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弓場 一秀 院長の独自取材記事

トヨタクリニック

(大阪市中央区/堺筋本町駅)

最終更新日:2019/08/28

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大阪市内有数のビジネス街、備後町にあるビルの地下1階。内科を中心に展開する「トヨタクリニック」は、近隣企業に勤めるビジネスパーソンや一般住人が足しげく通う、まさに都心のかかりつけ診療所だ。「もっと目立つ看板を掲げたいのですが、ビルの規定がありまして。まるで穴場の飲食店ですよね」と優しい笑顔で出迎えてくれたのは、2017年から院長を務める弓場一秀(ゆば・かずひで)先生。整形外科の開業を志す過程で急遽同院を任され、現在は複数のドクターやスタッフたちの要となってクリニックを支えている。そんな弓場院長に、都心の医療現場のリアルな現状や対処法、患者に対する思いなど、自身の医療スタンスとともに詳しく聞いてみた。
(取材日2018年10月17日)

現役で働く人の健康を身近でサポート

まずは弓場先生が院長になった経緯を教えてください。

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私自身は2年前からここを手伝っていましたが、もともとは豊田宜男(とよた・のりお)先生が15年ほど前に開業したクリニックです。豊田先生は私の従兄弟にあたり、年齢もキャリアも私より20年ほど上になります。ところが2017年の夏に豊田先生の病気が判明し、10月頃からいよいよ仕事が困難になったため、私が院長としてクリニックを継承することになりました。その後も豊田先生の病状は改善せず、残念なことに2018年1月に他界されました。病気が見つかった時にはすでに終末期に近い状態だったようですが、本当にぎりぎりまで頑張っておられたわけで、まさに仕事に人生を捧げた医師だったと思います。

都心のビジネス街に開業した理由は何ですか?

豊田先生から聞いた話では、バリバリ仕事をなさっている現役世代の方を念頭に置いて開業したクリニックだったそうです。ちょうど向かいに大手都市銀行の本社があって、そちらとの関わりが深かったようですね。大きな企業ですから自社の健康管理センターもありますが、日々の健康管理や健診業務、ちょっと具合が悪くなったという場合など、職場の近くのかかりつけ医として、皆さんの日々のお仕事を少しでも下支えしたいというのがクリニックの基本コンセプトです。他にもお世話になっている企業がいくつかありますから、私も急きょ産業医の資格を取得して対応できるようにしました。

クリニックの診療内容は?

まずは労働災害を含めた急な病気やケガへの対応で、もう一つは日々の健康管理ですね。高血圧や糖尿病など生活習慣に関わる病気、風邪や頭痛、腹痛などの一般的な治療や相談に応じています。あとは皮膚科治療や整形外科治療、血液検査・検尿・心電図・エコー・エックス線・骨密度測定などの検査、企業向けの健康診断も行っています。また、今後は禁煙治療や睡眠時無呼吸症候群などの治療にも力を入れていきたいと考えています。実際には、近隣で働いておられる方が昼休みや休憩時間に職場を抜けて来られることが多いですね。「ちょっとトヨタさんに行ってくる」というのが職場でも通じるようです。

現在の診療体制を教えてください。

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現在、私と原田先生、松本先生という3人のドクターが交代制で診療しています。私の専門は整形外科ですが、プライマリケアという意味では内科や皮膚科も診療できます。原田先生と松本先生は内科が専門です。原田先生は先述した銀行の専属の産業医で、そちらの健康管理センターでの仕事が本業です。松本先生は公募で来ていただいた医師ですが、たまたま私や亡くなった豊田先生と同じ大阪医科大学の出身で、これも何かのご縁かと思いますね。

人として信頼される医師をめざして

実際には、どのような相談が多いですか?

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働き方改革ということが提唱されつつも、現実には企業さんはどこも人材不足で残業時間が多く、皆さん過労で少しうつ傾向といいますか、何となく体調が悪いといった不定愁訴的なことを申し出られる方が増えています。すぐに薬や治療というよりも、まずはお話を聞いて、点滴をしながらちょっと休んでいただくと元気になって戻っていかれます。そういう意味では会社の医務室的な役割もあるかもしれません。よく来られる方の顔も覚えますし、一人ひとりの体質や体調、性格などもわかってきます。うつ病や職場のメンタルヘルスなど、いわゆる心療内科的なニーズに関しては今後の私の課題だと思っています。

患者さんへの健康指導はどのように行いますか?

昨今は健康診断に力を入れる企業が増えてきましたが、しっかりとした企業に勤めておられる方ほど人任せにしてしまいがちなんですね。やはり自分の体のことですから、健康管理は自分自身でしっかり行う必要があります。健診結果を持ってきてくださいと言っても開封せずにポンと手渡すだけのような方には、「一度はご覧になりましたか?」「どこか気になる部分はありましたか?」と、その都度お聞きするようにしています。そうしているうちに意識が少しずつ変わって、どうしていけばいいのかを積極的に聞いていただけるようになります。指導や治療に入るには、まずそこからがスタートですね。

診療時に心がけていることを教えてください。

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私は他のドクターに比べて何かに秀でているという自負はありませんが、唯一、患者さんに親身になることに関しては人一倍努力しているつもりです。同世代の患者さんは自分に置き換え、高齢の患者さんは自分の父親や母親に置き換えて診療しています。年配の患者さんから見れば私もまだまだ若造ですから、最初はやや見下したような態度をとる患者さんもいらっしゃいます。それでも誠意を持ってお付き合いを重ねていくうちに、「先生がそうおっしゃるなら」と、互いの気持ちが通じていくのはうれしいことですね。あと、往々にして大きな病院を紹介させていただくことがありますが、なるべくいい病院、いい先生を紹介して喜んでいただくことも私の喜びとなります。その意味では、地域の先生方ともっと交流を深めていくことも大切だと思います。

一般の人にも気軽に利用してほしい

こちらに就任されるまでの経歴を簡単に教えてください。

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父は病院に勤めていましたが医師ではありません。伯父と従兄弟が医師で、義理の兄も開業医をしていましたから、いろんなアドバイスをもらいながら医療をめざそうと思い、大阪医科大学へ進みました。大学卒業後は整形外科に入局し、研修後は出向というかたちで6つの関連病院を回って整形外科医師として手術を含んだ診療に携わりました。そのまま臨床医を続けていく道もありましたが、一度きりの人生ですから研究の分野も突き詰めてみたいと思い、大学院に入り直して学位を取得することができました。大学院を卒業してまた門真市の関連病院を4年ほど、奈良の病院に6年ほど勤めました。そろそろ実家のある堺市で自分の医院を開業したいと考えていたところ、こちらのクリニックから手を貸してほしいとお声をかけていただいたわけです。

予定が変わって戸惑いはありませんでしたか?

当初は整形外科専門で開業するつもりでしたから、患者さんはもっとご高齢で、診療からリハビリテーション、余力があれば在宅診療までと考えていました。ですから「臨床+在宅医療」という想定から「臨床+産業医」へと意識を変える必要があったわけですね。当初は少し戸惑いもありましたが、最近は少し発想が変わり、現役世代の方ともう少しお付き合いしていくのもいいなと思うようになりました。ただ、私のキャリアは整形外科医師として培ってきたものですから、今後はリハビリテーションにも力を入れていきたいと考えています。そのためには絶対的なスペースが不足していますから、移転や拡大も視野に入れていますが、これまでクリニックがやってきた都心での医療スタンスは変えるつもりはありません。

最後に、読者へ向けたメッセージをお願いします。

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ビジネス街の企業向けクリニックと思われがちですが、決してそんな位置づけだけではありません。近辺には新しいマンションもぽつぽつ建ってきていますから、もっと一般の方にご利用いただければと思います。内科を中心に皮膚科、整形外科など、ちょっとした時に相談できる皆さんのかかりつけ医としてお役に立てればと考えていますので、近くにお住まいの方や、移ってこられる予定があればぜひ一度お越しください。私は継承というかたちで院長になりましたが、世間知らずの私を受け入れてくれた優秀なスタッフには心から感謝しています。そのアドバンテージをなるべく生かし、患者さんにフィードバックしていくことが何よりの使命だと考えています。

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