藤井勝芳院長の独自取材記事

みやき藤井歯科クリニック

(三養基郡みやき町／中原駅)

最終更新日：2025/06/03

JR長崎本線・中原駅から徒歩5分の場所に位置する「みやき藤井歯科クリニック」。白と木目を基調にした院内には、吹き抜けの高窓から優しい光が差し込み、明るく清潔感のある空間が広がる。藤井勝芳（ふじい・まさよし）院長は、20年以上にわたり地域住民に親しまれてきた「みやき歯科クリニック」を引き継ぎ、2021年のリスタートに伴い名称を変更。診療は一般歯科をはじめ、矯正歯科、審美歯科、義歯、小児歯科、予防歯科など、幅広いニーズに対応。同院がめざすのは「家族皆で通える歯科医院」。通いやすい、アットホームな雰囲気づくりを心がけ、子どもから高齢者まで、一人ひとりに寄り添う診療を大切にしている。穏やかな笑顔と語り口が印象的な藤井院長に、診療のモットーや取り組みについて聞いた。

（取材日2025年5月12日）

幅広い年齢層の多様なニーズに対応
一人ひとりの患者と誠実に向き合う
スタッフが一丸となり、予防歯科に注力

幅広い年齢層の多様なニーズに対応

まずは、院長に就任するまでの経緯を伺います。

福岡歯科大学歯学部を卒業後は、福岡歯科大学医科歯科総合病院の小児歯科での臨床研修を経て、佐賀市内や熊本県天草市のクリニックに勤務したほか、山口県下関市にある叔父の診療所でも経験を積みました。開業を考えるようになったのは、一人の患者さんを最初から最後まで責任を持って診療したかったからです。妻の出身地ということもあり、佐賀県内で開業する場所を探していたところ、ご縁があって地域で長く親しまれていた「みやき歯科クリニック」を継承し、院長に就任しました。2021年には、クリニックの名称を私の名前を冠した「みやき藤井歯科クリニック」へ変更し、現在に至ります。少しずつ「藤井歯科」と呼んでくれる患者さんが増えてきて、地域になじんできた手応えがありますね。私はもともと福岡出身なのですが、いつの間にか佐賀が大好きな街になり、今では第二の故郷のように思っています。

地域の方とも顔見知りになっているそうですね。

佐賀に来てからは8年たつのですが、年齢関係なく皆さんが温かく受け入れてくださる地域性というのも、佐賀で開業したいと思った理由の一つなんです。実際に開業してからも皆さんの人柄に助けられている部分が大きいんですよね。診療もスムーズに行うことができていますし、感謝しかありません。高齢の方も多い地域ですので、いつまでもご自身の歯で噛めるよう、健康寿命の延伸にも貢献できたらと思っています。天然歯を温存できれば何よりですが、残念ながら歯を失われても、当院では入れ歯やインプラント治療にも対応していますので、皆さんが快適に生活できるサポートができたらと思っています。ご高齢の方は「噛めるようにしてほしい」というご相談が多く、入れ歯やインプラントのニーズの高さを実感。その一方で、新たに越して来られる子育て世代も増えているので、患者層は0歳児からご高齢の方まで幅広いのが特徴です。

診療内容や設備のこだわりについても教えてください。

最近は親子で通われる方も増えてきたので、お子さんの歯並びや噛み合わせを整えたいといったご相談をはじめ、年齢問わず地域の皆さんの多様なお悩みに応えられる体制を構築。院内も温かみのある木目調をベースに、窓からは自然光を取り入れて、リラックスできる空間づくりにこだわりました。また、お子さん連れの方が気兼ねなく来院できるようキッズスペースを設け、クリエーティブな遊びが体験できるタッチパネルも設置。親御さんが治療を受けている間は、スタッフがお子さんをお預かりすることもできます。また、クリニックの入り口にはスロープがあり、車いすやベビーカーの方もスムーズに移動していただける設計です。設備面は、歯科用CTや口腔内スキャナー、レーザー治療器、滅菌設備など、衛生面に配慮しながら幅広い治療に対応できる機器を一通りそろえています。

一人ひとりの患者と誠実に向き合う

診療において大切にされていることは何でしょう？

幅広い年代のニーズに対応するために、オールマイティーに診療できるクリニックをめざしています。単に治療するだけでなく、患者さんの心情を深く考えて、お困り事や不安な気持ちをできるだけ取り除けるように努めています。特に大切にしているのは、うそ偽りのない診療です。常に知見と技術を磨く努力はしておりますが、できないことは正直にお伝えしています。そして、保険診療・自費診療という枠にとらわれず、考えられる治療の選択肢をすべてご説明し、その方にとってより良いものを選んでいただくことを重視。患者さん一人ひとり価値観が異なりますので「この方にはこの治療が良いだろう」と決めつけるべきではありませんし、こちらの理想を一方的に押しつけるのもまた違いますからね。どんな選択肢があるのか、具体的にどのような治療をしていくのかを、言葉だけでなく資料などを使ってわかりやすく丁寧に説明することを心がけています。

お子さんの治療で心がけていることはありますか？

マイナスの印象を抱きそうな言葉を避け、「一緒に頑張ろう」「やってみよう」という前向きな気持ちを引き出す声かけをしています。もう一つ大切にしているのが、治療について正直に話をすることです。「注射はしないよ」「痛くないよ」といったうそやごまかしは言いません。「口の中で何をされるのかわからない」という状況はお子さんの不安につながるので、治療に使う道具を一緒に見てもらって、これからどんなことをするのかお話しします。使用しないと約束した器具は最後まで使うことはありません。誠実なコミュニケーションを重ねていけば、歯医者が苦手なお子さんも少しずつ心を開いてくれるようになると信じています。頑張った子には、カプセルトイのご褒美も用意しています。

予防にも力を入れていると伺いました。

虫歯や歯周病の予防や再発を防ぐためには、歯科医院で行うケアとセルフケアの両方に取り組む必要があります。しかし、ここへ来た当初は、予防歯科が大切だとわかっていても、「クリニックで定期的に清掃してもらえば良い」という受け身の姿勢の患者さんが大半で、予防歯科の大切さを患者さんへお伝えしていく必要性に気づかされました。大切なのは、ご自身の歯はご自身で守るという意識を持つこと。患者さんの自発的な行動を促すために、一人ひとりのお口の状態に合わせた歯磨きの方法や、歯ブラシや歯間ブラシ、フロスの選び方などをお伝えし、ご自宅でのケアの大切さを啓発しています。

スタッフが一丸となり、予防歯科に注力

歯科衛生士の方についてはいかがでしょうか？

歯科衛生士は、予防歯科の主役です。しかし以前は、歯科衛生士によって口腔ケアのスキルにばらつきがあったので、患者さんに予防の大切さを伝えきれていない側面もありました。現在、当院で働いてくれているスタッフたちは、スキルアップに意欲的に取り組んでくれて頼もしい存在です。誰が担当しても同じレベルのケアを提供できるように、外部講師を呼んで定期的に勉強会を行い、クリニック全体のクオリティーの底上げに努めています。また、患者さんが話しやすい雰囲気づくりも大事にしています。施術をした後に「すっきりした」「気持ち良かった」と実感してもらえればうれしいですね。

その積み重ねが天然歯の温存、つまり健康寿命延伸にもつながるとお考えなのですね。

まさに。ご自身の歯に勝るものはありませんからね。もちろん歯を失ったとしても、先ほどお伝えしたように入れ歯やインプラント治療など講じられる策はあります。一般的な入れ歯だけでなく、バネのない入れ歯にも対応していますので、気になる方はお気軽にご相談ください。インプラント治療に抵抗のある方や審美面を気にされる方には特にお勧めです。このように、地域の方がいつまでもおいしく食事ができ、健康な体を維持できるよう、包括的な診療に力を注いでいます。

今後の展望と地域の方へメッセージをお願いします。

2世代、3世代と家族で通える地域に根差したクリニックをめざしています。歯の健康を守るためには、子どもの頃からのケアを徹底することが大切です。親御さんの中には「自分は歯でいろいろと苦労をしてきたので、子どもには同じ思いをさせたくない」という方が少なくありません。虫歯を予防しながら正しい歯列や噛み合わせに導くために、お子さんに合わせたプログラムを作成し、しっかりとしたサポート体制を整えていきたいと考えています。当院は、老若男女問わず、どなたにも安心して受診していただけるよう、幅広い診療科目に対応しています。歯や口の中のことでお困りのことがあれば、お気軽にご相談ください。