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船曳 和雄 院長の独自取材記事

船曳耳鼻咽喉科・めまいクリニック

(神戸市灘区/六甲道駅)

最終更新日:2025/02/14

船曳和雄院長 船曳耳鼻咽喉科・めまいクリニック main

JR神戸線・六甲道駅から徒歩4分、六甲本通商店街の中にある「船曳耳鼻咽喉科・めまいクリニック」。船曳和雄院長の父が開業した医院を再開させ、船曳院長の専門であるめまい治療に力を入れている。船曳院長は1990年に京都大学医学部を卒業後、神戸市立中央市民病院を経て、京都大学医学部附属病院の耳鼻咽喉科でめまいの外来を担当。さらに2000年から3年間アメリカに留学するなど、長年めまいについて熱心に研究してきた。その経験を生かし、同院では一般耳鼻咽喉科の診療だけでなく、めまいの専門的な診療も行っている。待ち時間への工夫や専門としているめまいの診療、推奨する「鼻うがい」など幅広く話を聞いた。

(取材日2024年11月27日)

留学、大学病院・研究所勤務を経て、開業医の道へ

これまでのご経歴と、開業に至るまでの経緯を教えてください。

船曳和雄院長 船曳耳鼻咽喉科・めまいクリニック1

1990年に京都大学医学部を卒業後、神戸市立中央市民病院で、2年間研修医をした後に、京都大学医学部耳鼻咽喉科の大学院に入学し、同時に京都大学医学部附属病院のめまいを専門に診る外来を担当し始めました。それから2000年から2003年の3年間、アメリカのカリフォルニア工科大学に留学し、フクロウを使った聴覚の研究をしていました。帰国後は京都大学医学部の研究機関や大阪バイオサイエンス研究所に所属しつつ、京都大学医学部附属病院のめまいの外来を引き続き担当していました。長年基礎研究にも携わっていましたが、当時手がけていた研究が一段落したのをきっかけに、臨床面で専門としていためまい診療中心のクリニックを開業しました。クリニックのマークは、留学時中に慣れ親しんだ関係もあり、視力は低いものの聴力が優れているフクロウにしました。

医師を志したのは、耳鼻咽喉科の医師だったお父さまの影響があったのですか?

父は耳鼻咽喉科、母は産婦人科の医師でした。両方の影響を受けているとは思いますが、医師を志したのはどちらかといえば、母からの影響のほうが強いかもしれません。父は私が小さな時から医院を継いでほしかったようですが、実際に継いだのは父が亡くなって数年たってからでした。きっとどこかで見ていて、喜んでくれているとは思います。医師自体は良い仕事だとずっと思っていましたし、患者さんとおしゃべりするのも好きなので、自分に合っている職業と思います。実際に医師になってからは、父から「自分の都合で勝手に休むな」とよく言われていました。父は病気をした時も休みは最小限に抑えてましたし、勉強会に参加するための休み以外、勝手な休みは取らないようにしています。

待ち時間への工夫などはされていますか?

船曳和雄院長 船曳耳鼻咽喉科・めまいクリニック2

ありがたいことに多くの患者さんにお越しいただき待ち時間が発生し、ご不便をおかけしています。特にめまいの専門診療は時間がかかりますし、長時間お待ちいただいたのに診療は数分というわけにもいきません。その日のうちにある程度、結論を出すことをめざして丁寧な診療を心がけておりますので、待ち時間についてはご容赦いただければと思います。現在、午前は9時15分、午後は15時15分の開院に合わせてお並びいただく方法と、再診の方は午前は9時30分から、午後は15時30分からオープンするウェブ予約システムの2つの手段があります。お並びの方は順次、ウェブ予約の方は9時30分までに現地で受付の済まれた方の診察が終わる10時30分から11時頃から診察が始まるのが一般的です。どちらの場合も受付後はスマホ等で診察の進行状況が確認できますから、ご自身の順番が来るまでお茶やお食事、お買い物など外出していただくことも可能です。

めまいはその原因を見分けることが大切

めまいの診療とは、どのようなことをするのですか?

船曳和雄院長 船曳耳鼻咽喉科・めまいクリニック3

まず問診をして、患者さんにいろんなことを聞いていきます。ぐるぐるめまいなのか、フワフワめまいなのかや、めまいの続いた時間、あるいは起こった時間帯、また、めまいが起こる前に何をしていたのか、生活や仕事の状況などもわりと根掘り葉掘り伺います。そうすると可能性のある病気が2、3個見えてくるんですね。その後、一つ一つの病気の可能性を調べるため検査をして選り分けていく作業をします。ここまででも結構時間がかかります。だいたい初診で30分くらいはかかりますね。めまいは、実はその原因によって大きく治療法が異なるので、その原因を特定するのはとても大切です。最も重要な検査は、真っ暗な状態でのいろんな頭の位置、動きのときの目の動きを詳細に分析することです。

めまいの原因について教えてください。また、予防策はありますか?

めまいの原因の6割から7割は、耳石(じせき)によるものだといわれています。傾きを感知する役割を担う耳石が三半規管に引っかかってめまいが起こります。その場合はじっとしていたらめまいが止まることが多いので、そんなに深刻に考える必要はありません。耳石が三半規管に入らないように、三半規管に入り込んだ耳石が固まらないようにすることが大切です。具体的な予防策は、耳石が三半規管に入る確率を低くするために「枕を高くする」、耳石が入った場合も塊をつくらせないために「起床時に、耳石を散らすように数回寝返りを打ってから立ち上がる」ほか、読書や裁縫など長時間一定の姿勢を取る場合は「首や肩を回すなど軽い運動を定期的にすること」です。

重篤な病気が隠れているめまいもあるのでしょうか。

船曳和雄院長 船曳耳鼻咽喉科・めまいクリニック4

耳石によるめまいのほかには、メニエール病や前庭神経炎、また片頭痛や肩凝りからくるものもあります。全体の数パーセントとわずかながら、脳が原因となっているめまいも存在します。その場合はすぐに受診していただかねばなりません。明らかにしびれがある、ぱ行・た行・か行が言いにくい、もしくは歩く時に足がしっかりしない場合などは、急いでMRIやCTのある病院を受診することをお勧めします。特に初めてのめまいや糖尿病・高血症圧・高脂血症などがある場合は、脳が原因の可能性もあるので特に注意が必要と思います。

「自分が受けたい、家族に受けてほしい医療」を基準に

診療において心がけていることは何ですか?

船曳和雄院長 船曳耳鼻咽喉科・めまいクリニック5

自分が受けたい、あるいは自分の家族に受けてもらいたいと思う医療をと考え、それを実践すると診療の道筋がおのずと見えてくる気がします。例えば検査一つとっても「その検査の結果で治療方針が変わるかどうか」で判断することで、本当に必要なものが決まってくるんです。実はアメリカ留学中に私の子に病気が見つかり、長期間アメリカの病院に入院していたことがありました。その時の「患者とその家族」の経験が今の診療に大きく影響していると思います。

「鼻うがい」を推奨されていると伺いました。

花粉症や、風邪・インフルエンザなどの感染症で来られる方も多い当院では、「鼻うがい」をお勧めしています。鼻の奥にある上咽頭にはウイルスなどが集結し、体内から出される白血球と「合戦」を展開しています。ウイルスが優勢になって体内に入り込めば感染してしまう状況を、鼻うがいという大洪水を引き起こし流してしまうのです。その結果、ウイルス数は激減し、体内から補給される白血球に数で負けるので、感染予防につながるというわけです。鼻うがいが新型コロナウイルス感染症の重症化を防ぐのに役立つというアメリカからの論文報告もあり、鼻うがいは風邪予防にも有用な習慣であると思っています。ネット通販で購入できる器具と、体温に近い温度で体液と同じ浸透圧である0.9%の塩分濃度の食塩水を用意すれば痛みはほぼないので、7歳くらいのお子さんでもできる場合もあります。入浴時にシャワーのお湯を使えば温度調節も楽です。

読者へのメッセージをお願いします。

船曳和雄院長 船曳耳鼻咽喉科・めまいクリニック6

私は京都大学大学院時代から、めまいの診断機器の開発に携わってきました。当院で2020年に導入し、めまいの診療に活用しながら改良を進めてきた機器は、このほどようやく発売されました。目の動きを記録・波形として見られるという特性がある機器を用い、丁寧な診察を心がけています。京都大学医学部附属病院などでのめまい診療の経験も生かし、できるだけこの医院で対応できるようにしていきたいと考えていますので、待ち時間がかなり長いのは申し訳ありませんが、めまいに悩む方には受診を検討いただけたらと思います。また、上咽頭の炎症に対するBスポット療法も行っていますのでご相談ください。

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