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小野 勇太 院長の独自取材記事

おの歯科クリニック

(豊橋市/新川駅)

最終更新日:2021/10/12

小野勇太院長 おの歯科クリニック main

豊橋駅の駅前から真っ直ぐ伸びる大通り沿いにある「おの歯科クリニック」は、2016年5月に開院したクリニックだ。豊橋駅や最寄の路面電車の停留所から歩ける距離だが、自動車で通院する患者のために6台分の駐車スペースを完備。また靴のまま入れる院内は、白を基調にした明るく清潔な内装で統一している。高齢者も多い地域だが、定期的に通ってくる患者は乳幼児や小中学生も多く来院するという。院長を務める小野勇太先生は豊橋出身。生まれ育った地域で開業した院長の目標は、周辺地域から歯のことで悩む人を少しでも減らすことだという。今回はそんな思いを抱く小野院長に医院の診療方針や注力している医院の取り組みなど、さまざまな話を聞いた。

(取材日2017年5月11日)

大学受験をきっかけに歯科医師の道へ

先生が歯科医師をめざすようになったきっかけを教えてください。

小野勇太院長 おの歯科クリニック1

実は最初から歯医者になろうと考えていたわけではないんです。高校で進路に迷っていた時、両親の勧めもあって歯学部を選択肢の中に入れたのです。さまざまな大学や学部を受験し、歯学部に合格したことが歯医者をめざすことになった一番の理由ですかね。でも大学に入ってからが大変でしたよ。高校時代に考えていた大学生活のイメージとは全然違い、朝から夕方までみっちり授業。午後もほとんど実習で、治療の練習をしたり入れ歯を作ったりが6年間続きました。想像していたキャンパスライフとは違いましたが、充実した学生生活を送ることができました。

歯科の勉強で一番面白いと思った分野は何でしょう?

学生時代は勉強が大変で、楽しいとか面白いと思う余裕はなかったですね。2006年に卒業し、翌年には研修中に通っていた栃木県の医院に就職しました。そこはインプラントにとても力を入れていました。インプラントの技術が、日本に広まり定着したのがその頃だったんです。入れ歯だと食事に関してさまざまな制約や不便があるんですが、インプラントだと大体のものは食べられます。患者さんの中にはそれまで痩せていたのに、インプラントにしてから急に太る方もいるんです。これはすごいと思いました。それだけ劇的に、何でも食べられるようになるんですね。問題はあまりにも自然に感じるので、定期検診を怠る患者さんがいることです。インプラントも普通の歯と同じで、適切なケアをしないと歯茎が腫れたり、歯周病が起きたりするので、きちんと通院していただきたいですね。

その後は愛知県に戻って開院の準備を始めるわけですね。

小野勇太院長 おの歯科クリニック2

こちらに戻ってからは自分で開院することを意識しながら、いろいろなタイプの医院で勤務してきました。更に、より高度な技術を身に付けるため、1年ぐらいさまざまな医院を見学させてもらい、その中でも一番レベルが高いと感じた豊田市の歯科医院を選んで3年間働かせてもらったんです。その医院では明確な基準、根拠に基づいて診療しており、治療の方針がしっかりしていました。そこに勤めるまで既に5年か6年の経験はあったんですが、この3年で自分なりに治療の基準を確立することができたと思います。それに院長先生自身がとても勉強熱心で、月に2回も3回も勉強会をやるんです。これは本当に勉強になりましたね。

スウェーデン式を採用した歯磨き指導に注力

このクリニックの得意分野や力を入れていることはありますか?

小野勇太院長 おの歯科クリニック3

この辺りの人は皆さん歯が良いのか、歯石を取ってほしいとか、歯の掃除をしたいという方が多いんです。もともと予防歯科に力を入れたいと思っていたこともあるので、そうした患者さんには毎回歯ブラシを持って来ていただき、ブラッシング指導を丁寧に行うことにしています。歯科用の染料を使うと、磨き残しがわかりますよね。それを見ながら「今日は何パーセント残ってましたよ」とか「前回より良くなりましたね」などと成果を数値で出すと、患者さんのモチベーションが上がるようです。どうしても磨きにくいところは医院の機械で掃除して、きれいな状態にしてからご自宅に帰ってもらいます。ブラッシング指導には、専用の指導用ソフトなども活用しています。

歯科で指導を受けると歯磨きは変わりますか?

自己流で10分歯を磨くより、指導を受けて3分歯を磨いたほうがきれいになりますよ。これはあるセミナーで聞いたんですが、海外では朝晩2回の歯磨きが普通だそうです。最近の日本人、特に女性は、昼食後も合わせて日に3回歯を磨くことが増えています。それなのに虫歯や歯周病は、1日2回しか歯を磨かない海外の人より多いんです。これはよくよく調べてみると、やはり歯をきちんと磨けていないんですね。これを染め出しなどできちんとチェックして、歯磨きの癖を直します。磨き残しが出ないようにすれば、1日2回の歯磨きでもちゃんと虫歯や歯周病の予防はできると思うんです。当院ではこれに加えて、スウェーデン式のプラークコントロール指導も行っています。

スウェーデン式では具体的にどんなことを行うんでしょう。

小野勇太院長 おの歯科クリニック4

1回の歯磨きに、2本の歯ブラシを使うんです。最初に細く小さいブラシで、歯の隙間など磨き残しが出やすい部分を2分間しっかり磨きます。その後は普通の歯ブラシで、いつも通りに全体を磨きます。僕は大学時代に歯周病を学んできて、予防先進国のスウェーデン式の歯磨きを学びました。うちの衛生士さんも、実はスウェーデンまで行って勉強してきたという人なんです。そんなこともあって、開業当時からこの方法を取り入れています。スウェーデン式で丁寧に歯を磨くと歯石が付きにくくなってきれいな状態を維持できますし、その結果を数値で見せたりすると、頑張って続けてくれる患者さんも増えてきます。もちろん全員ではないですけど、少しずつ定着してきてますよ。

地域の人が一生頼れる歯科医院をめざして

患者さんの治療を行う際、特に気を付けていることは何でしょうか。

小野勇太院長 おの歯科クリニック5

2つあります。1つ目はなるべく痛くしないこと。歯医者で痛い思いをして、治療が嫌いになる人は多いはずです。だから痛くしたくない。麻酔でも患者さんが気付かないような注射が理想です。患者さんの体調や緊張の度合いで、感覚が過敏になることもありますが、できるかぎり痛くない治療ができるよう心がけています。2つ目はなるべく歯を残すこと。昔は小さな虫歯もどんどん削る治療が行われていましたが、今は早期の虫歯を見つけても削らず、進行を予防する形に変わってきています。また、できる限り歯を抜かないのも当院の方針です。歯を残せる可能性があるのなら、少しでも歯を長持ちさせるような治療がしたいと思っています。

スタッフを含めてクリニック全体で共有しているポリシーや理念はありますか?

常に勉強し続けることですね。予防意識の高い患者さんの要望にもしっかりと応えられるように、日々最新の治療方法を勉強している必要があると思っています。うちでは衛生士さんのための勉強会であっても、助手や受付のスタッフまで全員が参加しますよ。実際の処置に携わらないとしても、同じ知識を共有することは大事です。受付スタッフが、患者さんから質問されることもありますしね。勉強会は休みの日に行われることが多いんですが、うちのスタッフに声をかけるとみんな参加してくれます。当院はとてもスタッフに恵まれていると思います。

最後になりますが、将来はここをどんなクリニックにしたいですか?

小野勇太院長 おの歯科クリニック6

地域の人たちに「あそこに行ってればもう歯のことは一生心配が無いね」と言われるような歯科医院にしたいですね。当院は開院してまだ1年ですが、将来は地域全体の虫歯を減らせるような歯医者になりたいです。大切なのは、やはり予防です。そのために小児矯正にも力を入れたいと思っています。歯並びは見た目の問題だけでなく、虫歯や歯周病の予防にもつながりますからね。笑われそうですが、僕はスーパーや薬局の歯ブラシ売り場で悩んでいる人を見かけると、声をかけてアドバイスしたくなるんです。その人の歯の状態や目的によって、選ぶべき歯ブラシや歯磨き粉が変わりますからね。

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