竹野々 巌 院長の独自取材記事
たけのの歯科
(神戸市東灘区/住吉駅)
最終更新日:2025/06/26

JR神戸線・住吉駅から徒歩5分の場所にあるのが「たけのの歯科」だ。竹野々巌(たけのの・いわお)院長は、神戸大学病院でインプラントの外来の主任を長く勤めるなど、幅広い分野で研鑽を積んできた。同院は、日常診療でインプラント手術や静脈内鎮静下での治療を行い、新しい治療も積極的に取り入れるなど、専門性の高い診療を行っている。さらに歯列矯正や歯科恐怖症、夜間や休日の電話相談などにも積極的に取り組む、門戸が広くバランスの優れた歯科クリニックである。「緊急の患者さんにも、ゆっくり治療することを希望される患者さんにも満足していただけるよう努力しています」と語る竹野々院長に、開業までの経緯、クリニックの特徴、スタッフや院内の設備などについて聞いた。
(取材日2025年6月9日)
幅広い分野で歯科医師としての知識と技術を培う
開業に至るまでの経緯を教えてください。

朝日大学歯学部を卒業後、神戸大学医学部附属病院の歯科研修医としてキャリアをスタートさせました。その後は、大学病院を中心に兵庫県内のさまざまな病院で25年以上勤務しました。神戸大学病院ではインプラントの外来の主任を長く勤めるなど、幅広い分野で歯科医師としての知識と技術を培ってきたんです。私は昔から、町の歯医者さんを志していたため、十分にキャリアを積んだと思ったタイミングで開業を決意しました。大学病院ではできない、一人の患者さんをじっくりと長期間診る歯科医療をしたいという思いもありました。開業は2016年で、東灘区住吉を選んだのは、長く暮らしたなじみ深い地域であり、雰囲気がとても気に入っているという理由です。
歯科医師になった時から開業しようという考えだったのですか?
私は子どもの頃、虫歯だらけで、歯科医院によく通っていたんです。でも、雰囲気が暗く、痛いことをされるので、歯医者さんが大嫌いでした。だからこそ「自分は怖くない歯科医師になろう」と思ったんです。実は、開業したいと考えたのは、歯科医師になった時ではなく、進路を決める高校生の頃でした。父や祖父が歯科技工士で、歯科医療が身近だったことが大きいかもしれませんね。歯学部卒業後にいったん大学病院に入ったのは、どんなことでも対応できる技術が身についていないうちは開業してはいけない、と考えたからです。さまざまな技術や手法を学べる大学病院がとても面白かったため、開業するまで、当初の予定より時間がかかってしまいました。
患者層について教えてください。

開院当初は若い患者さんが多く、小さな子どもから40代ぐらいまでが中心でした。現在は高齢の方や、もともと通ってくださっている患者さんの親御さんなど、幅広い年齢層の患者さんに来ていただいています。私は口腔外科出身ですので、高齢の方や持病をお持ちの患者さんをたくさん診てきました。長く薬を服用している方やアレルギーがある方をはじめ、お困りのことがある場合は一度相談していただければと思います。また、最近は小学校の校医をしている関係で、就学前や、小学校で検査の紙をもらった場合など、歯列矯正を含めた子どもの治療も増えています。その際、兄弟やお母さんなどファミリーで来られて、一緒に治療されることもありますね。
幅広い患者層に合わせた充実した医療体制
スタッフについて教えてください。

非常勤の女性歯科医師が1人、歯科衛生士が6人、受付が2人、歯科助手が4人在籍しています。歯科衛生士は担当制にしていませんが、前回とは違う歯科衛生士が担当したとき、前よりもさらに良くしようというスタンスで患者さんに接していますので、「いつも人が変わるけど、とても良くしてもらえる」というご意見をいただいています。統一した指導を強制することはなく、各スタッフがその患者さんに合う一番良い方法を提案するシステムにしています。非常勤の女性歯科医師は、神戸大学口腔外科に所属していたため、歯科麻酔や病理学なども得意としています。女性の歯科医師を希望される方だけでなく、歯科恐怖症の患者さんに対しても、しっかり時間をかけて、やわらかい対応をしてくれています。
歯科恐怖症の方には、どのような治療をしていますか?
当院では、笑気吸入鎮静法と静脈内鎮静法での対応が可能です。静脈内鎮静法の場合、基本的には歯科医師2人で対応ができる水曜日に行っています。歯科恐怖症は性別や年齢でなりやすいといった特徴はなく、原因は生活環境や過去の経験などさまざまです。治療台につくと、血圧が上がったり、心拍数が早くなったりすることが現実に起こるため、それが受診の妨げになり、口の中の状態が悪くなってしまうのです。そういった患者さんの場合、いきなり治療はせず、最初のうちはカウンセリングのみ行います。治療計画立て、ゆっくり部分的に治療していくのに協力させていただきたいと思っています。なお、心電図や血圧のモニターをつけて治療することもできますし、薬も常備していますので、全身状態が心配な方でも安心して治療できると思います。
矯正について教えてください。

第1期といわれる乳歯を含んだ小児矯正、成人矯正、さらに部分矯正を含めて、幅広く行っています。ワイヤー矯正かマウスピース型装置を用いた矯正が基本ですが、小児矯正ではプレート矯正にも対応可能です。当院では、幼稚園児くらいから80代までの方に対応しています。私は大学病院で長い間、矯正治療の対応をしてきましたし、神戸大学医学部口腔外科では、手術を伴うような矯正や、矯正した後、さらに手術が必要なケースを数多く扱ってきました。そのため、矯正は得意分野の一つです。手術が必要な症例については、大学病院と連携して対応していきます。
先進機器の導入で、より精度の高い治療を
導入している機器について教えてください。

当院では、虫歯や歯周病手術への使用が認められているレーザーと、切開・止血に使用が認められている炭酸ガスレーザーを使用しています。レーザー治療は、特に歯周病に対して有用です。今後もより有用な使い方が開発されたら、積極的に取り入れたいと考えています。ただし、治療によってはレーザーを使用することで通常よりも時間がかかってしまう場合があります。そのため、レーザーを使う際には、理由などを説明した上で、患者さんの要望をお聞きしています。また、口腔内スキャナーは型採りにも用いることができる機器です。従来の型採りは、粘土のようなもので型を採っていましたが、嘔吐反射の激しい方への使用は難しい方法です。そうした方には現在、スキャナーを使用しています。また、石膏模型の保存も必要なくなり、デジタルデータを保管しています。
マイクロスコープも導入されたそうですね。
時代の変化に合わせて、2025年5月に導入しました。基本的に歯の神経を抜く治療の際に使用していますが、それ以外にも、歯の根っこがどうしても治らないときの手術でも使っています。マイクロスコープは、口の中を詳しく見る近い焦点のレンズと、手術の際の記録に使う遠く離れたレンズの2種類があり、さまざまな場面で使えるようになっています。口の中の治療は何をされているかわからず、患者さんは不安になりますし、治療中に横で説明されても覚えていないこともあります。マイクロスコープは動画を記録できるため、例えば治療後に不安になった患者さんに「こういう治療をしましたよ」と説明することも可能になります。患者さんに、よく理解していただくためのツールとして活用していきたいですね。
読者へのメッセージをお願いします。

当院が完全予約制にしていないのは、緊急の患者さんに対応するためです。夜間や休日でもクリニックに電話していただけたら、私に転送されるようになっています。旅行中などで私が対応できなくても、受診できる医療機関を紹介してきました。また、ゆっくり治療することを希望される方にも満足していただけるよう、クリニックの体制をますます充実させるべく努力していきます。一度歯医者に行ったら、長く通うことになるといった心配をされる方もいらっしゃいますが、当院は1回の相談だけでも受けつけていますので気軽にお越しください。車いすの方はエレベーターでお迎えに行きますし、当院には中国語・英語に対応できるスタッフがいるので、中国語圏・英語圏の方も心配なく来ていただきたいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント1本/30万円~、サイナスリフト/15万円、部分矯正/15万円、マウスピース型装置を用いた矯正/20万円・40万円・70万円(症状によって異なる)、ワイヤー矯正/45万円~、小児のプレート矯正/12万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。