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石井 聡 院長の独自取材記事

九段下駅前ココクリニック

(千代田区/九段下駅)

最終更新日:2020/05/08

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複数の地下鉄が乗り入れる九段下の駅のすぐ近く。「九段下駅前ココクリニック」は患者の8割が30~50代という働く世代のためのクリニックだ。院長の石井聡先生は職場から通いやすく、質の高いプライマリケアを提供する医院でありたいと、日々診療に力を注いでいる。製薬会社での勤務経験もあり、視野を広く持ち、言葉の端々に診療にかける熱い思いがにじみ出る。オンライン診療にも早くから取り組み、そこから通院による治療につながっていくことも多いという。開業して1年半、「掲げていた思いが実現していく手応えを感じています」という院長に、さまざまな話を聞いた。
(取材日2019年3月19日)

働く世代に質の高いプライマリケアを提供したい

こちらは働く世代のかかりつけ医をめざしていらっしゃるそうですね。

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働き盛りの方が通いやすく、充実したプライマリケアを受けられるクリニックをめざして開院しました。おかげさまで考えていたことが提供できている手応えを感じています。アクセスの良さや平日夜8時までの診療など通いやすさは変わらず大事にしていますが、“コンビニ的”にはならないよう心がけています。コンビニエンスストアでの買い物は「とりあえずあればいい」という位置づけで、質的な部分にはあまり期待をしていないように私には思えます。そういう意味で、利便性は確保しつつ、医療の質的にはコンビニ的にならないようバランスを取っていきたいですね。「とりあえず」ではなく、もっと落ち着いて安心してご相談いただけるクリニックでありたいと思っています。

質の良しあしはなかなか目に見えにくいと思いますが、どのような点に現れるでしょうか。

予防接種で受診した方を例にとると、その1回の注射だけで終わってしまうのでは寂しいと思うんですね。最近感じるのは、最初は予防接種を打ちにいらした方が、次は風邪をひいたからとおいでになり、その次は健康診断で引っかかったからとご相談にみえる。そういうかたちで戻ってきてくださる方が増えてきています。初診の場合も、インターネットで調べて来てくださる方も多いのですが、実際の患者さんからのクチコミを聞いてという方が増えているんですよ。

具体的にはどのようことを心がけていらっしゃいますか?

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幅広くプライマリケアを提供するというのがわれわれのめざすところですから、何かご相談があったとき「これは当院の専門ではありませんから、他院へ行ってください」という対応は決してしないようにしています。例えば「〇〇に痛みがある」という患者さんがおいでになったとします。すぐに「〇〇専門のクリニックに行ってください」というのではなく、「症状はあるけれど、少し様子を見ても大丈夫だと思いますよ」というように案配を見て話をすることが大事だと思っています。もちろん専門的な所見や処置が必要なときはきちんと専門の医療機関をご紹介しますし、患者さんを危険にさらすようなことはしません。でも大きな病院に行くほどではないけれど、気にかかるというケースはかなりあると思いますので、それにしっかり対応していきたいですね。

信頼関係のもと、最良の治療を届けるために

先生のご専門は生活習慣病で、特に心血管疾患の予防に力を注いでいると伺いました。

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糖尿病でも高血圧でも高脂血症でも、その疾患自体で死に至ることはあまりありません。でも糖尿病から脳梗塞を起こして寝たきりになり、肺炎で亡くなるというように、生活習慣病のケアがちゃんとされていないと、最終的には命が脅かされていくわけです。だからといって「高脂血症だからコレステロールを下げる薬を飲みましょう」だけではどうなのでしょうか。妊娠中はコレステロールの薬は飲めませんから、「妊娠の可能性のある年齢の間は飲まずにおいて、出産が終わった頃飲みましょう」というようにライフステージに合わせてその都度タイミングやお声がけの仕方を工夫しながらご提案をしていきたい。それにはしっかりとしたお付き合いのベースができていないと、ご相談もいただけないし、治療にも結びつきません。まずは長期的な信頼関係を築くことが大事になってきます。

それがかかりつけ医の役割ということですね。

目の前の患者さんに対して何を提案していったら最良なのか。「教科書的にはこれが正しいからこれがすべてです」と言っても、現実的にはその治療を続けられない患者さんもいらっしゃるわけです。でも、次善策として別の治療を選択すれば、一定の効果があり、患者さんも継続できるのであれば、そちらを選んだほうがいい。そこは現場のさじ加減で、私たち臨床医の腕の見せどころでもあると思っています。まず治療から脱落せずに通っていただくためにはどうしたらいいかを考え、日々少しずつ努力を積み重ねていくのが、予防ということかもしれません。なかなか効果は見えづらく、遠大な作業になるのですが。

先生は外資系の製薬会社にお勤めになっていたこともあるそうですね。

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やっていることや立場は変わっても、追いかけている目標は同じです。製薬会社でも研究をしていた時も最終的にこれはどこへつながるのか、忘れないようにしていました。ただ根本的に違うのは、薬は当たると劇的な効果が期待できるということですね。予防医療はなかなか効果が見えづらく、1000人地道に治療してやっと1~2人予防の効果があったと思えるぐらいです。それに対して「今までの薬は100人に使って1人に予防効果」だったものが「新しい薬は20人に予防効果」ぐらいに違うんです。私が製薬会社時代に関わった糖尿病の薬は心臓血管病の死亡率への影響をデータで示すことができ、なかなか得がたい経験をしました。

オンライン診療にも柔軟に対応

こちらの精神科では患者さんの復職にも力を入れているとお聞きしました。

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当院でも診療している精神科医師である私の妻を中心に、職場やお仕事で悩まれている方のご相談にも対応しています。休職や復職でお困りになって相談におみえになる方は少なくありません。トラブルになった場合、企業側の立場も従業員側の立場もわかりますので、いいかたちに収まるよう見通しを立てながら治療をご提案しています。うつ病などの場合、それほど重い症状ではなくても、患者さん自身も何が起きているかよくわからず混乱していらっしゃることが多いので、病気そのものだけでなく、社会的な背景に関しても整理していくお手伝いをしています。

オンライン診療にも力を入れておられるそうですね。

オンライン診療に関しては、患者さんのケースによって、オンライン診療を使ったほうが、安全性や利便性の面で明らかにメリットがあるというときにご提案しています。今のところ、検査結果のご説明などスポット的な使い方が多くなっていますが、そこが入り口になって、通院に結びつく場合もあります。健康診断で異常を指摘されても8割の人は通院を継続せず放置しているというデータもあります。そのあたりのフォローアップにもうまくつなげていきたいですね。最近は企業から、ご紹介を受けるケースもあるんですよ。企業からご信頼いただけているようでうれしく思っています。

これからの抱負をお聞かせください。

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めざしてきた医療がだいぶかたちになって手応えを感じていますが、質の良い医療をある程度の規模で再生産していかないと、予防はなかなか浸透していきません。私一人では当然やりきれませんから、丁寧な診療を通してそういう仕事をしてみたいという仲間が増えていくといいなと思っています。時代のニーズに合った、良いと思える医療をより多くの方に提供できるよう、医師としても経営者としても進歩していきたいですね。

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