河合 依子 院長、佐藤 美乃里 先生の独自取材記事
みゆき歯科
(越谷市/大袋駅)
最終更新日:2024/11/15
越谷市大里の住宅街を歩くと、オレンジ色の「みゆき歯科」のロゴマークが見えてくる。子ども連れでも入りやすい、明るい雰囲気のクリニックだ。「お子さんが泣き出しちゃっても大丈夫。気にせずいらしてください」と優しく語るのは、自身も子育て中だという河合依子院長と佐藤美乃里先生。同院は歯科医師もスタッフも全員が女性。一般歯科や小児歯科のほか、妊娠期の口腔ケア、女性特有の悩みに対するアプローチ、障害のある子どもの予防歯科など、女性や子どもの患者を中心に、歯科から心身の健康を支えている。「患者さんから、子育てに関する相談を受けることもあるんですよ」と笑顔で話す河合院長と佐藤先生に、同院の特徴や診療時の心がけなどを聞いた。
(取材日2024年10月2日)
多様なアプローチで、親子の歯の健康を守る
子ども連れでも入りやすい、明るい雰囲気のクリニックですね。
【河合院長】当院には年齢も背景もさまざまな患者さんがいらっしゃいますが、私たちもスタッフも全員女性ということもあってか、女性や子どもの患者さんが多いです。診療室にはベビーカーも一緒に入ることができますし、お子さんでも怖がらずに通えるような、明るくアットホームな雰囲気づくりに努めています。また、2階のスペースを利用して、保育士さんによる「託児デー」も新たに始めました。
【佐藤先生】滅菌について精通しているスタッフもおり、ユニット内を巡る水はすべて滅菌水。口をゆすぐ時の水は微温水なので、冷水に比べ痛みを感じにくいと思います。チェアも背中や腰になるべく負担のかからない構造です。そのような点からも、小さなお子さんも安心して通っていただけるのではないでしょうか。
先生方も子育て経験があると伺いました。
【河合院長】はい。私たちだけでなく、スタッフの多くは「子育て中のママさん」です。仕事と子育ての両立の大変さもお互い理解していて、お子さんの急な体調不良のときなどは、スタッフ同士で自主的にフォローし合っています。休日に家族ぐるみで皆でバーベキューを楽しんだりと、院内全体がまるで一つの大きな家族のようです。自分たちも子どもを育ててきたからこそ、子どもの患者さんを見る目は自然と優しくなりますね。
【佐藤先生】子どもが生まれると子ども優先になって、ご自身のことが後回しになっている女性も多いと思います。できればご自身の健康にも意識を向けてみてください。また出産後はやることがとても多く体力も消耗しますから、妊娠期にしっかりとお口を良い状態にしておきましょう。当院では虫歯や歯周病の治療だけでなく、女性特有のお悩みや免疫力に関するご相談にも広くお応えしています。
虫歯や歯周病の治療だけでなく、口腔内や全身へのアプローチもされているのですね。
【河合院長】例えば女性は更年期などでホルモンバランスが乱れると、口腔内が乾きやすくなってきます。また食いしばりの強い方の場合、口周りの筋肉が張ってしまうんです。当院では専門知識を持ったスタッフによるデンタルエステを取り入れ、頭から首まで、またお口の中からも筋肉を刺激して、それらのお悩みにアプローチしています。そのほか、食生活についてもヒアリングを行い、女性特有の不調を乗り切れるような食事やセルフケアのアドバイスを行っています。
障害のある子どもも安心して通える環境を
障害のあるお子さんの予防歯科にも取り組んでいると伺いました。
【佐藤先生】主に小学生までのお子さんを対象に、知的障害や自閉症など、スムーズな受診が難しい方の予防歯科に力を入れています。知的障害や自閉症などの患者さんは、慣れない場所に打ち解けにくい性質がある反面、視覚的に物事を捉えることが得意な方が多いんですね。そこで当院では「絵カード」を使って、「これから何をするのか」を一つ一つ説明。また、音に対して過敏な方に対しては、事前にユニットを倒しておいてできるだけ動作音を出さないように工夫しています。障害のあるお子さんは歯科医院になかなか行きたがらず、また行きたくても対応できる歯科医院は少ないでしょう。結果、全身麻酔をして大がかりな治療を受けることになるケースが多いので、当院ではたとえ障害があっても安心して受診できる環境を整えていきたいと考え、取り組んでいます。もし通院が苦手な場合には、こちらからご自宅に訪問することも可能です。
患者さんの家族への情報提供やアドバイスも大切ですね。
【佐藤先生】そのとおりです。先ほどの絵カードや音の問題のように、障害のあるお子さんへの対応には工夫が必要です。障害の有無にかかわらず、親御さんには食事や歯磨きのアドバイスをしていますが、障害のあるお子さんの場合には、その特性に合わせた話ができるよう心がけています。実は私が障害のある方たちの予防歯科に力を入れているのは、私にも障害のある家族がいるからなんです。障害がハードルとなって「通える歯科医院がない」とお困りのお母さんたちはたくさんいらっしゃいます。歯のことでも子育てのことでも、お気軽にご相談ください。私にわかることならばお答えいたします。
診療の際に心がけていることをお聞かせください。
【河合院長】ご自身のお口について理解していただけるよう、患者さんとのコミュニケーションを大切にしています。口腔内の状態によっては、患者さんが望む治療が難しいこともあります。また同じように見える治療にも料金や内容に差があって、それを理解していただかなくてはなりません。患者さんには納得して治療を受けていただきたいですから、提案の裏付けとなる検査や撮影もしっかりと行っています。
【佐藤先生】私も院長と同じく、検査結果をもとに「一つ一つの治療に意味がある」ということを理解してもらえるよう努めています。その上で1本の歯だけでなくお口全体を包括的に見ながら、一人ひとりに合った治療提案を心がけています。
大切なのは予防。治療を終えてからが本当のスタート
年齢にかかわらず、歯について患者が知っておくべきことがあれば教えてください。
【河合院長】虫歯や歯周病の治療を終えて「はい、終わり」ではなく、むしろそこからが本当のスタート。予防の大切さを皆さんに知ってほしいと思います。「もう年だから、虫歯になっても、歯が1本や2本なくなっても仕方ない」と言われる方が多いのですが、歯の病気の基本である「虫歯」と「歯周病」は、日々のホームケアとプロのケアを定期的に受けることで予防につなげることができます。ただ、予防の仕方を知らなかったり、知っているけど実行できていなかったりするために、歯を失ってしまうわけですね。最近では、口腔内を良い状態に保つことが、心臓病や生活習慣病の予防につながるというエビデンスも出ています。虫歯や歯周病の治療をゴールではなくスタートとして捉え、自身の健康を維持してほしい。そのためのお手伝いができればと思っています。
ところで、先生方はなぜ歯科医師をめざしたのですか?
【河合院長】実は最初は興味がなかったのですが、歯科医師である兄から何度も「歯科医師になったほうがいい」と言われ続けたのがきっかけなんです。最初は「女性歯科医師ということで不安がられるのではないか」という思いがあったのですが、逆に女性だからと安心してもらえることもあり、メリットも感じています。患者さんには苦痛や不安を感じることなく治療を終えていただきたいので、治療中は細かい表情の変化などにも気づけるように常に意識しています。
【佐藤先生】私は祖父と父が歯科医師だったのですが、自分の仕事に誇りを持ち、毎日楽しそうに働く父の姿を見ているうちに、自然に歯科医師への道を選んでいました。やはり手に職があるのは強みですし、社会に貢献していることが生きがいにもなるので、歯科医師になって良かったなと思います。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
【佐藤先生】定期的に美容院に行くように、当院が生活の一部として通ってもらえる場所になれたらと思います。歯科医師と患者ではなく、「自分の歯で一生食べていく」という目標達成をめざして一緒に頑張るチームでありたいですね。
【河合院長】お口の悩みは口だけの問題だと思われがちですが、「笑顔に自信がなく人前に出るのが恥ずかしい」など、心の悩みにもつながっているもの。お話しいただければ、何かしらの解決の糸口を見つけられるかもしれません。歯科医院という枠にとらわれず、気になることがあればなんでもご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは矯正/27万5000円~、インプラント治療/39万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。