黒住 琢磨 院長の独自取材記事
黒住歯科医院
(大阪市中央区/天満橋駅)
最終更新日:2021/10/12
京阪本線天満橋、または大阪市営地下鉄堺筋線・北浜より徒歩約5分の場所にある「黒住歯科医院」。同院では、患者の不安軽減、治療を受けた患者に満足してもらうことを信条に診療が行われている。プライバシーが守られる完全個室の診察室や、入念なカウンセリング、動画を用いた治療説明、しっかりとした衛生管理、これらはすべて、患者の安心と満足のために用意されたものだ。また、歯科用CTなどのデジタル診断機器も充実している。今回の取材では、院長である黒住琢磨先生に、診療に懸ける真摯な想いや、クリニックのこだわりなど、オフィシャルからプライベートに至るまで、さまざまな話を聞いた。
(取材日2017年6月20日)
一番大切なのは患者との信頼関係
診療方針や、診療の際に心がけていることはありますか?
歯科医院に来院する患者さん、特に初めての方は、大きな不安を抱えていらっしゃるものです。当院ではまず、患者さんの不安を解消するため、患者さんの現状や今後の治療方法について、しっかりとカウンセリングを行います。長い場合はカウンセリングに30分お時間をいただくこともあります。患者さんと歯科医師の間に信頼関係があるのとないのでは、患者さんの満足度に大きな違いがあります。やはり来院してくれた患者さんには、「この医院で治療を受けて良かった」と満足していただきたいですから、患者さんの不安を軽減する、信頼関係を築く、という点は常に心がけています。
特に注力している治療や検査について教えてください。
注力しているのは、予防です。虫歯や歯周病というのは、ある意味生活習慣病ですから、患者さんの生活習慣や口腔内の特徴をしっかりと把握したうえで、ケアをした方がより効果的です。当院では歯科衛生士が継続的に患者さんのケアができるよう、担当制を採用しています。また、私が心がけているのは、大学では補綴学を専門としていましたが、かぶせ物に頼りすぎる治療をしないことです。補綴が得意な先生は、つい何でもかぶせ物で治療をしがちですが、かぶせ物をするためには虫歯以外の歯も多く削らなくてはなりません。詰め物で済ませるのか、かぶせ物にするのかの見極めが大切です。
施設や設備面でのこだわりについて教えてください。
当院では、歯科用CTやデジタル診断機器に力を入れています。歯科用CTの一番のメリットは従来のレントゲンに比べて被ばく量が少なく、画像もきれいなので精度の高い診療も可能です。さらに、患者さんがどのような治療を受けるのかをご自身でしっかりと理解できるよう治療説明動画ソフトを導入し、それを各診察室に設置してある大型のモニターでご覧いただいています。治療内容は言葉だけで説明されても伝わりにくいものですが、映像を合わせて見ることで患者さんの理解も深まります。モニターには、治療説明動画の他に患者さんの口腔内の写真レントゲン結果なども表示します。また、診察室はすべて個室です。実際に、診察室が個室だから当院を選んだという患者さんもいらっしゃいます。
若い世代こそ、きちんとした治療とメンテナンスを
なぜ中央区北浜で開業を?
オフィス街で開業することにしたのは、新大阪でインプラント治療を学んだ経験からです。新大阪での患者さんは比較的若い世代のオフィスワーカーが多かったのですが、日本では歯を定期的にメンテナンスするという考え方が、若い人の間でもまだ定着していません。それどころか、仕事が忙しく、なかなか歯の治療ができない、または中途半端な治療で終えている場合も多くあります。そういう状況を放置していると40代50代になったとき、一気に状態が悪くなってしまいます。ですから、そうした若い世代にしっかりとした歯科医療を提供したいという思いがあり、ここ北浜で開業しました。
患者層や主訴に何か特徴はありますか?
この辺りは、優しくて人の良い方が多いです。また、オフィス街であると同時にマンションなどが増えてきているので、ファミリー層も多くなっています。一番多いのは30~40代の患者さんですね。一般的に、院長の年齢のプラスマイナス10歳が、その医院の患者層になってくると言われています。患者さんも医師と年齢が近いほうがいろいろ話しやすいのかもしれませんね。治療目的の患者さんと、予防目的の患者さんの割合は4対6ぐらいです。予防目的の患者さんが少し多く感じます。
歯科医師をめざしたきっかけは?
父が歯科医師で、自宅と診療所を兼ねていたので、父が患者さんを診察する姿を日常的に見ていました。自然と歯科医師という仕事に興味を持つ環境だったと思います。ただ、高校で進路選択したときは、建築にも興味があったので、歯学部か工学部かで最後まで悩んだことを覚えています。結局歯学部を選択しましたが、もし両親から「実家のクリニックを継げ」とか、「歯科医師になれ」とうるさく言われていたら、反抗して、かえって歯科医師という道を選ばなかったかもしれません。黙って見守ってくれた父の懐の深さが、今になってわかります(笑)。
欧米では、歯の定期健診は学校で習うくらい普通のこと
将来の展望についてお聞かせください。
やはり、歯のメンテナンスに力を入れていきたいと考えています。欧米では、定期的に歯のメンテナンスを行う必要性を、学校できちんと習います。ですので、みんな当たり前に定期検診に通います。しかし、日本ではまだ「なんで痛くもないのに歯科医院に行かないといけないの?」という人が多いですね。そうした患者さんたちの意識を、少しずつ変えていくというのも、私たち歯科医師の仕事だと思っています。そのための情報発信なども、できる範囲で行っています。例えば、当院の前に設置している黒板では、歯ブラシの使い方や、海外での歯科治療にかかる費用といった豆知識を、イラスト付きで発信しています。黒板の書き換え頻度は1~2週間に一度くらいなんですが、わりと見てくださっている方も多いようで、更新が遅れると催促されることも(笑)。また黒板の内容は、写真に撮ってSNSでも発信しています。
休日の過ごし方を教えてください。
娘が3人いるので、休日は娘達と一緒に過ごしています。一番上の子はもう中学生なので徐々に自立が始まり、一緒に過ごす時間が少し減ってきました。女の子はいろいろと複雑で繊細ですから、難しい面もありますね。私自身は男ばかりの4人兄弟の長男で、弟たちの面倒もわりと見てきたので、男の子の扱いならよくわかるのですが、女の子はいまだに難しいなと思うことが多いです。しかし、それでもうまくやっていけるのは、やはり妻のサポートのおかげです。父と子の関係は、母親が父親をどのように扱っているかでかなり変わってくると思います。母親の子どもへの影響力は絶大ですから。妻にはいつも本当に感謝しています。まだ子どもが小さいので、なかなか難しいですが、たまには妻と2人で過ごす時間もほしいですね。
読者に向けて、メッセージとアドバイスをお願いします。
50~60代の歯や歯茎のコンディションは、30~40代のメンテナンスで決まってきます。やはり将来の健康なお口のコンディションのためにも、定期的なメンテナンスをお勧めします。私自身も3ヵ月に一回は必ずクリーニングを受けていますし、日常的なケアも、ブラッシングだけじゃなく、糸式ようじなど補助的なアイテムを使用して入念に行っています。若い方は歯間ブラシなどはまだ入らないと思いますので、糸式ようじを使うのがお勧めですよ。