高須 博 院長の独自取材記事
西大沼皮フ科クリニック
(相模原市南区/相模大野駅)
最終更新日:2021/10/12

相模原市南区西大沼に広がる静かな住宅街。道路沿いにかわいらしい親子亀の看板が目に入った。「西大沼皮フ科クリニック」だ。小田急線相模大野駅やJR横浜線古淵駅などからクリニック近くの停留所までバス便が出ているが、20台ほどの専用駐車場も備えており、車での通院も可能となっている。院内はグリーンをアクセントにしたクリーンなインテリア。待合室にはカウンターコーナーやパウダールームも用意されている。26年にわたり北里大学病院とその関連病院に勤務してきた高須院長が、同院を開設したのは2016年。築き上げてきた信頼を還元し、より地域医療に貢献するため北里大学病院至近での開業を決めたという。「何でも相談できる、ごく普通の皮膚科医師が目標」と語る高須院長に、その思いを聞いた。
(取材日2018年3月13日)
オールラウンドな診察と、大学病院レベルの治療を追求
まだ新しいクリニックのようですね。

2016年に開業いたしました。私は大学卒業以来、26年間にわたって北里大学病院とその関連病院に勤務し、主に「ほくろのがん」と呼ばれるメラノーマ(悪性黒色腫)を中心に診断、治療を担当してきました。そんな中で、より幅広い皮膚科診療で地域に貢献することができないかと医院開業を模索し、これまで築いてきた信頼関係を生かすことができるよう、北里大学病院の近くであるこの場所に「西大沼皮フ科クリニック」を開業したのです。
貴院の診療について、特色があれば教えていただけますか?
とにかく、皮膚に関わることであれば、オールラウンドに診るというのが一番の特色です。乾燥肌からニキビ、アトピー性皮膚炎、イボ、水虫、爪水虫など、赤ちゃんから大人、ご高齢の方まで、幅広い層にいろいろなご相談をいただいています。そんな中で、できる限り設備を充実させ、大学病院とほぼ同じレベルの治療をご提供することをめざしています。大学病院の皮膚科診療は午前中だけと時間が限られていたり、長い待ち時間が発生したりと、患者さんのご負担が大きいもの。当院のようなクリニックで大学病院レベルの治療をご提供できれば、患者さんの通院負担を軽減するのはもちろん、大学病院への患者の集中を抑え、高次医療機関としての本来の機能を十分に発揮させることができるようになるのです。
大学病院との連携も密にとられているのでしょうか?

もちろんです。私は現在でも週に1度大学病院での診療を担当していますし、連携はスムーズです。当院にいらした患者さんで皮膚がんなどの重篤な病気の所見が見られた方は、速やかに大学病院にご紹介します。逆に、大学病院から当院へイボなどの患者さんをご紹介していただくことも。よく地域連携と言いますが、その連携がクリニックから地域の基幹病院への一方通行になってしまっては、基幹病院の負担を重くし、地域医療のスムーズな運営を妨げるもとになってしまいます。高次医療機関の診療を必要としないレベルの患者さんは、当院のような地域の開業医でお引き受けする流れも、地域医療の拡充において欠かせないものであると思います。
幅広い治療の選択肢を提供する、充実の医療機器
「大学病院レベルの皮膚科診療」とは、具体的にどのようなものなのでしょうか?

これまでの経験を生かして見逃されがちな疾患を逃さない診察ができることはもちろんですが、設備の充実にも注力しています。Qスイッチルビーレーザーやイオントフォレーシス装置、ナローバンドUVB(紫外線治療器)など、一般的な皮膚科医院では導入していないことも多い医療機器も取りそろえているのです。こうした機器を使った診療では、大学病院では保険の関係で行うことの難しい施術もご提供することができています。自費診療と保険診療の両方で、患者さんに本当に必要な施術を見極めて、きめ細かく対応できることも当院のような開業医の強みであると思っています。
院長のご専門は「ほくろのがん」とのことですが、開業以来そのような患者さんがご来院されたことは?
あります。開業から2年弱ですが、これまで2人ほどの患者さんに「ほくろのがん」が見つかり、大学病院にご紹介したことがあります。患者さんは水虫の治療など別の用件でご来院されたのですが、偶然病気を見つけることができました。残念ながらメラノーマは自覚症状があまりないがんで、予後もよいとは言えないがんです。気がかりがある方は、ご相談だけでも気軽にご来院いただければと思います。
診療は予約制なのでしょうか?

悩んだ部分ではあるのですが、継続治療が必要な患者さんを中心に、予約制は導入しています。とはいえ、完全予約制ではありませんので、予約外でご来院された方も来院順で診させていただいています。インターネットで予約を取ることのできるシステムを導入しているので、アプリケーションや院内のパネルで待ち時間などもご確認いただけます。患者さんの待ち時間を少しでも短縮するために、診察室は2つご用意して、両方を私が行き来する形で効率的に診療しています。
患者の悩みに向き合う医師に、気軽に相談してほしい
院内のインテリアやロゴマークなどでこだわった点を教えてください。

とにかく緑色が好きで、自分のクリニックではグリーンをアクセントに使ったインテリアをと考えました。ロゴマークは親子の亀がモチーフなのですが、これは親亀が子亀を導くように、患者さんを良い方向へと導けるようにとの思いを込めています。注意深くご覧いただくと、親亀の甲羅に私のイニシャルが隠されているのでぜひ探してみてください。院内で一番こだわったのは診察室の机で、オーダーして作ってもらいました。よく「最近の医者はパソコンの画面ばかり見て患者を見ていない」といわれることがありますが、電子カルテの入力にはどうしてもディスプレイに向き合う必要があります。そこで、ディスプレイを見ながら同時に患者さんにも対面できる角度の机を作ってもらったのです。また、座っている時間が長い職業でもありますので、椅子にもこだわりました。
お忙しい毎日だとは存じますが、休日はどのように過ごされていますか?
神奈川県皮膚科医会や大学医学部の同窓会で役員を務めていることもあって、休日とはいえ会議や会合で出かけることが多くなっています。それでも時間が見つかれば、車のプラモデルを作ったりして気分転換をしていますね。
今後の展望について教えていただけますか?
開院以来、紫外線治療器を2台に増やしたり、イオントフォレーシスを新規導入したりと徐々に設備も充実させたことで、現在の設備には満足しています。これらの設備を生かして、現状の地域に貢献できる皮膚科診療を続けていきたいです。さらに、現在の目標としては、この秋にでも褥瘡(じょくそう)の勉強会を開催したいと考えています。いわゆる床ずれですが、介護従事者の中にもその予防や対処法について十分な知識をお持ちであるとは言えない方もいらっしゃるようです。皮膚科を専門とする医師の立場から、看護師や介護士を対象として、知識を身につけていただく場を設けることは、超高齢社会を迎えるにあたり意義のあることではないかと思っています。
読者に向けて、メッセージをお願いします。

ニキビケアやアトピー性皮膚炎の対応など、間違った知識で症状を悪化させてしまう方は意外に多くいらっしゃいます。インターネットなどに情報はあふれていますが、中には間違った情報もあります。皮膚のトラブルは、ぜひ皮膚科専門の医師にご相談いただきたいと思います。当院では皮膚に関わるトラブルであれば小さなことから何でも気軽にご相談いただけます。ぜひご活用いただければと存じます。
自由診療費用の目安
自由診療とはQスイッチルビーレーザー/1cm 5000円
※詳細はクリニックにお問い合わせください。