柳瀬 賢人 院長の独自取材記事
デンタルオフィス虎ノ門
(港区/虎ノ門ヒルズ駅)
最終更新日:2025/09/11

虎ノ門ヒルズのビル群に囲まれた「デンタルオフィス虎ノ門」。歯科医師60人以上が参加する勉強会を主催する柳瀬賢人院長は、「歯科医師の仕事は、患者さんの人生を変えるほど重要な役割を担っている」と語る。患者が治療で笑顔になることが喜びだとする院長は、海外の英語論文を毎月読み込み、世界レベルの先進的な知識や技術を学び続ける。歯周病やインプラント、噛み合わせ治療についてそれぞれの専門家から直接指導を受けた経歴も。研鑽を積み、ゆくゆくは歯科医師の指導的立場になりたいと、歯科医療に情熱を注ぐ柳瀬院長に、その診療哲学と歯科医療への思いを聞いた。
(取材日2025年9月1日)
国内外の論文を研究し、先進的な治療をめざす
どういった患者さんがいらっしゃいますか?

虎ノ門のオフィス街ということもあり、30〜50代のビジネスパーソンの方が多くいらっしゃっています。主訴としては詰め物が取れたといった一般歯科の内容から、インプラント治療や矯正など幅広いです。一部分を治療するというよりも、全顎に関わる治療を行う方が多いのも当院の特徴だと思います。保険診療にこだわらず、患者さんご自身に適した治療法を望まれる方が多い印象です。
こちらでは、どのような治療が受けられますか?
当院では、国内外の多くの論文を参考に、世界基準の治療を行うことをめざしています。例えば、当院のセラミック治療では、0.5mmという極めて薄いかぶせ物を使用しています。一般的には2mmくらい削るとされていますから、その4分の1程度の薄さになります。かぶせ物が薄ければ、自然歯の削る量を抑えることができるため、できる限り削らずに歯を残すことがめざせるんです。また、歯は削れば削るほど染みやすくもなりますが、その心配も少なくて済みます。ただ、かなり薄いので処置には細心の注意と技術が必要です。
それだけの技工物を製作するには、歯科技工士さんの技術も必要になりそうですね。

はい。当院では、大きな技工所と提携していますが、その中で実質的に当院専属の歯科技工士さんがいるような状態です。最初は0.5mmという薄さのセラミックをどう作っていいかわからず、コミュニケーションを重ねながら1年かけて調整してきました。噛み合わせ治療では、型採りで作った模型だけでなく、骨格情報も共有しています。耳と眉間、歯型、鼻の横という4点を押さえて、骨格に対してどういう向きで歯が生えているかという情報まで歯科技工士さんに伝えているんです。これにより口の中のリアルな歯ぎしりの動きまでを再現できるようになりました。歯科技工士さんとは電話やメールで頻繁にやりとりを重ね、写真なども使用しながら細部にまでこだわり調整を重ねています。
先生は知識や技術の研鑽にも励まれているそうですね。
はい。私が主催者となり、歯科医師60人以上が参加する勉強会を行っています。海外で発表された論文を読んで、新しい治療法を常に追っていこうという勉強会です。新しい治療法はだいたい英語論文で発表されますし、日本の有名な先生たちも英語論文で発信されているんですよ。また、場所柄、保険診療外でもいいから自分に合った治療を受けたいという方が多いんです。そういう方々のニーズに応えられるよう、さまざまな治療が提供できるように体制を整えています。もちろん保険診療を希望される方には保険診療での治療を行います。常に新しい知識と技術をアップデートし続けることが重要だと考えています。
各分野の専門家から学んだことを治療に生かす
これまでのご経歴について教えてください。

東京医科歯科大学(現・東京科学大学)を卒業後、名古屋大学の口腔外科で臨床研修をしていました。その後、川口市にある歯周病とインプラントで知られる先生の所に勤務。そこでは先生についてセミナーに行ったり、アシスタント業務をしたりしました。論文の翻訳や資料の作成など、とにかく何でも経験し、勉強させていただいた2年間ですね。当時の経験が今の自分をつくっていると思います。その後、100人近い歯科医師が在籍する医療法人の教育係などを経験し、現在に至ります。
噛み合わせ治療の専門性はどのように身につけられたのですか?
3年前から、噛み合わせ治療で知られる先生のプライベートセミナーに参加しています。その先生は日本の噛み合わせ治療に寄与されており、4年に一回開催される歯科医療のイベントでメインホールのトップバッターを務められるような方です。その先生のセミナーで、噛み合わせと審美面に配慮した治療を3年間学んできました。おかげさまで噛み合わせ治療は、私の得意分野となっています。特に審美面に配慮した治療においては、先生から言語化して教わることで、感性だけでなく再現性のある治療ができるようになりました。
患者さんと接する上で心がけていることはありますか?

口腔内だけではなく、患者さんの全体を見るようにしています。例えば治療中、患者さんの手が少し動いたり、口角がちょっと動いたりした時に「痛かったのかな」と気にかけるようにするなど。治療中はタオルをかけているので表情が見えないため、こういったわずかな変化を見逃さないよう注意を払っています。話す時は必ず患者さんの横に回り、顔を見ながら話すようにします。歯科医師と患者さんという立場上、どうしても遠慮されることもあります。言葉遣いもそうですが、患者さんが歯科医師を遠い存在と感じないような距離感を大切にしています。
一人ひとりの口腔状態に合わせた予防法を提案
予防歯科への取り組みについて教えてください。

「シックケアよりヘルスケア」という方針を掲げています。病気になってしまったところは治療するしかありません。でも、そもそも虫歯にならなければ虫歯の治療をしなくて済むわけです。また、完璧な歯磨きをできる方は少ないと思います。1年間歯科医院に通わないと汚れはたまっていき虫歯になる可能性は増してきます。そこで当院では、そもそも虫歯にならないようにするためにも予防を重視し、虫歯の多い方には唾液検査などを通して口腔内の状況を把握し、その方に合わせた予防法の提案をしています。メンテナンスに通っていただいている方にも、ただクリーニングするだけではありません。患者さん個別対応で違う予防方法を説明しています。予防していくことで虫歯や歯を削らずに済めば、治療費用もその分かからずに済むので、トータルで考えると費用の軽減にもつながると思います。
歯科医師としてのやりがいはどこに感じていますか?
すごくやりがいのある仕事だなと思っています。私は、顔の上半分は目で、下半分は歯の印象だと思っているんです。それぐらい顔の中で歯の印象は大きなものだと感じています。その分、歯にコンプレックスがあった場合は、歯を見せて笑うことに抵抗を感じ表情が暗くなってしまうこともあると思います。そういった方のお悩みに寄り添い、解決を図れるというのは、やりがいですし、患者さんの笑顔が増えることが何よりの喜びですね。歯科医師は自分が関わった患者さんの、その先の人生も変えられるような治療がめざせる職業だと感じています。
今後の展望と、読者へのメッセージをお願いします。

歯科医師として研鑽してレベルが上がっていけば、患者さんに良い治療を還元できると思っています。一方で、若手の先生の教育にも注力し、日本の歯科医療の発展に貢献していきたいという思いもあります。ですので、まずは自分自身のレベルアップのために、引き続き学び、研鑽をしていきたいですね。当院は、虫歯治療から噛み合わせ、ワイヤー矯正、マウスピース型装置を用いた矯正も含めて幅広く対応しており、トータルで診療できるのが強みです。矯正中に虫歯になったとしても、別の歯科医院に行くことなく一貫して当院で診られる体制を整えています。歯に対してお悩みがあれば、気軽にご相談いただければうれしいです。
自由診療費用の目安
自由診療とはワイヤー矯正/25万円~、マウスピース型装置を用いた矯正/25万円~、インプラント治療/44万円~