朝日藤寿一院長の独自取材記事

あさひとう矯正＆こども歯科クリニック

(新潟市東区／新潟駅)

最終更新日：2021/10/12

新潟市東区にある「あさひとう矯正&こども歯科クリニック」は2016年に開業した矯正歯科と小児歯科専門のクリニックだ。院長の朝日藤寿一先生は長年大学病院の矯正歯科で先天異常を中心に臨床と研究に従事したベテランの矯正歯科医師。妻で小児歯科を担当する副院長とともに二人三脚でクリニックを運営する。矯正治療は、費用や治療期間の観点から、なかなか治療に踏み出せない患者も多い。朝日藤院長は「気軽に相談に来ていただいて矯正治療の門戸を広げたい」と開業時から患者の目線に立った医療サービスを提供してきた。取材では同院の特色やスタッフ体制などを、気さくに語ってくれた。

（取材日2021年5月10日）

矯正歯科と小児歯科専門の歯科医院を夫婦で開業
矯正治療の開始時期は個人差が大きく見極めが重要
あふれる情報に振り回されず、まずは気軽に相談を

矯正歯科と小児歯科専門の歯科医院を夫婦で開業

クリニックの特色を教えてください。

矯正歯科と小児歯科に特化したクリニックであることが当院の特徴です。お子さまの口腔内のトータルサポート、すなわち歯ならびの治療だけでなく、虫歯の予防や治療等も一つの歯科医院の中で行えるという利点は大きいと考えます。またお子さまが歯並びの治療をされたのを契機に、親御さんが矯正治療を希望されるケースも増えています。小さい頃から歯並びや口元にコンプレックスをお持ちになっていたにもかかわらず治療できなかった方が、意を決して成人になってから治療される方は意外と多いです。

歯科医師を志した理由や、開業までのご経歴を教えてください。

親戚に歯科医師や医療関係者が多く、子どもの頃から医療の道に進みたいと思っていました。その中でも将来を担うお子さまを対象とした医療に携われたらと考えておりました。新潟大学歯学部に入学し、卒業後は母校の矯正学講座に残り矯正臨床に必要な知識・技術・経験を習得し研鑽を積みました。大学病院では先天異常を有する患者さんの治療や研究、学生や若い先生方の指導を行ってきました。在職中は楽しさとやりがいはあったのですが、やはり自分は患者さんと接すること、すなわち臨床中心に残りの人生を送ろうと考え、2016年7月に開業しました。

なぜ東区に開業されたのでしょうか？

中央区や西区には矯正を専門としている開業医や小児歯科に精通した歯科医師が数名おられました。ところが、東区にはそういった歯科医院があまり多くありませんでした。お子さまは親御さんに連れられ来院されますが、新潟の場合、特に冬場は車で移動されることが多いということもあり、地域の患者さんが通院しやすい場所を意識しました。また、駐車のしやすい広い駐車場を確保したかったということと、周辺に特別支援学校等があり障害者の方も来院できる場所であることも影響しています。

矯正治療の開始時期は個人差が大きく見極めが重要

矯正治療ではどのような訴えや相談が多いですか？

患者さん、親御さんは「歯並びがでこぼこで気になる」「前歯が出ている」「かみ合わせが逆である」といった見た目の問題を気にされて来院される方がほとんどです。見た目の問題は確かにわかりやすいですし重要ですが、食べる、話す、呼吸といった機能面でバランスが崩れている方もいらっしゃいます。また、治療開始時期がわからないとおっしゃる方も多いです。早い時期に相談にいらっしゃることはたいへん重要だと思いますが、口元のバランスも肝心ですので、同じ年齢のお子さまでもかみ合わせのパターンによってはすぐに治療を始めることが必要な場合や大人の歯がすべて生えそろってから行う場合など、お子さまにより治療開始時期が異なることを初診時に説明しています。矯正治療の目的は永久歯列期すなわち大人の歯並びにおいて、良好なかみ合わせを獲得すること、機能的に問題がないこと、良好な口元のバランスを獲得することです。

無料で相談できるのは、矯正が気になっている人にとってありがたいですね。

そうですね。矯正治療はほとんどの場合保険外診療になります。費用もそうですが治療期間も年単位となります。治療に対するイメージは人それぞれ異なりますし、治療内容の詳細は正直わからない方がほとんどだと思います。そのような理由から開業当時より気軽に相談に来ていただけるよう心がけております。同じ方が複数回相談におみえになることもしばしばです。具体的に治療希望されるかどうかは患者さんの意思を尊重しています。矯正治療は治療を行う矯正歯科医により考え方が異なることもあるので、他の矯正歯科医の意見を聞くことも大切だとお話ししています。なにより、患者さん、親御さんが納得し、安心して治療を受けていただけるよう心がけております。治療は長期にわたるため、治療を行う矯正歯科医師との相性も重要です。

矯正歯科医師としてやりがいを感じる瞬間を教えてください。

治療の成果が明確に表れ、またそれを患者さんと一緒に確かめることができるところにやりがいを感じます。患者さんから「矯正治療をして良かった」と喜んでいただけたら非常にうれしいです。コンプレックスから解放され、治療前より明るく、積極的になる方も多いように思われます。ある女性の患者さんで、ご自分の結婚式で歯を見せて笑っている写真を送ってくださったことがありました。長い期間治療をした際の苦労や喜びを分かち合えたときは、矯正治療の醍醐味を感じる瞬間でもあります。私はこれまで矯正歯科医になったことを後悔したことは一度もなく、矯正を生業として本当に良かったと感じています。ここまで指導してくれた諸先生方には感謝しています。同時に患者さんから教わったこと、教えられたことも数多くありました。矯正歯科医として長い時間を費やしたことは間違いではなかったと言い切れますし、本当に良い仕事に出逢えたと思っております。

あふれる情報に振り回されず、まずは気軽に相談を

スタッフ教育はどのように取り組まれていますか？

やはりお子さまの患者さんも多いため、当院の受付スタッフは保育士の資格を有する者が担当しています。このことは親御さんにあまりオープンにしていることではないのですが、不安感や恐怖心を持って来院される患者さんが少しでも安心できるようにするための工夫の一つです。また、診療スタッフはすべて歯科衛生士の資格を有する者が担当しています。当院のスタッフは、自ら知りたいことを見つけ、疑問と感じることを解決する姿勢を大事にしています。当院の治療内容は歯科でも専門性が高く、学生時代には教育されない内容も多いです。そのため、院内の研修のみならず勉強の場には積極的に参加するようにしています。

設備や設計のこだわりはありますか？

矯正治療は治療期間が長いので、患者さんに快適に通院していただくために、清潔感ときれいさを保つように心がけています。また小児歯科はお子さんが大きな声で泣く場合が多いので、音が外部に漏れないよう防音対策が施されています。一方、矯正歯科の診療室はそれぞれ個室のため、他の患者さんの目を気にせず治療を受けていただいております。快適な環境で治療を受けてほしいとの思いから、圧迫感のない空間にしています。CTや口腔内スキャナは当然設置しております。

読者へメッセージをお願いします。

近年、矯正治療においてもSNS等で不適切な情報があふれていることを危惧しています。医療にはさまざまな形があるので、一概にどれが良い・悪いと言うことはできませんが、矯正歯科医から見て疑問に思うような矯正治療も散見します。正しい情報と誤った情報が入り混じっているので見極めは難しいかとは思います。特に矯正治療は費用と年単位の時間がかかるので、再治療になることを避けるためにも、実際治療を行った方や信頼できる人から情報を得たり、直接歯科医院に相談に行くことは必要と考えています。当院の場合、相談をしていただいた上で一番適していると思われる方法と治療開始時期をお話しています。治療を希望されるか否かは最終的に判断いただくこととして、まずはご相談だけでもいいので、興味がある方は気軽にお越しください。