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小椋 哲 院長の独自取材記事

瑞枝会クリニック

(京都市中京区/丸太町駅)

最終更新日:2019/08/28

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京都市営地下鉄烏丸線の丸太町駅から徒歩数分の「医療法人 瑞枝会クリニック」。心療内科・精神科の医師である小椋哲院長は患者一人一人と向き合う環境をつくるため、開業と同時に完全予約制という診療スタイルを確立した。患者一人につき最低でも10分の診療時間を設け、安易に薬を出すのではなく、会話の中から生活習慣や思考に問題点がないかを探した上で適した治療法を提案してくれる。基本は患者の歩調に合わせつつ、時に症状の改善のために厳しく指導することも重要という。現在受けている治療に満足できていない人にこそ来てほしいと話す小椋院長に、診療時に大切にしていることや患者に対する熱い思いを聞いた。
(取材日2018年11月12日)

予約制の診療スタイルで、患者の心と丁寧に向き合う

内装や雰囲気など、クリニックづくりの際にこだわった点はありますか?

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クリニックのイメージは「1時間に1人の患者さんを診る、医療版カウンセリングオフィス」です。院内は少々狭いものの、当院は予約制なので待合室に何人もいるような状況にはならず、必要なスペースは確保できていると思います。クリニックが表通りに面しておらず、表には看板も出しておりません。これは、メンタルクリニックに来たことを周囲に悟らせず、他人の目を気にすることなく来院できるようにとの配慮です。あとは、患者さんの正面や真横に自由に移動できるように診療室のテーブルを丸いものにしたり、医師と患者が同じ人間同士対等であるという姿勢を示すために、私と患者さんの椅子を同じものにしています。

予約制を導入した理由を教えてください。

精神科とは、患者さんの話を聞き、次回の診療までに実践していただくことを提案し、心身の健康の回復を促す診療科ですので、まずは話していただくことから始まります。しかし、現状は一人ひとり十分なカウンセリング時間を確保することが難しいクリニックが多く、何か工夫しなくてはと思ったのが理由であり、開業に至ったきっかけです。当院では、初診は40分、再診は10分の保険診療枠を設け、時間をかけてじっくり向き合える体制を整えています。さらに、体調や相談したい量に合わせて最大で80分の診療枠を提供しており、状況に応じて診療時間の延長も可能です。

初対面で緊張している患者さんには、どのように接しておられますか?

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話すことが苦手な上に体調も良くないという方が大半ですので、まず行うのが事前準備です。受付時に病歴を書いたメモを持ってきていただいたり、診療前に問診票を書く時間を多く取ったりすることで、会話の糸口をつかんでいます。そして、患者さんが圧倒されて話しにくくならないように、声の大きさやトーンを患者さんに近づけてお話しします。社交ダンスで相手の歩幅に合わせるような感じですね。難しいのは、現状を改善するために厳しく指導しなければならない場面。診療には優しさ・共感の要素を持ったいわゆる「お母さん役」と、厳しさ・指導力の要素を持った「お父さん役」の2つの顔を使い分ける力が必要になります。常に優しくするのが良いわけではなく、時には心を鬼にして、患者さんの課題克服に向けたサポートを行っています。

会話を通して患者の日常を把握し、原因や改善点を探る

こちらにはどのような患者さんが来られますか?

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大学生や20代といった比較的若い患者さんがメインで、他には仕事でうつ状態になった30代~50代の方が多く、高齢の方は少数です。朝起きられない、意欲が出ないという主訴は最終的にうつ病と診断されることが多いですが、どんなタイプのうつなのか、どんな治療が効果的なのかはそれぞれ異なります。患者さんとの会話を通して症状の原因を特定し、その人にとってより良い治療法を提案できるように努めています。初めての発症なのか、何度も繰り返しているのかという部分も、治療内容を検討する上で非常に重要です。また、躁うつ病の要素があるのかなど、別の疾患の要素も調べるようにしています。

質の高い診療には、情報収集が欠かせないのですね。

そのとおりです。当院には、長期間治療を受けてもなかなか治らない患者さんがセカンドオピニオンでいらっしゃることも多くあります。治りにくい状態にある方に対しては、なぜ治らないのかという部分に焦点を当てて、日々の生活の様子をとにかく詳細に聞きます。例えば家事を頑張り過ぎている主婦の方の場合、洗濯という行為一つ取っても「洗濯機に入れることができるか」「干すことができるか」といった調子で、質問を投げかけます。そして、患者さんが負担に感じている行為を極力避けられるように治療計画を組み立てていきます。病院勤務時代の経験からしても、薬のみで簡単に治る患者さんは少なく、たいがいのケースは生活習慣の改善や考え方の転換なども併せて必要になりますね。

同院の特徴の一つでもある遠隔診療について教えてください。

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相談したいけれど距離がネックという患者さんに、ビデオチャットによる初診相談を自費で実施しています。本気で治したいと思っている方の中には、遠方から出てきてマンスリーマンションを借りて自費の診療を受けに来るケースもあるんですよ。そのような患者さんの負担を少しでも軽減し、最初の一歩を踏み出せるようにとの思いで始めました。実家が他府県にあり、京都に出てきてから心身のバランスを崩してしまった大学生・社会人の患者さんにも喜ばれています。実家で療養中は遠隔診療を、戻ってきてからは再び対面診療を行うことで一貫した診療を受けられるのは、患者さんにとって大きなメリットです。また、遠隔診療の療養期間中でもホームページに食事・運動に関する注意点や意識改革のきっかけになる情報を載せていることで継続した生活指導が可能です。

マイノリティーを重んじ、同じ人間として支えたい

小椋先生はなぜ心療内科・精神科を選ばれたのですか?

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私は中学時代に不登校になり、高校を中退した経験があります。今考えれば精神疾患を発症する手前だったと思います。もともとは自分自身を治すためにやってきたことが現在につながっている、といった感じですね。舞踏家の影響を受け、クラシックバレエの修行のために10代で単身上京したり、ダンスを取り入れた治療法を実践している臨床心理士に学ぶべく、縁もゆかりもない京都に移住したりと、思い返せば波瀾万丈な人生です。また、私は「精神病理学」という単なる診断を超えて精神疾患を体験する方の立場にたって理解しようとする学問や「病跡学」という精神疾患を抱えた歴史上の人物の生涯を研究・分析し、個性や創造性を見出す学問も学んでおりますので、患者さんの心のより深いところに寄り添おうとする気持ちが強いのではと感じています。

今後の展望をお聞かせください。

医療という分野にとどまらず、疾患の特性上、社会的マイノリティーになっている人たちをサポートしていきたいと考えています。ここではあえて「患者さん」とは呼ばず、「社会的マイノリティーの立場の苦しみを持った人たち」と表現します。現在取り組んでいるのは、手作りの物をインターネットショップで販売するなどの独立・起業支援といった経済的な自立に関するサポートです。いずれそちらの方面に軸足を移していけるように、少しずつクリニックを拡張していく予定です。1人でできることにも限界がありますので、私の思いに賛同してくれる後任の医師と、受付スタッフがもう1人増えると心強いですね。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

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「本当にこんなことで相談しても良いのか」と不安にならず、気軽に相談にいらしてください。特に専業主婦の方はお給料という形で評価されない分、自分のやっていることに自信を持てないでいる方が多いです。子ども、夫、姑とさまざまな悩みを抱えているのに、それを誰にも話せない苦しみを我慢しないでほしいと思います。うつ病に関していうと、心身の休養ができる環境さえあれば、薬がなくても自然に回復していきます。それを邪魔するものがあるから治らないのです。マイナス思考を変えることも重要で、療養しているように見えても頭の中で延々とネガティブなことを考えてしまうと、なかなか良い方向に向かいません。療養に対する基本的な姿勢を理解していただき、問題の解決に向かってともに歩んでいきましょう。

自由診療費用の目安

自由診療とは

予約料(診察料)/通常診療時:3600円~、遠隔診療時:5400円~
※保険が適用となる場合もあり

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