かぶせ物や詰め物はどちらを選ぶ?
保険診療と自費診療の違いとは
みやき藤井歯科クリニック
(三養基郡みやき町/中原駅)
最終更新日:2025/06/04


- 保険診療
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ずいぶん長い間、日本における歯科治療は保険診療が主流だったが、さまざまな選択肢がある今、自費診療を選ぶ人が増えつつある。歯科治療全般に広く対応するオールラウンダー藤井勝芳(ふじい・まさよし)先生が院長を務める「みやき藤井歯科クリニック」でも、年々歯に対する意識の高い患者が増え、自費診療へのニーズが高まっているという。だが一方で、保険適用ではない治療にハードルの高さを感じて足踏みしている人も多く、「まずはどんな治療法があるのかを知ることが大事です」と藤井院長。そこで今回、自費診療の中でも特に希望する患者が増えている、かぶせ物や詰め物を用いる補綴治療にテーマを絞り、藤井院長に保険診療と自費診療の違いについて解説してもらった。
(取材日2025年5月12日)
目次
かぶせ物や詰め物の治療で選択の幅が広がった今、保険診療と自費診療それぞれの違いとは
- Q保険診療と自費診療のかぶせ物や詰め物の違いを教えてください。
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A
▲患者の要望やライフスタイルに合わせた提案を行う
保険診療の対象となるのは銀歯や白いかぶせ物のCAD/CAM冠です。自費診療との違いはその材質。銀歯は見た目にも目立ちますし、金属アレルギーのリスクなど、健康面への悪影響が懸念される点も銀歯を白い歯に変えたいという方が急増している要因のようです。一方、見た目が白いCAD/CAM冠については、保険適用範囲が拡大されたことも影響して希望する方は多いです。しかし、見た目は白くても、自費診療のセラミックの修復物と比べると汚れが付着しやすく、虫歯や歯周病のリスクはどうしても高くなってしまいます。保険診療と自費診療は、用いる材質の違いによって、見た目の印象や清掃性に伴う再発リスクの度合いが大きく異なります。
- Q保険診療による詰め物はどのくらい持ちますか?
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A
▲丁寧な説明を行い、一人ひとりに寄り添った診療を提供
一般的には5~7年程度といわれていますが、先ほどお伝えした材質の違いで耐久性にも差が生じてきます。銀歯に関して言うと、強度はあるものの接着面の隙間から菌が入り、中が虫歯になっていることが非常に多いんですね。また、CAD/CAM冠は割れたりすることが多く耐久性が高いとは言えません。これらのことを踏まえると、自費診療であるセラミックのほうがメリットがあるといえるでしょう。費用面で躊躇する方も多いと思いますが、再治療のリスクを考えると選択肢も変わってくるのではないでしょうか。費用が安くても治療を繰り返せば、最終的には歯を失い、さらなる費用がかかりますので、長い目でご検討されることをお勧めいたします。
- Q銀歯を気にして来院される方も多いそうですね。
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A
▲審美面に配慮した治療にも注力している
はい。笑った時に目立つ中心から左右5番目までくらいに銀歯がある方は見た目が気になるようで、白い修復物を使った治療についてお問い合わせいただくことが多いです。今はホワイトニングも注目されているように、歯の白さや歯並びなど見た目の美しさを求められる方が増えましたので、銀歯に対するコンプレックスをお持ちの方は多いように感じます。以前は自費診療というと、限られた人だけというイメージがありましたが、今は選択肢も増え、ずいぶんと身近に感じていただけるようになっているのかもしれません。それだけ、歯に対する意識の高い方が増えたとも言えるでしょうし、皆さんの意識に変化が出てきているのは間違いないと思います。
- Qセラミックの詰め物やかぶせ物のメリットを教えてください。
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A
▲さまざまな種類の補綴物を取り扱う
審美面はもちろん、セラミックは金属を使用しませんので金属アレルギーの心配がないこと。そして、汚れやプラークが付着しづらく、虫歯や歯周病のリスク軽減が図れる点や、経年劣化に強いので耐久性の高さなどがメリットとして挙げられます。セラミックの中でも特にジルコニアという種類は、金属よりも硬度が高い素材で、審美面や強度において優れているため、当院でもセラミックを希望される方にはお勧めしています。しかし、いくら優れた材質だからといって日頃のケアを怠って良いわけではありません。歯科クリニックでの定期的なメンテナンスとご自身によるセルフケアも行うことで、長持ちする期間が変わってきます。
- Q自費診療に興味があるけど不安という方にアドバイスを。
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A
▲相談しやすい雰囲気づくりを心がけている藤井院長
虫歯治療後のかぶせ物などは、白い歯にしたいと思われる方が大半だと感じています。しかし、無理強いされるのではないか、あるいは費用面などをご不安に感じ、言い出せない方もいらっしゃるでしょう。当院では治療法をすべてご提示した上で、患者さんがご納得されなければ治療には進みません。保険診療、自費診療、費用も含めそれぞれの治療について丁寧にご説明いたします。選択されるのは患者さんご自身ですので、安心してご相談いただきたいなと思います。保険治療だからといって、手を抜くことはもちろんありませんし、全力を尽くします。まずは、保険・自費関係なく、症状に対しどんな治療法があるのかを知ることが大事だと考えます。
自由診療費用の目安
自由診療とはセラミックの詰め物/3万3000円~、セラミックのかぶせ物/7万1500円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。