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田島 俊児 院長の独自取材記事

たじま内科クリニック

(新潟市西区/小針駅)

最終更新日:2021/10/12

田島俊児院長 たじま内科クリニック main

「たじま内科クリニック」は2017年に開院。院長の田島俊児先生は、大学病院で呼吸器内科を専門に経験を重ねてきた。クリニックでは地域のかかりつけ医として幅広い領域を診療するとともに、喘息など、呼吸器疾患の専門知識を生かした診療を提供する。「優しく、温かく、寄り添うクリニック」をモットーに、患者の目線に立ったクリニックづくりを実践。感染症対策にも徹底して取り組み、屋外に診療ボックスを設置している。「地域のかかりつけ医として、何でも相談できる最初の入り口でありたい」と話す田島先生に、感染症対策や今後について聞いた。

(取材日2021年3月8日)

さまざまな取り組みを通して感染症対策を徹底

新型コロナウイルス感染症の流行に際し、屋外に診療ボックスを設置されたとか。

田島俊児院長 たじま内科クリニック1

新潟県が県内企業と協力して製作したもので、今年2月に導入しました。医療従事者と患者さんとで出入り口が別々で、内部のスペースも区切られ、さらに当院独自で内部に抗ウイルスコーティングを施しています。新型コロナウイルスはもちろんインフルエンザウイルスや溶連菌など、さまざまな感染症検査に有用です。防護服を着用しなくても、飛沫を防いで検体の採取などを行える構造ですが、当院では患者さんに何かあった時に迅速に対応できるように防護服を着用しています。また、冬でも対応できるように断熱材を使用し、積雪1mにも耐えられる構造です。私は、開業医ができるまず最初の対策としては、発熱患者さんを受け入れて診察することだと考えています。そのためには安心して受診できる環境を整える必要があります。診療ボックスは、台湾では多くの病院に設置されているといわれていて、このため県から導入の希望を聞かれた際にすぐに手を上げました。

その他に、どのような感染症対策に取り組んでいますか?

発熱や風邪症状のある患者さんで、徒歩や自転車で来院された方には診療ボックスを使いますが、車で来院された方に対しては、ドライブスルーで対応しています。院内では飛沫・接触感染対策を徹底し、スタッフはもちろん患者さんにもマスクの装着をお願いすると同時に、ビニール製の使い捨て手袋を配布し、診察後は破棄してもらっています。またトイレ、洗面所、スタッフのパソコンのマウスやキーボードに抗ウイルスのコーティングを施し、もちろん換気やアルコール消毒も徹底。スマートフォンのタッチパネル上にウイルスが付着している可能性もありますから、アルコールタイプのウェットティッシュを院内の随所に配置し、スマートフォンの消毒を患者さんにお願いしています。

コロナ禍による変化などは感じますか?

田島俊児院長 たじま内科クリニック2

新聞などで財界人たちも言っていることなのですが、新型コロナウイルスによって世界が変わったのではなくて、変化のスピードが早くなったのだと思っています。いずれ訪れるはずのものが、変化が加速したことで今訪れ、1年で10年進んだような感覚です。例えば屋外の診療ボックス。これまでも「クリニックに行くと風邪やインフルエンザをもらうから嫌だ」という声はあったわけですから、いずれは風邪症状の人をボックスのような別の空間で診る時代が来ていたと思います。コロナ禍と呼ばれる状態が2年、3年と続けば、20年、30年分の変化が訪れるのではないでしょうか。

患者に寄り添う「和らぎ」のクリニック

クリニックの特色を教えてください。

田島俊児院長 たじま内科クリニック3

開業医として、地域の方たちを可能な限り広く診療するとともに、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医として、喘息をはじめとしたアレルギーの治療に取り組んでいます。喘息では、今は良い薬がたくさん出ているので、昔なら入院しなければならないような症状の人も、月1回程度の皮下注射で入院することなく日常生活を送れるようになってきています。また呼吸器内科が専門でもあるので、COPD(慢性閉塞性肺疾患)やSAS(睡眠時無呼吸症候群)の検査や治療も行っています。SASでは簡易検査から脳波検査まで対応していますが、入院をしなくても自宅で脳波検査ができるシステムを整えていますから、患者さんは仕事を休まずに、日常生活を送りながら検査と治療を行えます。またCTを導入し、肺がんの早期発見など予防にも力を入れています。

クリニックの理念は何でしょうか?

優しく、温かく、寄り添うクリニックでありたいと、それぞれの頭文字の「YAY」を当院のロゴマークに入れています。私は十七条憲法の第一条「和をもって貴しとなす」が大好きなのですが、「和」は正しくは「やわらぎ」と読むそうです。患者さんを第一に考えて寄り添う、和らぎのあるクリニックでありたいですね。そのためにはスタッフを大切にし、われわれも日々研鑽を欠かさずに高い水準の医療を提供していくことが大切です。理想は地域の方たちと家族単位でお付き合いし、患者さんが健康寿命を全うできるよう最期まで診させていただくこと。そのためにも予防への取り組みが重要だと考えています。

予防医学では、どのような取り組みをされていますか?

田島俊児院長 たじま内科クリニック4

現代人の主な死因は、がん、心筋梗塞、脳卒中とされていますが、私の専門である肺がんは禁煙によってリスクを大幅に減らせることが期待できますから、禁煙治療に取り組んでいます。心筋梗塞と脳卒中はともに血管の病気ですが、予防には早い段階からの血圧とコレステロール値、血糖値の管理が大切です。高血圧の状態を川の流れに例えると、激流ですから、血管、つまり堤防を厚く高くしなければならず、動脈硬化へとつながりやすくなります。血圧を下げて、流れを緩やかにしてあげれば堤防は薄く低くなり、血管もやわらかくなっていきます。40~50代の人は薬を飲みたがらない方が多いのですが、早くから薬を飲んで病気を予防することが大切です。また骨粗しょう症治療や、風疹ワクチン、帯状疱疹予防のための水痘ワクチンなどについても患者さんにお話しして啓発に努めています。

患者との一期一会を大切にしたい

医師になり、新潟で開院されるまでのご経歴を教えていただけますか?

田島俊児院長 たじま内科クリニック5

母方の祖父をはじめ親族に医師が多く、両親も小児科の医師でしたから、医療が身近にある環境で育ちました。父を尊敬していたこともあり、高校生の時に「医師になるのはどうか」と将来について父に相談したところ、父からの勧めもあって医師の道へ。島根医科大学(現・島根大学医学部)を卒業後、地元の群馬大学医学部附属病院の第二内科に入り、患者さんが多い割に医師の数が少ない呼吸器内科を専門にしました。その後は自治医科大学に国内留学し、学位を取得。講座助手も務めさせてもらいました。2005年に妻の実家のある新潟県に引っ越し、新潟大学医歯学総合病院と済生会新潟第二病院での勤務を経て、2017年に開院しました。

医師として歩んできた中で、印象深いエピソードはありますか?

思い出すのは、大学病院に勤務していた頃に亡くなった患者さんのことですね。病気が見つかって、1年、2年と入退院を繰り返す中で、患者さんご本人やご家族と密な時間をともにしたからでしょうか。勤務医は患者さんの病気が見つかってからのお付き合いですが、そうなる前からお付き合いをしたいという想いがずっとありました。開院して、地域の皆さんと関わり、患者さんに寄り添う医療に取り組めることに喜びを感じます。開院当初に大学病院の時の患者さんが顔を見せに来てくれたこともうれしかったですね。患者さんから「ありがとう」「先生のところに来て良かった」と言ってもらえることが何よりのやりがいですし、私を信頼して、ご家族や大切な人を紹介してくださると、本当にうれしいです。

今後の展望とメッセージをお願いします。

田島俊児院長 たじま内科クリニック6

今後の展望としては、長男と次男が医学部に進んだので、2人が一人前になって戻ってきた時に、一緒に地域のかかりつけ医として選んでもらえるクリニックとなるように、研鑽を重ねていきたいです。当院は患者さんとの一期一会の出会いを大切にし、初診で時間をかけてしっかりと問診をして、2回目以降も「来て良かった」と思っていただけるようスタッフ一同心がけています。患者さんが通いやすいクリニックになるよう、非医療従事者である妻の目線を生かした環境づくりにも取り組んでいます。「患者さんに対して偉そうにするでもなく、卑屈になるでもなく、上も下もなく接する」という勤務医時代の教えを常に胸に抱きながら、患者さんに寄り添うクリニックとして、心配なこと、気になることを何でも相談できる最初の入り口となることをめざしています。

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