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神原 政仁 院長の独自取材記事

かみはらペインクリニック

(三田市/新三田駅)

最終更新日:2024/11/15

神原政仁院長 かみはらペインクリニック main

JR福知山線・新三田駅とJR宝塚線・三田駅の中ほどに位置する「かみはらペインクリニック」は、あらゆる痛みの治療を専門とするクリニック。院長の神原政仁先生は、腹部の外科医師としてキャリアを重ねていたが、手術後の疼痛管理に興味を持ち麻酔科に転身。改めて研鑽を積んでから、痛みやしびれに悩む患者の支えになりたいとペインクリニックの開業を決意した。「あまりなじみのない診療科だと思われがちですが、ペインクリニックできることは意外と多いもの。痛みを我慢せず気軽に相談してほしい」そう話す神原院長からは、あらゆる相談に耳を傾けてきたからこその熱い思いがあふれていた。

(取材日2024年11月7日)

誰もが経験する「痛み」に向き合う診療科

まずは開業までの経緯を聞かせてください。

神原政仁院長 かみはらペインクリニック1

大学卒業後は外科を専攻し、おなかの手術を中心に研鑽を積んできました。手術はやりがいもありましたし医師として充実もしていましたが、手術の経験を重ねるにつれ「痛みをコントロールすること」の奥深さに興味を持ちました。術後の痛みに苦しむ患者さんを見ていると、「できるだけ痛くないようにしてあげたい」と感じたからです。そこで、自ら志願して麻酔科へと転科しました。麻酔科では手術中の麻酔も数多く経験しましたが、やはり自分が強く興味を持ったのが「痛み」に関すること。そこで2010年からは兵庫医科大学ペインクリニック部に入局し、痛みに対する治療を専門とするようになりました。三田市に開業したのは、住んだことはないものの自分にとってはなじみのある場所だったから。ペインクリニックを扱うクリニックが不足していたこともあり、地域の皆さんのお役に立てるのではないかと考えたからです。

ペインクリニックとはどのようなことをする診療科ですか?

実はペインクリニックは古くからある診療分野なのですが、どの病院にもある診療科というわけではなく、なんとなく敷居が高いと感じている人が多い診療科かもしれませんね。ペインクリニックはその名のとおり、体の痛みに対する治療を行うクリニックのことです。診察は、まず痛みの強さや場所などについて詳しく問診しエックス線やエコーによる検査を行って痛みの原因を診断します。その上で、原因に対して薬物療法や神経ブロック療法などの治療法でアプローチし、痛みを軽減・QOL(生活の質)を改善させることをめざしていきます。痛みは誰もが経験する症状ですので、実は多くの人に関係のある診療科なんですよ。

どのような患者さんがいらしているのですか?

神原政仁院長 かみはらペインクリニック2

腰痛や肩凝り、首や膝などの体の痛みやしびれが治らないからと来てくださる方は多いですね。原因は、椎間板ヘルニアや頸椎症性神経根症、腰部脊柱管狭窄症、変形性関節症、四十肩や五十肩などさまざまです。また、帯状疱疹後に起こる神経痛、三叉神経痛、片頭痛などの相談も多いです。これらの症状は長く悩んでいる人も多く、他科での治療や手術が終了しても痛みが取れず困っている人が少なくありません。そういうときはペインクリニックの出番です。人は痛みが続くと動かなくなり、そうなると血行が悪くなり、筋力が衰え、可動域も狭くなります。そうなると痛みはますます強くなり、QOLにも大きな影響を与えてしまいます。痛みを我慢しすぎる必要はありません。「痛いな」「つらいな」と感じたら、気軽に相談してください。

心と体の両面から痛みにアプローチ

具体的にどのような治療を行うのでしょうか?

神原政仁院長 かみはらペインクリニック3

痛みは非常に個人的な感覚ですので、まずは患者さんが感じている痛みを把握するための問診と検査を行います。何をしている時に痛いのか、どのくらい痛いのか、痛みのスケールなどを使用して詳しく把握していきます。同時にエックス線撮影装置やエコーを使用し、痛みの原因となる疾患の有無を確認します。検査が終われば、患者さんと相談しながら薬物療法やトリガーポイント注射、神経ブロック療法、理学療法、心理士のカウンセリングなどを組み合わせて痛みにアプローチしていきます。残念ながら魔法のような治療というわけではないので、一回の治療で変化が期待できる場合もあれば、回数を重ねていくことで軽減を図る場合もあります。医師とよく話し合って治療を進めることが大切です。

理学療法士や心理士も在籍しているんですね。

痛みは不思議なもので、医学的には問題がなくても「痛い」と感じることがあります。痛みと体、痛みと心はつながっているんですね。もちろん、体と心もつながっています。そう考えると、痛みに対するアプローチが私の治療だけでは足りないことも多いはず。理学療法士や心理士は、私にはない視点で患者さんと向き合ってくれるので、私自身もすごく勉強になっています。彼らと意見を交換し、薬物療法や神経ブロック療法とは違った角度からのアプローチも行っています。私たちがめざすのは痛みを和らげQOLを上げること。そのためにできることをこれからも皆で協力していけたらと思います。

ペインクリニックの治療には、どこか怖いイメージがありました。

神原政仁院長 かみはらペインクリニック4

特に神経ブロック療法にはなんとなく怖いイメージ、痛いイメージを持っている人が多く、治療前に「痛いんでしょう?」ととても不安そうにされる方は多いです。例えば、神経根に針が刺さるとかなり強い痛みを感じることがあり、過去に他院でそういった神経ブロック療法を受けた方には恐怖心があるのも無理はありません。しかし当院ではできる限り、直接神経に針を刺すことを避け、注射の針も細いものを使うなど工夫しています。まったくの無痛というわけではありませんが、痛みには最大限に配慮して神経ブロック療法を行っていますのであまり心配しすぎないでくださいね。また、原因が見当たらなくても、患者さんが痛みを感じているのであればそれはとてもつらいこと。「痛いはずがない」と切り捨てるのではなく、解決する方法を一緒に考えていきたいと思っていますので、安心してください。

めざすは「痛みのかかりつけ医」

先生自身もつらい痛みを経験されたとか。

神原政仁院長 かみはらペインクリニック5

そうなんです。私自身も腰が悪いので、ある時駅のホームで強い痛みに襲われて動けなくなった経験があります。本当に数歩歩くのが精いっぱいで、冷や汗をダラダラかきながら歩いたのですが、自分よりもずっと年齢が上のお年寄りにも追い抜かれて情けない気持ちになったことを覚えています。また、診療中も立っているのもつらく、その時は看護師にキャスターつきの椅子で運んでもらったこともあります。今も「また痛くなったらどうしよう」と常に不安はつきまといますし、体の痛みを抱えるということはこういうことなんだと実感しています。同時に治療で一時的にも痛みが取れれば、どれほどホッとするかもわかります。だからこそ、患者さんの痛みを取りホッとする時間をつくってあげたいと心から思っています。

診療で心がけていることはありますか?

お一人お一人に寄り添うことを大切にしています。痛みやつらさは目に見えませんし、数値でも測れません。人によってもその感受性は違います。誰かにとって耐えられる痛みやつらさであっても、別の人にとっては耐え難いものかもしれない。だからこそ想像力が大切であり、一人ひとり違う痛みやつらさのスケールに寄り添っていかなくてはいけないと思います。それは決して簡単なことではありませんが、そこに向かって努力することで患者さんとの信頼関係が築かれていくのかなと思います。患者さんが「このくらい我慢すればいいや」と思わなくて済むように、私ももっと成長していきたいです。

最後に、地域の皆さんにメッセージをお願いします。

神原政仁院長 かみはらペインクリニック6

私がめざすのは、地域の皆さまの「痛みのかかりつけ医」です。これは整形外科に行ったほうがいい? 内科? それとも脳神経外科? と、迷うことは多いかもしれません。もちろん、痛みの原因が明確な場合には必要な診療科を受診いただければ良いですが、「どうすればいいのかな?」と迷うようなことがあれば、ひとまず気軽にペインクリニックを受診してください。ペインクリニックでできることは、皆さんの想像以上に多いと思います。別の医療機関に通いながらの相談も問題ありません。私たちの目標は、痛みを我慢していた患者さんが笑顔になる瞬間であり、それが私たちのやりがいや喜びとなります。地域の皆さんの笑顔を増やせるよう、皆さんの痛みと向き合っていけたらと思います。

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