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藤野 祐司 院長の独自取材記事

ウィメンズクリニック本町

(大阪市中央区/本町駅)

最終更新日:2019/08/28

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大阪メトロ御堂筋線・中央線・四つ橋線の本町駅から徒歩3分、御堂筋沿いのオフィスビル8階に「ウィメンズクリニック本町」がある。ラグジュアリー感漂う院内の待合室は広いスペースを設けており、くつろぎの空間が心地良くリラックスを誘う。院長は日本生殖医学会生殖医療専門医である藤野祐司先生。不妊治療における豊富な経験と技術を有し、長年にわたり大阪市立大学で後進の育成にも携わってきたスペシャリストだ。医師の白衣姿を見ると緊張して血圧が高くなる症状を持つ患者への配慮から、長い間白衣の着用はしていないという。不妊治療に取り組む患者のストレス軽減を常に気遣う藤野院長に、診療にかける思いや今後の展望まで、多方面にわたって話を聞いた。
(取材日2018年10月4日)

進化する不妊治療とともに歩み培ってきた技術を提供

医師をめざされた理由を教えてください。

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中学生の時に出会った本が運命の1冊となりました。公害による病に苦しむ人々とその地域の社会情勢や時代背景を題材にした小説です。多くの人の心を揺り動かしたその本に感銘を受けて社会医学に目覚めたことがきっかけでした。産婦人科を専門としたのは大阪市立大学医学部卒業時、産婦人科主任教授がとても魅力的な先生で憧れを抱いたからです。研修期間後は大学院で臨床と研究の日々を送り、日本でもまだ珍しかった、地域の医師が病院を利用できるオープンシステムを取り入れて設立された新千里病院、今の大阪府済生会千里病院に勤務します。その後、大学で教員を務めるのですが、尊敬する教授に無理をお願いしてカリフォルニア大学に留学しました。

留学先ではどのような研究をされていたのですか?

赤ちゃんの発育に関するもので、例えばストレスがかかったときの胎児の心臓への負担や母体との関連などを研究していました。そうした生理学の研究において当時世界的に注目されていた実験動物が羊でした。母羊の1回のお産で誕生するのは子羊1頭、妊娠期間は250~260日、予定日で産まれる体重は2500gと人間に近いのです。アメリカでは研究者だけでなくモデルとなる動物や、その世話をするスタッフなど研究を支える機関へのサポートも整えられており存分に研究に専念することができました。帰国後は大学に戻り異常妊娠や合併症を抱える患者さんの診療に携わりながら、産科婦人科学教室の講師も務めていました。

その後、不妊治療の分野を専門にされたのはなぜでしょう?

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恩師である教授から体外受精の研究会に参加するよう勧められたことがきっかけです。体外受精・胚移植が世界で初めて成功したのが今から40年前の1978年。以来、不妊治療における革新的な医療技術として日本でも大学病院が中心となり研究、臨床を立ち上げて模索していました。それから10年が経過する頃、今後発展が見込める分野だからと研究会参加のご指名をいただいたのです。そして今、日進月歩で高度な医療技術を確立し「生殖補助医療」となった不妊治療は、体外受精の他に顕微授精や凍結胚・融解移植での妊娠も可能な時代を迎えました。その進化過程に従事してきた専門家として、培ってきた豊富な経験と技術による治療を提供できるクリニックとして開院しました。

これまでの生活や仕事を犠牲にしない治療継続がベスト

「妊活」という言葉も生まれてきた現在、患者層に変化は見られますか?

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20~30年前と大きく違うのは、40歳代の患者さんが増えられたことです。今はキャリアを持っている女性が多く、夫婦のことだけに目を向けていられる状況にない方や晩婚の方もたくさんおられます。40歳代での初産も珍しくありません。ですが45歳以上で妊娠を希望される場合には、いかに良い結果を出せるか試行錯誤せざるを得なくなります。通り一遍の型にはまった治療以外に、いろんな方法にチャレンジしてみる必要がありますから、真摯にご夫婦の悩みや不安に耳を傾けてご相談に乗り、リスクがあることも十分ご説明し、それをご理解いただいてから治療開始となります。ご夫婦の信頼を得られずして治療に取りかかることはできませんので。

女性だけでなく、男性不妊の割合も多いと聞きます。

はい。世間でもそれが知られるようになり、ご主人が先に受診されるケースも増えてきました。男性の不妊に対する理解が深まってきた現れだと思います。それでも不妊治療はデリケートな問題であると肝に銘じておかなければなりません。ですから私はご夫婦の心象やお気持ちをくむことを大切にしています。そして当院では患者さんがこれまでの生活と並行して治療に臨むことを第一に掲げています。治療のためにすべての生活を犠牲にするなんて私は賛成できません。現在の生活を維持しながら、仕事も続けながら治療を継続していけることがベストではないでしょうか。それでも中には「治療のために仕事を辞めました」とおっしゃる方もいますので、その場合は「私にプレッシャーをかけないでください」とお答えしています(笑)。

ホームページではさまざまな動画を配信されていますね。

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大学での講義用に作成した資料を患者さん向けに変えてわかりやすく再構築しました。インターネットは便利でも、情報を正確に知る手立てとは言い難い側面もあり、専門家としての情報発信が必要だと思ったのです。不妊症の原因や各種検査内容・各種治療法についての動画なので、治療を受ける際の予備知識として参考にしていただけます。待ち時間にも見ていただけるよう院内には患者さん用のパソコンも3台設置しています。他に、順調に育った受精卵をカテーテルチューブで吸引し、子宮内膜の隙間に戻す体外受精・胚移植法の一端を記録したものや、培養室での仕事、また、採卵で使用する穿刺針を、痛み・出血などの軽減をめざして従来のものから細径針に変えて使用したときの動画も配信しています。

悩みや不安は医師にぶつけて心の負担を軽減してほしい

開院において本町を選ばれたのはなぜですか?

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やはり大阪の中心ですので(笑)。北の梅田から南の難波まで約4km続く御堂筋は大阪の象徴的な通りと言えるのではないでしょうか。特に両サイドに植えられた街路樹、1000本近いイチョウ並木が紅葉を迎える晩秋は壮麗な眺めを堪能できますので待ち遠しい季節ですね。ここ本町で開院に至ったのは、輪番制や曜日別に複数の医師で診る体制ではなく、コンパクトな施設ですべての患者さんを自分で診てあげられるようにとの思いからです。患者さんにとって担当の医師が変わるのは大きなストレスを抱えることになります。そうした心情をくみ、足を運んでくださる患者さん一人ひとりに寄り添う診療ができるクリニックをつくりました。

お忙しい毎日ですが、休日はどのように過ごされるのですか?

本を読んだり古い映画を観たり、料理を作ったりしてリラックスしています。高校時代は登山部で山に登るのが好きでしたが、事故や遭難が相次いでいた時期でもあり家族や親戚から猛反対を受けまして大学ではスキー部に入りました。高校生の頃から滑っていましたしね。でも、もう長い間スキーも遠のいていましたが、何年か前に家族で北海道旅行に出かけた時に楽しむことができました。開業していると長期の休みはなかなか取れないですから、普段は家でのんびりくつろいで体を休めていますが、時間のある時は趣味の料理を作っています。料理を趣味にしている先生も多く、先日も研究会の後の情報交換会で講師の先生方と、「美味しいチャーハンの作り方」で盛り上がりました(笑)。

最後に、読者へのメッセージと今後の展望を聞かせてください。

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当院のモットーは、これまでの生活を維持していただきながら心にも体にも負担の少ない医療を提供することですので、ご自身を「治療に縛りつけることのないように」とお伝えしたいです。リラックスした気持ちで治療を受けていただきたい。悩みを私にぶつけてくださるのも大歓迎ですよ。ストレスや心の負担が軽減されることはとても重要ですから。胸の内を明かしていただくことで、過去の治療によるトラウマを抱えておられるなど、検査だけではわからないことが見えてきます。それらを一つ一つひもといて精神的にもほぐれてきた時に、妊娠へと結びついてくることもあるのです。ですから今後の展望も、「地道に患者さんに尽くす」このことに尽きます。一組でも多くのご夫妻の願いがかなえられるように、これからも精いっぱい力を注いでいきます。

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