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石井 聡 院長の独自取材記事

九段下駅前ココクリニック

(千代田区/九段下駅)

最終更新日:2022/04/06

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「九段下駅前ココクリニック」は患者の8割が30~50代という働く世代のためのクリニックだ。院長の石井聡先生は、患者にとって職場から通いやすく、質の高いプライマリケアを提供するクリニックでありたいと、日々診療に力を注いでいる。「続けられる治療」を大切にする視点から、時間的・場所的制約の少ないツールとしてオンライン診療も早期に導入し、生活習慣病などの診療にも活用してきた。製薬会社での勤務経験もあり、広い視野を持ち、言葉の端々から診療にかける熱い思いがにじみ出る石井院長に、話を聞いた。

(取材日2021年3月17日)

働く世代に質の高いプライマリケアを提供したい

働く世代のかかりつけ医をめざしていらっしゃるそうですね。

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はい。働き盛りの方が通いやすく、充実したプライマリケアを提供できるクリニックをめざして開院しました。おかげさまで考えていたことが提供できている手応えを感じています。アクセスの良さや平日夜8時までの診療など通いやすさは大事にしていますが、利便性は確保しつつ、医療の質は損なわないように。「とりあえず」ではなく、もっと落ち着いて、安心してご相談いただけるクリニックであるよう心がけています。予防接種で受診した方を例にとると、その1回の注射だけで終わってしまうのでは寂しいと思うんですね。最初は予防接種を打ちにいらした方が、次は風邪をひいたからとおいでになり、その次は健康診断で引っかかったからとご相談に来てくださる。そんなふうに、患者さんと長いお付き合いのできるクリニックでありたいと思います。

診療面では、具体的にはどのようことを心がけていらっしゃいますか?

幅広くプライマリケアを提供するというのがわれわれのめざすところですから、何かご相談があったとき「これは当院の専門ではありませんから、他院へ行ってください」という対応は決してしないようにしています。例えば「○○に痛みがある」という患者さんがおいでになったとします。すぐに「○○専門のクリニックに行ってください」というのではなく、「症状はあるけれど、少し様子を見ても大丈夫だと思いますよ」というように案配を考えて話をすることが大事だと思っています。もちろん専門的な所見や処置が必要なときはきちんと専門の医療機関をご紹介しますし、患者さんを危険にさらすようなことはしません。でも大きな病院に行くほどではないけれど、気にかかるというケースはかなりあると思いますので、それにしっかり対応していきたいですね。

早い時期からオンライン診療にも取り組まれています。

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2017年初め頃から取り組み、コツコツと実績を重ねてきました。オンライン診療の良いところは、受診にあたっての時間的・地理的制約がほとんどなくなることです。ただこれはあくまでツールの一つであり、適切かどうかのライン引きはしっかりした上で、オンライン診療が適切な場合は積極的に活用しています。また、コロナ禍においてはオンライン診療を導入することで、受診する方の利便性と来院する他の患者さんの安全性の両立にもつながるので良い方法だと思います。

何より大事なのは、続けられる治療であること

先生のご専門は生活習慣病で、特に心血管疾患の予防に力を注いでいると伺いました。

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はい。糖尿病でも高血圧症でも高脂血症でも、その疾患自体で死に至ることはあまりありません。でも糖尿病から脳梗塞を起こして寝たきりになり、肺炎で亡くなるというように、生活習慣病のケアがちゃんとされていないと、最終的には命が脅かされていきます。だからといって「高脂血症だから、コレステロール値を下げるために薬を飲みましょう」だけでは言葉足らずです。生活習慣病の結果として起きる脳梗塞、心筋梗塞などの動脈硬化性疾患の将来的なリスクを数字をもとにご説明した上で、ライフステージに合わせてその都度タイミングやお声がけの仕方を工夫しながら適切なご提案をしていきたい。それにはしっかりとしたお付き合いのベースができていないと、ご相談もいただけないし、治療や予防にも結びつきません。まずは長期的な信頼関係を築くことが大事になってくると考えています。

それがかかりつけ医の役割ということですね。

目の前の患者さんに対して何を提案していったら最良なのか。「教科書的にはこれが正しいからこれがすべてです」と言っても、現実的にはその治療を続けられない患者さんもいらっしゃるわけです。でも、次善策としての別の治療で、一定の効果が見込め、患者さんも継続できるのであれば、そちらを選んだほうがいいでしょう。そこは現場のさじ加減で、私たち臨床医の腕の見せどころでもあると思っています。まず治療から脱落せずに通っていただくためにはどうしたらいいかを考え、日々少しずつ努力を積み重ねていくのが、予防ということかもしれません。なかなかその努力の結果は見えづらく、遠大な作業になるのですが。

「続けられる治療」は、クリニックのテーマでもありますね。

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そのとおりで、オンライン診療を導入したのも治療の継続に役立つからです。なかなか通院の時間が取れず治療の継続が難しいという人でも、オンライン診療を使うことで「通院時間がなく仕事をしながら待てる」なら、診察を受けることができますよね。また治療的な話としても、高血圧のお薬を3ヵ月分出してただ「飲んでくださいね」というよりは、1ヵ月か1ヵ月半に1度はオンライン診療をして「体調はどうですか」「お薬、飲んでますか」などと伺ったほうが、患者さんは治療へのモチベーションを保ちやすくなると思うのです。とはいえ、「24時間365日いつでも受診できます」となると、治療の一貫性が失われたり、かえって健康を意識する機会が減ることにつながります。便利な中にも、少し不便な部分があることが、患者さんがご自身の病気を意識することになり、ひいては行動や習慣を変えるきっかけになれば、患者さんは自ら回復していくと思います。

メンタルトラブルの解決や復職のサポートにも注力

こちらの精神科では患者さんの復職サポートにも力を入れているとお聞きしました。

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当院では、職場やお仕事で悩まれている方のご相談にも対応しています。休職や復職でお困りになって相談におみえになる方は少なくありません。トラブルになった場合、企業側の立場も従業員側の立場もわかりますので、いいかたちに収まるよう見通しを立てながら診療を行っています。うつ病などの場合、それほど重い症状ではなくても、患者さん自身も何が起きているかよくわからず混乱していらっしゃることが多いので、病気そのものだけでなく、社会的な背景に関しても整理していくお手伝いをしています。

先生は外資系の製薬会社にお勤めになっていたこともあるそうですね。

そうですね。主に新薬の発売や臨床研究をしていました。私ならではの特徴だと思いますが、当時は膨大な薬の生のデータに携わっていたので、一人の医師が臨床で経験できないレベルの多くのデータに触れて読み込むをことが出来ました。その経験から作用、副作用を含めて薬と、どのように向き合っていくべきか多くを学びました。実際の臨床ではやはり数が限られますから、医師として実際に患者さんにお出しする前に徹底的にデータを理解する経験を積めたのは今に役立っています。開業して今は、その経験を生かしながら一人ひとりの患者さんに合った薬をお出しできるので、なぜその薬が必要なのかといったことも含めて、よりわかりやすくご説明できると自負しています。やっていることや立場は変わっても、追いかけている目標は同じで、いかに患者さんの未来を病気から守るかということです。

今後の展望をお聞かせください。

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2021年4月に、全自動リアルタイムRT-PCR検査装置を導入しました。これにより、最短2時間でPCR検査結果がわかるようになりました。この検査に関してご相談を受けるケースも多かったため、当院でも検査に対応できるよう導入することにしました。診療全般については、めざしてきた医療がだいぶかたちになって手応えを感じていますが、質の良い医療をある程度の規模で再生産していかないと、予防の実践はなかなか浸透していきません。私一人では当然やりきれませんから、丁寧な診療を通してそういう仕事をしてみたいという仲間が増えていくといいなと思っています。時代のニーズに合った、良いと思える医療をより多くの方に提供できるよう、医師としても経営者としても進歩していきたいですね。

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