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渡辺 徹也 院長の独自取材記事

ゴゥ クリニック

(大阪市中央区/天満橋駅)

最終更新日:2020/04/01

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「ゴゥ クリニック」は、天満橋駅から徒歩3分の場所にあり、内科・神経内科・心療内科を標榜し、総合内科、プライマリケアといった総合的な医療を行っている。院長の渡辺徹也先生は、日本内科学会認定総合内科専門医や、日本神経学会神経内科専門医などの資格を持ち、複数の科で豊富な診療経験を持つドクター。医学以外のさまざまな分野にも造詣が深く、豊富な知識や情報を、患者とのコミュニケーションに役立てている。「病気の要因は一つとは限らない」という考え方から、投薬のほか、生活環境の改善など、多角的なアプローチが持ち味。忙しい日々の中、新しい知識の習得に励む渡辺先生に「総合的な医療」をめざすに至ったこれまでの経緯について話を聞いた。
(取材日2017年5月22日)

病気の原因は一つだけとは限らない

どのような患者さんが多いのでしょうか。

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2016年1月に現在の場所に移転し、移転前から通われている患者さんも多いのですが、ホームページをリニューアルしてから、神経内科的な疾患、特に頭痛を訴える方が多く来院されています。例えば、頭痛の原因はさまざまで心療内科的な症状が引き金になっていることもよく見られます。心療内科に行くのには抵抗があるという方でも、抵抗感少なく通っていただいているようです。最近は、糖尿病、高血圧などの生活習慣病や認知症、パーキンソン病などの高齢者の疾患の方も来院されています。当院は内科・神経内科・心療内科の分野で専門性の高い総合的な医療を心がけています。

大学から神経内科に進まれたきっかけはありますか?

もともとは精神科に進もうと考えていました。ただ、精神科でも身体面のケアはとても重要であると感じていました。当時は認知症と診断される患者さんでもCT検査などで詳しく調べてみると正常圧水頭症にかかっていることがわかり、手術で治癒が見込める患者さんも少なくありませんでした。今でも認知症と間違えられている疾患は多いのではと感じていますが、そういう患者さんを複数診ているうちに精神科だけではなく他の科に関する分野についても学んで包括的にきっちりと診療していきたいという気持ちが出てきました。

プライマリケアをめざされたのも、その頃からでしょうか。

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そうですね。神経内科や心療内科でいろんな症状を診ていくうちに、1つの科だけで診ることが難しいという症状に何度も遭遇し、複数の診療科の視点から広い視野で診断していかなくてはいけないと感じました。例えば神経内科では、パーキンソン病などを除いて治りにくい疾患が多いので、診断した時点で神経内科の医師が治療に携わる役割が減り、長期にわたる入院や治療となると血圧や糖尿病など内科的なアプローチを求められる場面が増えてきます。そのとき、内科全般の幅広い知識を身につける必要性を感じ、大学院を出てから日本内科学会認定総合内科専門医を取得いたしましたが、診断を下すにあたり多くの分野の知識があることは本当に役立っています。病気の原因は1つとは限りません。複数の要因が影響していることも多々ありますからね。

安易に病気だと診断せず多様な側面から改善につなげる

診療にあたって心がけていることはありますか?

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特に心療内科の疾患は、医師の一言で簡単に「病気」になり得ますし、患者さん自身が病気へと追い込んでいる場合もあります。ご家族が病気だと決めつけて来院されることもあります。認知症ではなく物忘れなど老化現象の範囲内であると診断しても納得されなかったり、お子さんの様子がおかしいと来院され診察しても悪いところはなく、単に親御さんの過干渉が原因だったりということもあります。「病気」だと診断されると安心する面があるんです。例えば、手が震える、電車に乗れないといった症状の方に、安静にしてくださいと伝えるか、症状とうまく付き合いながら日常生活を送りましょうとアドバイスするかが「病人」となるかどうかの分かれ道になります。安易に病気だと診断せず、原因を探り、あらゆる側面から症状を診て改善につなげるよう常に心がけています。

心療内科的な診断は難しい面が多くあるのでは?

まず、懸念されるのは、初めに病名ありきの病名診断治療が多いのではないかということが挙げられます。特に心療内科などのメンタル疾患を扱う領域ではこの傾向が著しいのではないかと思われます。例えば、子どもだけでなく大人になってからの発達障害も診断事例が多すぎるようにも感じます。社会に出ると融通が利かないことも増えてきて、緊張する場面も多いですし、失敗もあります。そういうときに発達障害の症例を読むと、誰だって何かしら当てはまるところはあると思うんです。最近ですと社交不安障害というものもよく聞かれます。周りから言われて自分もそうではないかという気持ちになる。そういう状態で医療機関に行って、病気だと診断されて薬を出されてしまう。仕事でミスをしてしまったことなどによる軽い「うつ状態」でも、正式なうつ病であると診断されて投薬されると「患者」となってしまうんです。

薬を出すかどうか、適切な投薬の判断も重要なんですね。

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新しく開発された薬剤には効果が期待できるものもありますが、副作用も大きいものもあります。一方で、昔からある薬にも効果的といわれる薬が多くあり、うまく組み合わせて薬効の発揮につなげるものもあります。また、疾病によっては高齢者の減薬が適しているという薬剤もあります。糖尿病など長期的な投薬や治療が必要な患者さんも多く、薬の費用的負担も重くのしかかってきますが、日常生活の改善や薬の組み合わせで快方に向かわれる方もたくさんいます。また、総合内科の観点からも、漢方なども含めて患者さんにとってなるべく負担が少ない、適した投薬を行っています。医学の進歩で良い薬はたくさんできています。一方で患者さんに適した処方が施されていないこともありますので、まずは相談していただきたいです。

本当に治療が必要な患者をもっと救いたい

先生は、どうして医師をめざそうと思われたのでしょうか。

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幼少時に通っていた病院の医師がとても面白い先生で、病院へ行くのが楽しくて純粋に憧れたのがきっかけです。精神科に興味を持ったのは高校生の頃。また、イギリスの探偵小説に出てくる主人公に憧れたのがきっかけです。作者のアーサー・コナン・ドイルが医師だけあって、その洞察力の鋭さはどんな医学入門書でも勝てないと思っています。主人公である探偵が謎解きをする過程は、精神科の複雑な疾患を解明していく過程ととても類似していると感じました。また、僕は文学や歴史が好き。精神科というのは文系的側面がとても大きいと考えています。検査結果の数値などで割り切れない部分が非常に多い。実際、精神科の医師には文系的な人が多いと思います。医学部という理系分野に置かれていること自体おかしいのではないか、文系の領域にすればいいのにとさえ感じます。

医学領域以外で、多くの分野で学位や資格をお持ちだとか。

分野領域を問わず、資格と呼ばれるものを200個ほど持っています。医師になってからも、1ヵ月教育実習に通い小学校の教員免許も取得しています。医療以外の知識が仕事に役立つこともあって、例えば児童心理学で学んだことは診療に生かせていますし、診断に有効となる側面も多々あります。医師になってからもずっとどこかの学生でいて、今も大学の通信教育部に在籍しています。スクーリングや卒業論文などは、それなりに大変ですが、資格取得や大学通学はこれからも続けていきたいと思っています。雑学が好きで、テレビのクイズ大会にも出たこともありましたが、たとえ趣味的な分野でも、そのときに得た知識や情報、話題などが、臨床的や患者さんとのコミュニケーションに非常に役に立っていると思います。

今後の展望を聞かせてください。

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今は医師としてやりたかった診療、プライマリケアが実践できる環境にいて、とても恵まれているなと感じています。開業3年目で軌道に乗り始めたこともあり、今後は、高齢者の認知機能やQOL改善のリハビリテーション、リワークや不登校児のケアなどのデイケアサービスを充実させていくことを目標としています。一方で、総合内科、プライマリケアとして総合的な医療を行うには、クリニックとしてはまだ過渡期の段階だといえるかもしれません。診療が必要な患者さんも多くいますが、一方で患者さんに病気ではないと告げるだけで改善につながる症例もたくさん診てきました。そういう方々をもっと救えるように努めていきたいですね。

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