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船曳 和雄 院長の独自取材記事

船曳耳鼻咽喉科・めまいクリニック

(神戸市灘区/六甲道駅)

最終更新日:2019/08/28

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六甲道駅から徒歩4分、六甲本通商店街の中にある「船曳耳鼻咽喉科・めまいクリニック」。船曳和雄院長の父が開業した医院を再開させ、船曳院長の専門であるめまい治療に力を入れている。船曳院長は1990年に京都大学医学部を卒業後、神戸市立中央市民病院で研修医時代を過ごし、京都大学医学部附属病院の耳鼻咽喉科でめまいの外来を担当。2000年から3年間アメリカに留学するなど、長年めまいについて熱心に研究してきた。その経験を生かし、同院では一般耳鼻科だけでなく、めまいの専門的な診療も行っている。アメリカ留学について、また開発に携わった診療機器のことや、専門としているめまいについて、じっくり話を聞いた。
(取材日2018年12月5日)

留学、大学病院・研究所勤務を経て、開業医の道へ

フクロウがクリニックのマスコットキャラクターなんですね。

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フクロウはものすごく耳がいいんですよ。アメリカに留学していた時にも研究でフクロウを使っていました。視力があまり良くない分、獲物を捕らえる時にも聴力を頼りに獲物がいる位置を確認して捉えるんです。私の留学していた研究室では当時フクロウは30羽くらい飼育されていたとおもいます。開業するにあたり、クリニックのマークがあったほうがいいかなと考えた時、そういったことから、フクロウがいいかなと思ったんです。

これまでのご経歴と、開業に至るまでの経緯を教えてください。

1990年に京都大学医学部を卒業後、神戸市立中央市民病院で研修して、それから京都大学医学部耳鼻科の大学院に入学し、同時に京都大学付属病院のめまい外来を担当し始めました。それから2000年から2003年の3年間、アメリカのカリフォルニア工科大学に留学し、フクロウを使った聴覚の研究をしていました。帰国後は京都大学医学部の研究機関や大阪バイオサイエンス研究所に所属しつつ、京都大学付属病院のめまい外来を引き続き担当していました。長年基礎研究にも携わっていましたが、当時手がけていた研究が一段落したのをきっかけに、臨床面で専門としていためまい診療中心のクリニックの開業を決めました。

医師を志したのは、耳鼻科医師だったお父さまの影響があったのですか?

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父は耳鼻科、母は産婦人科の医師でした。両方の影響を受けているとは思いますが、医師を志したのはどちらかと言えば、母からの影響のほうが強いかもしれません。父は自分が小さな時から耳鼻科を継いでほしかったようですが、実際に継いだのは父が亡くなって数年たってからでした。まあ、どこかで見ていて、喜んでくれているとは思います。医師自体はいい仕事だとずっと思っていました。患者さんとおしゃべりするのも好きですし、自分に合っているかなと思ってました。実際に医師になってから、父からは「自分の都合で勝手に休むな」とよく言われていました。父は病気をした時も休みは最小限に抑えてましたし「患者さんのために」という考えは父から影響されているかなと思います。学会に参加するために休むことはありますが、ほかの時には勝手な休みは取らないようにしています。

めまいはその原因を見分けることが大切

診療において心がけていることは何ですか?

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自分が受けたい、あるいは自分の家族に受けてもらいたいと思う医療を提供するよう心がけています。そう考えていると診療の道筋がおのずと見えて来る気がします。例えば、「この検査は今するべきか?」とかは、「その検査の結果で治療方針が変わるかどうか」で判断すると、本当に必要な検査がおのずと決まってくるとかですね。実はアメリカ留学中に子どもに病気が見つかり、長期間アメリカの病院に入院していたことがありました。その時の「患者とその家族」の経験が今の診療に大きく影響していると思います。

めまいの診療とは、どんなことをするのですか?

まず問診をして、患者さんにいろんなことを聞いていきます。ぐるぐるめまいなのか、フワフワめまいなのかや、めまいの続いた時間、あるいは起こった時間帯、まためまいがおこる前に何をしていたのか、生活や仕事の状況などもわりと根掘り葉掘り伺います。そうすると可能性のある病気が2、3個見えてくるんですね。その後、一つ一つの病気の可能性を調べるため検査をして選り分けていく作業をします。ここまででも結構時間がかかります。だいたい初診で30分くらいはかかりますね。めまいは、実はその原因によってわりと大きく治療法が異なるので、その原因を特定するのはとても大切です。最も重要な検査は、真っ暗な状態でのいろんな頭の位置、動きのときの目の動きを詳細に分析することです。

めまいを感じてから、受診するタイミングは?

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めまいの原因の6割から7割は、耳石(じせき)によるめまいだと言われています。傾きを感知する役割を担う耳石が三半規管に引っかかってめまいが起こります。その場合はじっとしていたらめまいが止まることが多いので、そんなに焦ることはありません。耳石によるめまいのほかには、メニエール病や前庭神経炎、また片頭痛や肩凝りからくるものもあります。ただ、めまいの数パーセントは、脳が原因となっていることがあります。その場合は急いで受診するほうがいいです。明らかにしびれがあったり、ぱ行・た行・か行が言いにくくなった、もしくは歩く時に足がしっかりしない場合などは、急いでMRIやCTが取れる病院を受診することをお勧めします。

めまいの予防法もわかる範囲で伝えていく

めまい以外の患者さんの訴えで多いものは?

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一般の耳鼻科と同じだと思います。春や秋は花粉症で来られる方が多いです。当院はBスポット療法といって、上咽頭という鼻の奥の扁桃腺に炎症のある患者さんに、塩化亜鉛という消毒液を塗る治療をしていますが、その関係で喉の痛みで来られる患者さんは割と多いです。あと、耳鼻科なので、子どもの患者さんも来られます。自分も育児を経験しているので、ギャーと泣かれても「まあまあ、そこまで怒らないでちょっと見せてね」とか言いながらできるだけ短時間で怖がらせないように心がけています。お年寄りの患者さんは、聞こえが難しい方も多いのでゆっくり話すようにしています。

検査機器の開発に携わったことがあると伺いました。

京都大学大学院時代にめまいの診断機器の開発に携わりました。その機器は2000年に発売され、当院で使っているのはその改良版です。めまいの多くは耳の中にある三半規管や耳石と言った回転・傾きセンサーに原因がありますが、この場合はいろんな頭の位置・動きの時の目の動きを詳細に観察し、解析することが診断に有用です。そのため、眼球の動きを頭の動きと一緒に記録して解析する機器の開発が必要だったんです。もともと機械を触るのが好きで、大学時代にはオートバイの解体屋さんでバイトをし、そこでもらった部品を寄せ集めてオートバイ1台分作るみたいなこともしてました。今まで行ってきた研究や開発にこの「オートバイいじり」の経験がすごく役立ったと思います。今も客員主管研究員として所属している理化学研究所でも、旧式の顕微鏡を分解し部品を集めて「顕微内視鏡」という顕微鏡の解像度が出る内視鏡を作ったりしています。

最後に、今後の展望と読者に向けてメッセージをお願いします。

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めまいに関しては、京都大学付属病院等でのめまい診療の経験を生かし、できるだけこの医院で対応できるようにしていきたいと考えていますので、めまいに悩む方には一度受診を検討いただけたらと思います。また、診療の際には、めまいの原因についてだけでなく、その病気に関しての再発予防法をわかる範囲でお話しするようにしています。例えば耳石のめまいであれば寝方や枕が原因となる場合もあるので、こう変えるといいかもとか、メニエール病であれば、よく言われるストレス以外に水分摂取量が少ないとなりやすいので水分を取りましょうとか、有酸素運動の効果や、睡眠のことなどです。少しでも気になることがあれば、気軽にご相談ください。

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