苦痛や負担の軽減に努める
胃と大腸の内視鏡検査
渋谷胃腸クリニック
(渋谷区/渋谷駅)
最終更新日:2021/10/12


- 自由診療
いわゆる胃カメラ、大腸カメラは、以前は苦痛を伴うイメージがあったかもしれない。だが近年は、機器の進化もめざましく、患者の負担を軽減しつつ、精度にこだわった検査が行えるようになってきているという。いずれも、がんの早期発見・治療に役立つだけでなく、ストレス社会で増えている逆流性食道炎といった疾患の発見・観察につながったり、ポリープが見つかった場合には、状況に応じてその場での処置も可能だったりと、メリットの多い検査となっている。そんな胃と大腸の内視鏡検査について、「渋谷胃腸クリニック」の院長を務める後藤直樹先生に詳しく聞いた。
(取材日2019年9月13日/更新日2021年8月23日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q胃や大腸の内視鏡検査はどういう人に必要な検査ですか?
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A
食道から胃、十二指腸、大腸の壁を直接観察する検査ですので、それぞれのがんの早期発見にはたいへん役立ちます。がんの家族歴のある方や、欧米型の食生活、喫煙習慣などで健康に留意したほうがよい方には、ぜひ年に一度は受けていただきたいと思います。毎年同時期に受けるのを習慣にされるとよいでしょう。また、内視鏡検査は「あの病院は苦しくないらしい」など評判を聞くと、そちらで受けてみたいとなりがちですが、経年変化が診断にも影響を及ぼすため、同じ医療機関で検査を受け続けられることをお勧めします。当院では、内視鏡を通しながらの撮影箇所を厳密に同じ位置で行うことを心がけ、より精度にこだわって比較検討を図っています。
- Q経口内視鏡、経鼻内視鏡の違いは何でしょうか?
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A
胃の検査では、内視鏡の挿入を口か、鼻から行います。ファイバースコープを鼻から挿入する場合は、舌が押されないので、「おえっ」とする嘔吐反射が起きにくく、検査中でも医師と話すことが可能です。そのため、当院では経鼻内視鏡を基本としていますが、女性などで鼻の穴が小さく、ファイバースコープを通しにくいケースでは、経口内視鏡をお勧めすることもあります。口から挿入する際は、つらさを軽減させるため、点滴の鎮静剤を使うことをお勧めしています。ごく軽いもので、意識がある状態で検査ができ、医師とともにカメラの映像を見ることもできますので、怖がる必要はありません。
- Q貴院の内視鏡検査の特徴を教えてください。
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A
特殊光を用いて、より詳細な観察を行っています。特殊光により、粘膜の表面に現れにくい血管などの病変を映し出しやすくする方法で、がん細胞に栄養を補給する血管の様子や細胞の異常などを早期に発見することに役立ちます。また、大腸の検査では通常、大腸の壁を刺激しないように空気を送り込みながらファイバースコープを挿入しますが、それだと張りを感じ、苦しいものです。そのため当院では、無送気で腸を真っすぐたたみながら、腸を伸ばさずに挿入しています。そのほか、胃と大腸の両方の内視鏡検査を同日に行うことや、女性医師による内視鏡検査にも対応しています。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1大腸検査は、事前受診後、自宅で下剤服用
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大腸の内視鏡検査では大腸を空にする必要があるため、事前に問診を受け、その際に検査当日の流れについて説明を受けるとともに、腸内洗浄のための下剤を受け取る。前日の夕食は決められた時間までに終え、以後は検査終了まで水分摂取以外は控える。当日は検査の5時間前からを目安に、数回に分けて2リットルの下剤を自宅で服用。腸内がきれいになった状態で予約時間に合わせ来院。必要に応じ、さらに下剤や座薬を使用する場合も。
- 2胃の検査は、当日の受診のみ
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電話などで検査の予約をし、前日の夕食は決められた時間までに取る。消化されやすい食事が推奨され、野菜やキノコ類など繊維質の多いものは控える。また、内服している薬が検査に影響を及ぼす場合もあるため、問診票には必ず記載しておく。経鼻内視鏡の場合は前処置として、鼻にスプレーを数回行い、鼻出血や疼痛に備える。経口内視鏡の場合は、ゼリーの麻酔薬を口に含み、喉の奥をしびれさせた状態で検査を行う。
- 3内視鏡検査を開始
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検査の際は希望に応じ、痛みやつらさの軽減を目的に点滴の鎮静剤を用いるが、意識はあるので、カメラの映像を医師とともに見ながら進められる。検査中に病変が見つかるなどがなければ、所要時間は胃で10分、大腸で20~30分程度。胃の検査は、胃炎や潰瘍、胃がんの発症との関連性が指摘されるピロリ菌の診断にも役立つ。大腸にポリープが見つかった場合は切除を図り、組織検査に出す。
- 4内視鏡検査結果の説明
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鎮静剤を使った場合は、ふらつきなどの影響が解消するのに約1時間かかるので、リカバリースペースや待合室で結果説明を待つ。胃・大腸とも、内視鏡検査の結果は当日聞くことができる。診察室で実際の画像を見ながら、解説が行われる。また、定期的に検査を受けている場合は、以前の同じ箇所の画像とも比較し、説明を受ける。当日に大腸ポリープの切除を図った場合、1週間ほどは飲酒や運動を控えるなどの指導がされる。
自由診療費用の目安
自由診療とは上部内視鏡検査/1万6500円~、下部内視鏡検査/1万7500円~