緑内障は適切かつ継続治療が鍵
必要な時期に、最適な手術を
かなもり眼科クリニック
(明石市/明石駅)
最終更新日:2026/01/15
- 保険診療
自覚症状が乏しいまま進行し、視野を失う原因にもなる緑内障。一度失われた視野を現代の医学で取り戻すことはできないため、治療は進行抑制が目的だ。主な治療法は点眼治療となるが、効果が乏しい場合や進行が速い場合には、レーザー治療や手術が提案されることも。しかし、いざ手術を提案されると不安に感じる人が多いことだろう。明石駅すぐにある「かなもり眼科クリニック」の金森章泰院長は、緑内障を専門とし研鑽を積んだスペシャリスト。全国で50人のみが選挙で選ばれる日本緑内障学会評議員も務めている。精密な検査体制を整え、緑内障の日帰り手術にも対応することで緑内障患者の見え方を守るために注力している。そこで今回は、緑内障とはどんな病気なのか、またどのように治療していくのかなど、詳しく話を聞かせてもらった。
(取材日2025年12月17日)
目次
正確な診断のもと、最適な治療を継続しよう。必要な時期での緑内障手術も選択肢の一つ
- Q緑内障はどんな病気なのですか?
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A
▲自覚症状が出にくく、失明原因になることも
緑内障は、目から入った情報を脳へ伝える視神経が障害され、ゆっくり視野が欠けていく病気です。自覚症状が出にくいため、気づいた時にはかなり視野が狭くなっている場合があります。失明原因の1位とされますが、20人に1人は緑内障にかかっているといわれ、未発見の患者さまが多いことも影響しています。適切なタイミングで検査を受け早期に診断できると、多くの患者さまは点眼だけで進行抑制が見込めるので、過度に恐れる必要はありません。一方で、放置すると視野狭窄が悪化していくことになり、定期検査の継続が欠かせません。超高齢社会となり加齢による視野悪化は防げないので、若い時からしっかり治療して維持していくことも重要です。
- Q緑内障の治療はどのように進められるのですか?
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A
▲複数機器を用いた検査で、無理なく続けられる治療を選択
適切に治療方針を決めるためには、まず正確な診断が必要です。緑内障の進行具合や原因を見極めるために、視野検査や眼底撮影、OCTを組み合わせ、複数機器を用いることで診断の精度と効率を高めます。治療は診断結果に基づき、まずは眼圧を下げるための点眼治療によって進行抑制につなげることからスタートします。効果が見込めない場合や進行が速い場合には、レーザー治療を組み合わせ、視神経への負担軽減を図ります。それでも不十分なときには手術を検討します。治療は段階的に進めていきますし、患者さまの症状や生活スタイルに合わせた選択を行います。無理なく続けられる治療を一緒に考え、長期的に視野を守ることが最優先です。
- Q手術はどのような手術になるのですか?
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A
▲身体的負担が小さく、日帰りでの手術が可能
緑内障手術の目的は、眼内の房水が外へ逃げる流れを確保し、眼圧を下げることです。近年は低侵襲緑内障手術(MIGS)が普及しつつあり、身体的負担が小さく、回復も早い手術が可能になりました。当院ではレーザー治療のほかに、線維柱帯の目詰まりを取る切開術や、新しい手術である医療用チューブを留置するマイクロシャント手術、しっかり眼圧を下げることが望める線維柱帯切除術等、現在広く行われている多くの方法に対応しています。患者さまと相談しながら、反対側の目の状況も考え、適切な術式を選択します。手術時間は早い術式で5分、おおむね20〜40分で可能で、日帰り手術です。近隣の病院と連携し、入院での手術も可能です。
- Q手術と聞くと、怖いイメージが強く不安です。
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A
▲これからの生活を守るためにも、勇気を持ってほしいと話す
緑内障手術は眼圧を下げるよう図ることで、視野を守るための前向きな治療です。手術をせずに様子見すると視野欠損が進行して取り返しがつかなくなることも。手術後しばらくは必ず見え方が落ちますし、経過もさまざまで、追加処置が必要な場合もあります。私もリスクのある手術をしたいわけではありません。患者さまの手術を受けたくない気持ちは十分に理解できますし、合併症や術後の見え方への不安も当然です。合併症ばかりを気にする患者さまには手術を提案しにくいのですが、手術をせずに明らかに悪くなるのは放置できません。手術をお勧めするのは次の10年、その先の生活を守るためです。手術に踏み出す勇気をお互いに持ちたいものです。
- Q緑内障との付き合い方について教えてください。
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A
▲前向きに取り組むことが大切
緑内障は一度失った視野が戻る病気ではないため、「進行を止め、生活に支障のない視野を残すこと」が治療の目的です。無理に完璧を求めず、患者さま本人が困らず暮らせる視機能を維持できれば、それは十分な成果だと思います。重要なのは、適切な検査、最適な治療、そして治療を継続することです。毎日の点眼がとても重要です。手術を勧められた場合は、手術のメリットがデメリットを上回るからであり、うまくいかない時もあるかもしれませんが、視野を失う怖さだけでなく、守ることができる可能性にも目を向けてください。治療を悲観せず、前向きに取り組むことが、長い付き合いを支えます。大切なのは「正しく恐れ、正しく治療する」ことです。

