荒瀬 聡子 院長の独自取材記事
Soko Dental Clinic
(鹿児島市/鹿児島中央駅)
最終更新日:2021/10/12

鹿児島中央駅から車で10分。ファミリー世帯が多く集まる鹿児島市の文教地区・原良町の一角に、開業して6年の「Soko Dental Clinic」はある。おそろいのボーダーやダンガリーシャツを着た院長・荒瀬聡子先生とスタッフは全員女性。まるでカフェのような雰囲気の院内には、スタッフの手書きによるメッセージボードが置かれ、一人ひとりの人柄がよくわかるプロフィールが掲示されている。診察を前にした患者の緊張感を和らげてくれるような、そんな温かみのある空間が同院の大きな魅力の一つだろう。「来ていただいた患者さんがちょっとでもハッピーになってくれたらうれしい」と、人懐っこい笑顔を見せる荒瀬院長に、診療に対する思いやクリニックのこだわりについて、たっぷりと語ってもらった。
(取材日2021年2月17日)
地域の人々に長く寄り添う「町の歯医者さん」をめざす
この地域で開業を決めたきっかけから教えていただけますか?

大学の歯学部に入学した時から、将来はいずれ開業をしたいという思いがありました。大学に残って勉強や研究をするよりも、「町の歯医者さん」として地域の人たちを診ていきたいという思いが強かったんです。実際にこの地域での開業を決めたのも、単身者よりもファミリー層が多い地域だったからなんです。ここなら自分の理想とする診療スタイルにぴったりだと思いました。それに、この地域は主人の実家に近いんですが、患者さんの中には主人の子ども時代を知っている方も多く、診察しながら当時の話などを聞かせてもらったりするのもうれしいです。開業して6年になりますが、大学時代に自分が思い描いていたとおりのことをこの地域で実現できて幸せだなと思います。
患者層についてはいかがでしょうか?
ファミリー層の多い地域ということで、患者さんも家族間の紹介で来院される方が圧倒的に多いと思います。クリニックの印象なのか小児歯科クリニックだと思われていることも多く、開業当初は「おじさんでも診てもらえますか?」という問い合わせもあったんですよ。その時は、来院しにくい雰囲気だったのかなと心配になりましたが、今はそのようなこともなくなり、年代の偏りなく幅広い層が来院してくださっています。スタッフは全員女性ですが、患者さんは女性だけではなく男性の患者さんも多いですね。他の病院に通っていたけれど問題が思うように改善されず、当院へ相談にいらっしゃる方も少なくありません。そんなときにはまず、しっかりと話を伺って、問題解決のために一緒に治療を進めていきます。
先生が診療の際に大切にしていることは何ですか?

やはり「聞く力」だと思います。患者さんがなぜこのクリニックに来ようと思ったのか、そこを理解することがとても重要で、その方の意図をくんだ上で悩みを解決していくお手伝いをしたいと思っています。治療について丁寧に説明することはもちろん、その方の背景を詳しく知り、その情報をスタッフ全員と共有することも心がけています。また、できるだけ患者さんの希望に沿うかたちで治療をしていくことも大切にしています。特に、いつまでに治したいという希望については、できる限りかなえて差し上げたいと思っています。患者さんの希望をかなえることで、「信頼の貯金」が増え、そのようにして信頼関係を築いていくことで、患者さんもこちらのお願いを聞いてくださるようになると思います。
互いに理解し合いながら、信頼関係を築いていく
院内の掲示物などが工夫されていて、とてもすてきですね。

歯科医院というのは、誰だってあまり来たいところではないと思うのですが、どうすれば入りやすい雰囲気になるのだろうと考え、私やスタッフの人となりをまずは知ってもらうことが大切だと思いました。私たちは患者さんのことをもっと知りたいと常々思っているのですが、そのためにはまず、私たち自身のことを知っていただいて、信頼関係を築くことを大切にしています。受付にはスタッフのプロフィールを貼ったり、入り口のホワイトボードにはあえて歯に関することではなく、私たちの日常がわかるような内容を書いたりしています。その内容がきっかけで、診療の際のコミュニケーションがスムーズになることもあるんですよ。
院内の設備についても、何かこだわった部分はありますか?
治療に使う歯科器具の除染用洗浄機や減菌機を、あえて診療室に設置したという点です。一般的な歯科クリニックでは、消毒室と呼ばれる奥の部屋に置かれることが多いのですが、当院では患者さんの目に留まる場所に置いています。自分の治療に使われている器具がどのように洗浄・消毒されているのかを、患者さん自身が確認することで安心していただきたいと思ったからです。特に近頃は新型コロナウイルスの影響で、消毒や減菌などを徹底しているところも多いと思いますが、当院は開業当初から衛生管理に力を入れてきました。衛生面を徹底するということは、患者さんを守ることでもあり、働いているスタッフを守ることでもあるからです。
診療面での特徴はありますか?

できるだけ痛くない治療を心がけています。特に麻酔に関しては、絶対に痛くならないようにしたいと思っていて、患者さんには常に「痛いのは代わってあげることができないので、痛い時には必ず教えてください」ということをお伝えしています。患者さんの中には痛いのに我慢してしまう方もいるのですが、痛いということをきちんとお伝えいただければ、その都度できる限りの対応をしたいと思っています。治療というのは、患者さんとの連携プレーで成り立っていますから、お互いが協力をし合って進めていくことが大切です。それと、私は手が小さいので、女性やお子さんなど口の小さな方を治療する際にも、メリットになっていると思いますね。
患者が安心して通えるクリニックのために
先生は、患者に寄り添った治療を心がけているんですね。

そうですね。例えば虫歯の治療は、自分も治療してもらった経験があるので、患者さんの気持ちを理解することができますが、入れ歯については患者さんの気持ちを知ることはできません。その分、技術はしっかりと身につけたいと思い、勉強会などにも積極的に参加してきました。入れ歯を初めてつける患者さんには、「新しい革靴を履く時と一緒で、最初は痛いかもしれませんが慣れてきますよ」と、具体的なイメージを伝えながらわかりやすく説明することを意識しています。そして、「悩みが解決するまでは、いつまででもお付き合いしますからね」ということもお伝えして、安心していただくように心がけています。患者さんが食べたいものをおいしく食べられるように、患者さんの気持ちに寄り添っていきたいと思っています。
歯科医師として、やりがいを感じるのはどのような時ですか?
担当していたお子さんが、「大きくなったら歯医者さんになりたい」と言ってくれた時です。実際にお子さんが卒業文集にそう書いた、とお母さんが教えてくださったこともありました。自分が憧れてめざした職業を、次は自分が関わった患者さんが憧れてめざしてくれるなんて、これほどうれしいことはないですね。どんなに大変なことや疲れることがあっても、その言葉を思い出すと元気が出ますし、励まされています。
最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

これからも、私やスタッフたちと出会う患者さんが、「ちょっとだけでもハッピーになれる」クリニックでありたいです。このクリニックに来て良かったな、元気がもらえたなと感じていただけたらうれしいですね。そのためにも、私たちも人間力を高めながら、居心地の良い環境づくりに取り組み、患者さんが通いやすいクリニックであり続けたいと思います。
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。