大西 雅彦 院長の独自取材記事
おおにし内科クリニック
(府中市/府中駅)
最終更新日:2025/03/13

京王線府中駅から徒歩5分、ビル3階にある「おおにし内科クリニック」。一般内科、消化器内科、内視鏡内科、糖尿病内科の診療を中心に、地域の人々の健康を支えている。院長の大西雅彦先生は消化器内科のスペシャリストで、特に内視鏡を用いた検査・治療を専門とする。同院でも胃と大腸の内視鏡検査に力を入れていることが特色だ。広々とした院内はバリアフリー仕様で、車いすの人や介助者も動きやすい造りになっている。大西院長の「患者を健康に導く虹の架け橋になりたい」という願いから、同院のロゴマークに虹を採用。「病気を診るのではなく、その人を診る」ことを大切にする大西院長に、地域医療のために新たに導入した検査などを中心に話を聞いた。
(取材日2025年2月12日)
新たな検査と治療の導入で、地域医療の間口を広げる
開業から9年目を迎えられました。変化したことはありますか。

大きくは2つあるのですが、まずはエコー検査の充実でしょうか。従来の腹部エコー検査に加え、新たに頸動脈エコー検査、甲状腺エコー検査、皮下のエコー検査ができるようになりました。検査は超音波検査を専門にするスタッフが担当いたします。頸動脈エコー検査では血管の流れや詰まり具合などを初期段階から調べられるため、全身の動脈硬化の程度がわかります。甲状腺エコー検査は、甲状腺の腫瘍や炎症などの甲状腺疾患の有無を調べるものです。皮下のエコー検査では、できものなどを発見できます。エコー検査はエックス線ではなく超音波を使用するため、体への負担も少ないことが特徴です。患者さんにはぜひ積極的に検査を受けていただき、糖尿病や高血圧をはじめとする病気の早期発見と早期治療につなげていきたいですね。
もう一つの変化について教えてください。
もう一つは、睡眠時無呼吸症候群の治療を開始したことです。これまでたくさんの高血圧の患者さんを診て、特に朝の血圧が高い「早朝高血圧」が問題だと感じていました。そして診療を通じて、早朝高血圧の原因に睡眠時無呼吸症候群があることを実感したのです。当院は睡眠時無呼吸症候群の専門クリニックではありませんが、その窓口になりたいと考えています。簡易的な検査も含め、検査から治療まで行える体制を整えました。検査の後、こちらで治療をする場合もあれば、もっと詳しく調べる必要がある方には専門の医療機関を紹介させていただいています。「隠れ睡眠時無呼吸症候群」であるという方は、実は多いのではないかと感じています。先ほどお話ししたエコー検査も含め、診察の間口を広げ、地域に根差した医療を手がけていきたいと思っています。
一方で、変わらない強みや特徴はどのようなものでしょうか。

内視鏡検査ができる内科のクリニックという強みは一貫しています。開業してからしばらく、強みを生かした内視鏡検査を中心に地域医療に貢献しようと日々診療していました。しかし昨今、過敏性腸症候群など消化器系の症状を訴える患者さんが増えてきていることや、全体的に見ても、臓器に異常のある器質的疾患よりも、異常のない機能的疾患の病気を患う方が増えていることから、そのような方々の悩みに応えるため、内視鏡という専門にこだわらずに内科全般を診るクリニックとして、地域の方々のお役に立ちたいと考えています。また、車いすの方とその介助をする方がスムーズに動けるように、院内はバリアフリーである上に、診察室や待合室、トイレなど、どこもゆったりとしたスペースにしており、これも当院の特色といっていいかと思います。
苦痛の少ない内視鏡検査を追求する
胃と大腸の内視鏡検査を行っていらっしゃいます。

内視鏡検査では、患者さんのご負担に配慮した検査を提供するように努めています。胃カメラは鼻から管を通す経鼻内視鏡を導入しており、5ミリという極細の管を使用していることが特徴です。大腸の内視鏡検査では、空気の代わりに二酸化炭素を使用する送気方法を取り入れています。これにより検査時のおなかの張りが少なくなり、不快感を軽減できます。検査中にポリープが見つかった場合、切除可能なものはその場で切除手術を実施します。胃、大腸どちらの検査も軽い鎮静剤を使用し、苦痛を感じることのないよう配慮しています。また、当院には前処置室という患者さんの待機室を設けてあるので、早く来てこちらで下剤を飲んでいただくことも可能です。さらに内視鏡器具の洗浄機器は、二次感染の予防と安全性を重視して、世界基準の物を導入しています。患者さんは安心して内視鏡検査を受けていただけるのではないでしょうか。
糖尿病など生活習慣病の治療について教えてください。
当院では、食事と運動について助言をしています。食事は食べる順番が大切で、まず食物繊維のある野菜や海藻、きのこなどを、次に肉や魚などのたんぱく質を、最後にご飯などの炭水化物を食べていただくのが理想です。食物繊維には血糖値の急上昇を抑える作用があるため、最初に食べることで食後の加血糖を防ぐことができるのです。食事は偏らずバランス良く取ることと、食べ過ぎないことが大切です。運動も無理をせずできる範囲で行い、継続していくことが重要ですね。場合によっては、栄養指導を行う病院を患者さんに紹介することもあります。また糖尿病については、インスリンを使用している患者さんは妻の大西満美子副院長が担当します。当院ではインスリンの導入指導は行っていませんが、すでにインスリンを使用している患者さんの診察は行っています。
患者さんと接する時に心がけていることは何でしょうか。

開業時から一貫していることは、病気を診るのではなく、その人を診るという姿勢です。診察の際は、パソコン画面を見るのではなく、患者さんの顔を見ながら話すように心がけています。そのために、予約患者さんのカルテは予約日の数日前から準備しています。この作業は副院長も同じです。また患者さん本人だけでなく、家族も含めたご家庭それぞれの事情に適した医療を提供していきたいと思っています。いうなれば「患者さんの人生をみる」ということでしょうか。その思いは、核家族が多く住む都心の病院と、世代を越えた家族が多く住む地方の病院という異なった環境で勤務した中で、さまざまなバックグラウンドのある患者さんを診てきた経験から来ています。
がんの検査から一般診療まで、地域の人々の健康を守る
医師をめざしたきっかけと、現在までの道のりを教えてください。

祖父の代から3代続く医師の家庭で育ったことと、実家が長野県で病院をやっていることから、幼い頃より医師の仕事を間近で見てきました。さらに人と接することが好きな性格なので、医師を志したのは自然な流れだったように思います。進学した大学の医学部で、内視鏡を使用してがんを治療できることを知り、消化器内科を専門に選びました。卒業後は大学病院や公立病院のほか、実家の病院でも勤務しました。ここでターミナルケアを経験したことが、「人生をみる」という意識につながったと思います。家族全員のかかりつけ医になりたいという思いから、ファミリー層の多い府中で開業して9年になりますが、温かい人が多いと実感する日々です。皆さんからいただいた優しさを、医療を通して還元していけるよう努めています。
お忙しい中、休みの日はどのように過ごされていますか?
ゴルフの練習に行くことが多いですね。その他には、気分転換を兼ねてよく料理を作ります。家族のために料理を作ることもありますよ。昼から準備を始めるので食べる頃にはヘトヘトですが(笑)。ただ、以前に比べて仕事が忙しくなったので、休日も事務仕事のためにクリニックに行くことが増えました。
今後の展望についてお聞かせください。

内視鏡検査によるがんの発見には、引き続き力を入れていきたいです。それに併せて一般内科や生活習慣病の治療にも注力していきたいと思っています。患者さんが気軽に利用できるクリニックとして、風邪や花粉症、家族の気になる症状など、何でも相談していただきたいですね。発熱の外来も設けているので、お困りの時はご利用ください。女性の医師に診て欲しいという方は、副院長が対応いたしますのでご安心ください。今後、女性スタッフによる内視鏡検査もスタートする予定です。これにより、女性の患者さんにも抵抗なく内視鏡検査を受けていただき、がんの予防につなげていくことが目標です。今後も患者さんも私自身も元気でいられるように、尽力していきたいです。
自由診療費用の目安
自由診療とは人間ドック/4万3000円