浜野 亜紀子 院長の独自取材記事
きらり歯科クリニック津田沼
(船橋市/津田沼駅)
最終更新日:2025/05/15

「虫歯は治療しても元の歯には戻りません。だからこそ予防が大切なんです」と語るのは、津田沼駅から徒歩5分の「きらり歯科クリニック津田沼」の浜野亜紀子院長。歯が生え始めた時期からの定期検診を推奨し、子どもの成長段階に合わせた口腔ケアと食育に情熱を注いでいる。「私たちは一方的に指導するのではなく、患者さんと一緒に考え、ともに歩んでいきたいと考えています」と穏やかにほほ笑む浜野院長に、注力する予防歯科や子どもの歯を守るための秘訣、そして地域に根差した活動についてなど詳しく聞いた。
(取材日2025年4月22日)
ママと子どもの歯科医院をめざして
予防歯科に力を入れるようになった理由を教えてください。

虫歯は治療を重ねるほどリスクが高まり、治療で形は修復できても、元の状態には二度と戻らないことに気づいたのが大きいですね。そこで「いかに虫歯にさせないか」という予防の視点が年々重要だと感じるようになりました。当院では初診時に30分ほどのカウンセリングを実施し、スタッフ全員で作成したプレゼンテーション資料を用いて、検査内容や治療方針、予防への取り組みを丁寧に説明しています。そうすると「痛い部分だけ治して」と来院された方も、予防の大切さを理解してくださることが多いんです。理想は定期的に検診を受けていただき、虫歯にならないような口腔状態を保つことですね。
小児歯科に特に注力されている理由を教えてください。
子どもの頃からの予防が何より大切だと確信しているからです。理想は歯が生え始めた時から検診や歯磨き指導を受けていただくこと。早期からの来院で虫歯予防はもちろん、口腔機能の獲得もしっかりサポートできます。実は子どもたちは歯の本数によって徐々に食べる機能を獲得していくため、月齢だけでなく生えている歯の状態に合わせた指導が必要なんです。当院では哺乳の仕方から離乳食の進め方、お子さんの食べる機能をどうサポートするかなど、こまやかな個別指導を心がけています。子どもたちはみんな違いますから、一人ひとりの成長に合わせた食育や次のステップへの準備を、3ヵ月に1回の検診を通じてお伝えしています。
子どもが安心して通えるよう工夫されていることはありますか?

子どもたちが怖がらずに通えるクリニックであることを最優先しています。キッズコーナーで診療前に遊んでからご案内したり、診療室では子ども向けの動画を流したりして、リラックスできる空間づくりを心がけています。特に大切にしているのは子ども本人の気持ちに寄り添うこと。無理強いはせず、本人のペースに合わせて進めるので、3回目くらいには「歯科は怖くない」と感じてもらえると思います。「ここには怖いものは何もない」と体験してもらえれば、不必要な恐怖心は自然と減っていきます。また、小さい頃の歯磨きは本当に大変ですから、親御さんが抱える歯磨きの悩みにも丁寧に対応しています。
子ども本人が主体的に取り組めるようにサポート
歯磨きを嫌がる子どもへの対応法について、具体的にアドバイスいただけますか。

多くの保護者が「子どもが歯磨きを嫌がる」という悩みを抱えています。実はこれは本能的なもので、ゴロンとさせられて口の周りを触られることを嫌がる時期は誰にでもあるものなんです。しかしこの時期に、泣いていても押さえつけてでも歯磨きをすることが大切。これは単に歯を守るだけでなく、我慢することで大脳の成長にも良い刺激になるという研究もあるためです。親御さんには「押さえつけてまでしていいのか」という不安があると思いますが、正しい方法であれば問題ありません。私たちはその歯磨きの仕方をチェックして、「これで大丈夫です」と太鼓判を押すことで、親御さんの不安を和らげています。子どもに嫌われたくないからと歯磨きを避ける方もいるかもしれませんが、健康を守るためのこの大切な習慣の意義をご理解いただければ、皆さん積極的に取り組んでくださいます。
顎の発達と食事の関係について詳しく教えてください。
顎の発達には食事の取り方が決定的な影響を与えます。下の前歯が生え始める頃から、歯の生える位置や向きで顎の使い方を判断できるんです。そこで母乳か哺乳瓶か、離乳食はどうかなど、食事の取り方を詳しくお聞きして、個別に改善点をご提案しています。実は顎の健全な発達のためには、1歳半頃までは母乳か哺乳瓶での授乳が理想的です。ストローマグなどは顎をほとんど使わないため、発達の観点からは不十分なのです。離乳食だけの期間が長いお子さんほど顎の成長が遅れ、噛み合わせも悪くなる傾向があります。日本では保健師さんから「6ヵ月頃から離乳食を」と指導されますが、顎の機能発達の観点からは早すぎる場合もあるのです。ただし月齢だけでは測れない個人差があるため、お子さんの体の成長や生えている歯の本数など、総合的に見て個別に提案しています。
検査と指導の特徴について教えてください。

当院では虫歯検査と歯肉炎・歯周病検査を必ず実施します。また歯磨きの状態を可視化するため、染め出しを行いPCR値(プラークコントロールレコード)を測定。その結果は印刷してお渡しし、記録用の写真も撮影します。これにより「なんとなく良くなった」ではなく、どの部分がどれだけ改善したかを患者さん自身が客観的に確認できるようになります。特にお子さんは記録を見ることで上達を実感でき、モチベーション向上につながると思います。意思疎通ができる年齢では、なぜ虫歯になるのか、予防するにはどうすればいいのかを一緒に考えるようにしています。子どもたちの生活スタイルや取り組んでいる習い事などはそれぞれ異なりますから、画一的な指導ではなく、個々の環境に合わせたアドバイスを心がけています。親からの言いつけよりも、本人が理解して主体的に取り組むことが何より大切ですから、子ども自身と向き合って対話することを重視しています。
生まれ育った津田沼へ、さまざまな面から貢献をめざす
予防歯科は全身の健康にも影響するのでしょうか。

予防歯科の影響は口腔内にとどまらず、全身の健康へと広がります。調査によると、定期的に歯科検診を受けている方は全身の健康状態が良好である割合が高いというデータが出ています。私見ですが、虫歯になりやすい食生活には砂糖や添加物の摂取量が多い傾向があり、それは口だけでなく全身にも悪影響を及ぼします。逆に虫歯予防を意識した食生活は、自然と体全体の健康につながるのです。虫歯や歯周病の予防環境づくりは、結果的に全身の健康維持にも大きく貢献していると確信しています。
地域との関わりについてお聞かせください。
津田沼で生まれ育ってきたので、地域との絆を大切にしています。特に地元商店会の活動には積極的に参加し、昨年は祭りの実行委員長も務めました。津田沼駅前での出店や、地元の小中学生によるダンスや吹奏楽の発表のためのステージ設営など、さまざまな手配や当日の警備まで担当したんです。祭りを通じて子どもたちが集い、街が活気づく様子を目の当たりにできることが何よりの喜びです。「先生こんにちは!」と子どもたちから声をかけられることも。普段は白衣姿の私しか見ていないため、祭りでの出会いに「え? 何で?」と驚かれることもありますが、こうした活動を通じて患者さんとの距離が縮まり、より親しみを持ってもらえるのはとてもうれしいことです。診療室を超えた地域の方々との交流は、医療者としての私に新たな喜びをもたらしてくれます。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

健康を守る上で最も重要なのは、ご本人の健康への意識と関心です。特にお子さんの場合は、悪くなってから治すのではなく、成長に合わせた予防を継続することで、自然と健康意識が芽生えていきます。当院では診察券もデジタル化し、検査結果や改善提案をスマホで確認できるシステムを導入。自分の現状を正確に把握することが、健康維持の第一歩だからです。子どもの歯磨きや噛み合わせなど、成長に関わる悩みがあれば、どうぞ気軽にご相談ください。私たちは一方的に指導するのではなく、患者さん一人ひとりと真摯に向き合い、ともに考え、ともに成長していくパートナーでありたいと考えています。歯科医療は日進月歩で、AIなど先進の技術も取り入れられていますので、常に学びを重ねながら皆さんの健康をサポートし、生涯にわたって健康な歯で食事を楽しむ喜びを実感していただけるよう尽力してまいります。
自由診療費用の目安
自由診療とは小児矯正/11万円~37万9500円、成人矯正/79万2000円~、矯正に関する検査・診断料/3万3000円
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。