだわらず患者の幅広い相談や悩みに柔軟に対応。とりわけ、国公立病院で長年治療に携わってきた肝臓疾患については、病院レベルの設備を整えて質の高い診療をめざしている。肝臓病の豊富な臨床・研究経験を持つ加藤道夫先生を顧問に迎え、高い専門性を持つ医師が2人体制で診療にあたるなど、肝臓病治療にかける情熱は並々でない。クリニックの診療姿勢や同院の強みでもある肝臓病治療について、藤本院長と加藤先生に話を聞いた。

(取材日2023年6月17日)

気軽に何でも相談できるクリニック

現在地で開業された理由と患者さんの層を教えてください。

藤本研治院長、加藤道夫先生 ふじもとクリニック1

【藤本院長】病院としっかりとしたつながりを持つクリニックでありたいと考えたからです。長年にわたって在籍した吹田の大阪大学医学部第一内科学教室(現・消化器内科)など北摂エリアには関連病院がたくさんあり、この場所はスムーズな病診連携が取れるロケーションです。患者さんについては、現在のところご高齢の方と現役世代の方が半々くらいの割合です。クリニック前に駐車場を備えているので周辺地区からの受診も多く、インターネットで肝臓疾患に強いクリニックを調べて、遠方からお越しになる方もおられます。

地域の「よろず相談所」であることを大事にされていると聞きました。

【藤本院長】 地域の方のさまざまなご相談に応えることは、かかりつけ医の本来の仕事だと考えています。私は消化器内科の医師ですが、これまでの経験などを生かして、幅広いご相談に応えるようにしており、当院では対応が難しいと判断した場合は、適した医療機関に紹介します。時には、腰が痛い、肩が痛いといった相談もありますが、どの診療科を受診すれば良いのかは一般の方には判断が難しいところもあり、当院が橋渡し的な役割を果たせればと思っています。

患者さんと接する際に心がけていることはありますか?

藤本研治院長、加藤道夫先生 ふじもとクリニック2

【加藤先生】肝臓疾患については、一般的にあまり知られていない部分も多く、皆さん不安を抱えておられるので、最初からあまり怖がらせないことをモットーにしています。苦手意識を持たれると、通院がおっくうになってしまいますからね。診療の際は、できるだけ優しく丁寧に対応することを大切にしており、一人ひとりの患者さんをじっくりと診るようにしています。

高いレベルの肝臓病診療をめざす

お二人とも肝臓病の治療・研究経験が長いそうですね。

藤本研治院長、加藤道夫先生 ふじもとクリニック3

【藤本院長】私は約28年、加藤先生は40年以上にわたって肝臓疾患に携わっており、実は、加藤先生は国立大阪病院での私の指導教官で、医療における師匠なんです。病院では、肝臓の超音波診断の研究に力を入れてきましたが、新しい治療や研究成果をクリニックでの診療を通して地域に還元していきたいと考えています。私一人では充実した情報を取り入れることが難しいので、加藤先生をはじめ、他の先生方との情報共有を心がけています。
【加藤先生】藤本先生は、入局当初から肝臓病に取り組み、特に超音波診断検査の研究にたいへん熱心な先生でした。国立大阪病院(現・大阪医療センター)や南和歌山医療センターでも、ともに臨床・研究に取り組んできました。

肝臓専門の診療枠を設けておられます。

【藤本院長】肝臓疾患で受診される方の多くは、健康診断で異常値が見つかり受診を勧められた方です。ところが、この周辺で肝臓を専門的に診ているのはほとんどが国公立病院です。月曜から金曜までの診療で、診療時間もクリニックに比べて短いため、お勤めの方が通院するのが難しい状況です。当院なら月曜から土曜日まで診療しており、夜間の診療も行っているので、働く人も通いやすく、受診の敷居を低くできると考えました。最近は、通いやすい医療機関を求めて当院に来られる方や、他の診療科の先生からのご紹介で診療される方も増えています。

どのような受診理由が多いのですか?

藤本研治院長、加藤道夫先生 ふじもとクリニック4

【加藤先生】C型肝炎、B型肝炎のほか、脂肪肝、自己免疫性の肝臓疾患の方が受診されます。アルコールによる肝臓障害の方は地域柄少ないですね。健康診断で肝臓機能の問題を指摘されて受診されると、当院で超音波診断を行い治療を開始するのですが、途中で通院をやめてしまう方がおられるのが残念です。特効薬のようなものがあれば積極的に通われるのですが、脂肪肝の場合、アプローチの中心は生活指導なので変化がわかりづらく、痛みなどはっきりとした自覚症状がないので通院がおっくうになるのでしょうね。

先進的な機器を導入されていますね。

【藤本院長】開院当初から肝硬変や肝臓がんにつながる肝臓の線維化を測定するための超音波検査ができるようにしています。機器がアップデートされて、脂肪肝の度合いを測定できるようになりました。この機器を使うと脂肪肝の程度が数値として測定でき、いわゆる「隠れ脂肪肝」の発見に有用です。画像を見るとまったく問題がないと思われる方や健康診断の数値に異常が見られない方も、この機器で測定することで肝臓に脂肪が沈着していないか探ることができます。現在のところ備えている医療機関はかなり限られますが、肝臓を専門的に診ているクリニックとして導入しました。

肝臓病の情報を積極的に発信

肝臓の健康を守るためのポイントを教えてください。

藤本研治院長、加藤道夫先生 ふじもとクリニック5

【藤本院長】肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれ、なかなか自覚症状が現れないので、病気を早期発見するためには、少なくとも年に1度の健診が欠かせません。40歳を超えると自治体の特定健診が受けられますが、最近は企業の採用時健診で肝機能障害を指摘される方も増えているので、若いからといって安心は禁物です。
【加藤先生】肝機能を表す健診の数値に異常があった場合は、肝臓疾患を専門的に診る医療機関の受診をお勧めします。数値に少々異常があっても、肝臓がしっかり働いている方もおられるので、精密な検査を行い、肝臓がどれくらい機能しているか、肝臓の中にがんの可能性がある腫瘤がないかを、きちんと診断することが何よりも大切です。

今後の診療方針についてお聞かせください。

【藤本院長】地域密着を大切にしていきます。ケアマネジャーや訪問看護師と密に連携を取りやすいエリアなので、訪問診療にも継続して力を入れていきます。さらに、「肝臓のことならふじもとクリニック」と信頼を寄せていただけるよう、生活習慣病と肝臓病の関連について情報発信を強めたいと考えています。かつて肝臓病といえば、アルコールかウイルスが原因でしたが、最近は非アルコール性脂肪肝炎(NASH)が増加傾向にあり、これからは代謝疾患としての肝臓病をしっかり診ていかなければならないからです。

読者にメッセージをお願いします。

藤本研治院長、加藤道夫先生 ふじもとクリニック6

【加藤先生】肝炎経験者の肝臓がんリスクは高く、経過観察が大切なので定期的な受診を継続してください。お酒を飲まないと肝臓病は無関係だと思いがちですが、30歳以上の方は母子感染の可能性があり、特に都市部では肝炎感染が増加しています。若い世代でもピアスやタトゥー、性的接触による肝炎が増えています。ウイルス性肝炎は早期発見・早期治療が鉄則なので、一度は肝炎検査を受けていただきたいと思います。
【藤本院長】緊急の場合、超音波検査、胃内視鏡検査、エックス線撮影機器、血液検査はすぐ対応可能です。「肝臓のことなら、ふじもとクリニック」と信頼を寄せていただけるクリニックをめざしており、消化器や肝臓については、病院レベルの診療の提供に努めます。また、入院や高度な治療が必要な際には、近隣の病院にスムーズにつなぎます。肝臓の病気はもちろん、お体のことで何か心配なことがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。

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