子どもの自立と自主性を育み
一生役立つ予防歯科の習慣をつくる
きらり歯科クリニック津田沼
(船橋市/津田沼駅)
最終更新日:2025/06/27


- 保険診療
子どもの予防歯科受診を開始したいと思いつつ、タイミングをつかめずにいる人もいるだろう。「0歳からでも始められます。最初の歯が生えたら遠慮なくお連れください」と呼びかけるのが「きらり歯科クリニック津田沼」の浜野亜紀子院長だ。予防歯科を継続させるためには、親がその重要性を理解しているだけではなく、子どもが自主的に取り組めるように導くことが欠かせない。保育士の経験もある小川つかささんをはじめとした、小児の予防歯科に強みを持つ歯科衛生士たちが4人在籍している同院。かけがえのない歯の大切さを子どもたちに伝えるため、スタッフで力を合わせ日々工夫を重ねている。小児の予防歯科について、キッズコーナーに人工芝などもあしらった公園の日だまりのような雰囲気の院内で詳しく話を聞いた。
(取材日2025年5月30日)
目次
自分の歯で一生過ごすために、子どもの頃から自発的な予防歯科の習慣を
- Qなぜ子どものうちからの予防歯科診療が必要なのですか。
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A
▲0歳からでも予防歯科を受診することができる
【浜野院長】人間は誰でも生まれた時のお口の中は虫歯菌のいない状態です。ところが歯が生えた瞬間に、そこにどんどん虫歯菌が定着しようとしてきます。0歳から2歳までは周囲からいろいろな菌をもらいながら免疫を獲得していく時期ではありますが、免疫力がある程度構築される前に虫歯菌に感染してしまうとあっという間にう蝕が進みかねません。そのため、子どもの頃からの予防歯科が大切になってきます。
【小川さん】お子さんの虫歯菌への感染を防ぐためには、両親だけではなく関わる可能性のある大人全員がお口の中を整えておくのが理想的です。お子さんが予防歯科に通うのをきっかけに家族全員の習慣にしていただけたらと思います。
- Q子どもが何歳になったら予防歯科を受け始めるべきですか。
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A
▲子どもの歯磨きや噛み合わせなど、気軽に相談してほしいと話す
【浜野院長】乳歯が少しでも顔を出したら、ぜひ歯科医院を尋ねてください。2歳くらいまでのお子さんに歯磨きしてあげるのはなかなか大変で、親御さんも「こんなに嫌がる子どもに無理強いするのは正しいの?」と挫折しがちです。だからこそ、親御さんの不安を取り除きたいと思っています。2歳半くらいまでにしっかりと習慣化しておくことで、イヤイヤ期の卒業とともに歯磨きを嫌がらなくなるので頑張りどころです。
【小川さん】当院では院長が0歳から3歳まで、歯科衛生士がそれ以降のお子さんを担当しています。もし、予防歯科のスタートが遅くなってしまったとしても、できることはいろいろとあるので、一度ご相談ください。
- Qこちらでのお子さんの予防歯科では、何を大切にしていますか。
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A
▲ブラッシング指導などを通して、歯磨きの習慣化を促す
【浜野院長】ブラッシング指導だけではなく、歯並びや噛み合わせに影響を及ぼす顎の成長も見守るようにしています。早期からアプローチすれば、将来的に矯正が不要となることも見込めます。自分で歯磨きできるようになってきたら、一番に重んじているのが自主性です。どの子も不思議と「大人に言われたから」ではなく、自ら「歯を大切にしよう」と行動変容する瞬間があるんですよ。予防歯科を通じて、歯科医院を「怖くない場所」と思うだけではなく、「自分もできる!と自信を持てる場所」として認識してもらえたらうれしいです。
【小川さん】クリーニングや検診をするだけではなく、子どもたちの自立心を育むサポートをしていきたいです。
- Q歯科衛生士さんたちは、どのような工夫をしていますか。
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A
▲人工芝をあしらったキッズスペースは子どもにも人気
【小川さん】いきなりケアを開始するのではなく、お子さんが何を好きなのか注意深く観察し、まずは雑談で心をほぐすようにしています。2回目以降は歓迎を忘れず「自分が来たことを喜んでくれる場所」と感じてもらえるようにしています。また、褒められると意欲的になるお子さんは多いので、前来た時よりも磨き残しが少なくっなっていれば、たくさん褒めるようにしています。そして、次はどれくらい磨けるようになるのか、一方的に決めるのではなく一緒に考えるようにしています。親御さんではなく、お子さんが自分の言葉で状況を説明できるように促すことも、時には大切です。
- Qこちらの予防歯科の流れについて教えてください。
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A
▲小児の予防歯科の重要性をわかりやすく説明する
【浜野院長】初診時はカウンセリングを行い、小児の予防歯科の重要性や検査について説明します。検査では虫歯の有無や顎の成長具合をチェック。予防のために、0歳からでもぶくぶくうがいの必要ない弱いフッ素塗布もしています。4歳、5歳と虫歯のリスクが上がる時期にはシーラントも可能です。基本的に3ヵ月に1度の通院をお勧めしていますが、問題がある場合などは1ヵ月ごとが適切なケースもあります。毎回、虫歯や顎の成長を調べ、ライフスタイルの聞き取りも行います。都度、食生活や歯磨き習慣に問題がないかも見直しつつ予防歯科診療を継続。そして、小児から成人の予防歯科へとシームレスにつなげていきたいと考えています。
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マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。