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志田 崇 院長の独自取材記事

しだ内科・消化器クリニック

(白井市/西白井駅)

最終更新日:2021/10/12

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西白井駅より徒歩9分の地に位置する「しだ内科・消化器クリニック」。内科と消化器内科を診療するクリニックで、中でも苦痛を感じにくい内視鏡検査を得意としている。院長の志田崇先生は消化器外科出身。前職のJCHO船橋中央病院時代に多くの内視鏡手術、腹腔鏡手術を担当し、内視鏡や手術指導の依頼が県外からもあったという。抗がん剤治療を含む消化器がん患者のケアの経験も豊富だ。専門的な医療を手がけ充実した毎日を送っていた志田先生が、地域のかかりつけ医をめざし開院したのはなぜなのか。技術と経験をバックグラウンドに地域医療に貢献しようとする熱い想いを聞いた。

(取材日2018年7月26日)

多くの手術を手がける一方で患者との距離が離れていた

開院のきっかけを教えてください。

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以前はJCHO船橋中央病院の外科部長、内視鏡センター長として勤務していまして、かなりの件数の内視鏡手術、腹腔鏡手術を手がけていました。ところが、日々モニターに向かった手術ばかりしているうちに、患者さんとの距離が次第に離れてきているのではないかと気づいたんです。というのは、たまたまよく知っているはずの患者さんのお名前が出てこなかったのですね。その方の内視鏡の画像は頭に浮かぶにも関わらず、です。ショックでしたね。自分は病気だけを診て病人を診ていないのかもしれない、それでは寂しいと思い、地域密着型で患者さんや家族の想いに寄り添う医療をめざして開院しました。

周りからは惜しまれませんでしたか?

「まだ早いのでは?」「他人には難しいような手術をしているのになぜ?」などと言われましたけれども、自分が医者になった原点を思い返すとやはり、アットホームで患者さんとの距離が近い地域医療を展開したいという想いが募りました。当院では専門である内視鏡検査に限定するのではなく、さまざまな症状の患者さんを診察しています。風邪や糖尿病、脂質異常症、高血圧などの内科疾患はもちろんのこと、皮膚がかゆい、骨折疑いなどでも相談に来られます。加えて、内視鏡検査も毎日数名は行っています。また、がんの患者さんで最期を自宅で過ごすべく退院されてきた方のサポートをすることもあります。開院してもうすぐ丸3年。微力ながらも地域に貢献できている実感がある毎日です。

先生はどういうご経験をされてきたのでしょうか?

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千葉大学医学部卒業後、同大医学部附属病院の第一外科に入りました。研修医時代に勤務した病院は外科の医師がオールラウンドに対応するところが多く、さまざまながんについて手術だけでなく、検査や術後管理、内科的な抗がん剤治療や終末期の緩和医療を一通り学ぶことができました。その後進んだ大学院では病理学、がんの遺伝子の研究を。それまで大腸内視鏡の技術向上に努めてきましたが、技術を患者さんの治療に生かすためにはがんの学問的研究が必要だと感じたからです。そして、千葉大学臓器制御外科の内視鏡主任を2年務め、より手術に取り組める環境を求めて船橋中央病院に転じました。35歳くらいの時のことです。当時は腹腔鏡手術や内視鏡手術が発展しだした時代。院長や上司が理解のある先生方で、新しい手術にチャレンジすることができました。

胃や大腸の内視鏡検査はスピーディーで的確に

内視鏡を軸にさまざまな分野を経験されてきたのですね。

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そうですね、専門とするのは内視鏡、腹腔鏡ですが、最初に入局した千葉大学の第一外科は、消化器外科のほかに乳腺外科や心臓外科があっていろいろなことが学べました。また、当直では救急患者を受け入れますので、外科以外のあらゆる疾患に対応し見極める目が養われたと思います。クリニックでは専門外も診る必要がありますから当時の経験が役に立っていますね。今も、総合内科の先生が読むような本は目を通してしっかり勉強しています。また、自分が見てどうもこの症状は変だなと思う場合には、大げさかもしれませんけれども大学病院や総合病院に紹介するようにしていて、自分のクリニックで治療しようと引っ張ったりはしないようにしています。

クリニックでの内視鏡検査について具体的に教えてください。

めざすのは大学病院やがんセンターと同水準以上の検査です。まず、内視鏡の機械は先端のもので、モニターも画質ができる限り良いものを選んでいます。どんなに技術を磨いても、機械が古くては病変を見つけにくくなってしまいますので。例えば、大腸内視鏡検査の場合、盲腸まで2分で入れて、観察に7~10分くらいかけるのが僕のペース。盲腸まではできるだけ痛くならないようにかつ短時間で入れるスピーディーさと、病変を見落とさない正確さの両立が重要です。僕は若いうちに技術を磨けたので、今は還元する時期に来ているのでしょうね。万一ポリープが見つかった場合、内視鏡で根治をめざせてかつ出血のリスクが少ないと判断したものはその場で切除しています。入院が必要な場合は船橋中央病院で私が手術するか、信頼できる先生に紹介しています。

先生はなぜ内視鏡を極めようと思われたのでしょうか?

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内視鏡検査は下手だと患者さんに多大な苦痛を与えるんですよ。「こんなに大変な検査は初めてでした」と言われるのが医者としては嫌なことで。できれば全員の患者さんから「すごく楽でした」と言ってもらいたいという気持ちで研鑽を積みました。技術に加えて大切なのが患者さんに接する姿勢です。検査を受ける方は「何か見つかったらどうしよう」と不安を抱えていらっしゃいます。ですから私やスタッフは不安を軽減できるよう親切に接するのです。当院の看護師は皆、経験が豊富で、不安への寄り添い方に長けている方ばかり。事務スタッフも含めてクリニック全体で大事にしているところです。

家族に提供したい医療をめざし、適した治療法を提示

スタッフについて教えてください。

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現在、看護師4名、事務スタッフ4名で日々診療にあたっています。皆さん、医療人として貢献できることに喜びを感じてもらっているのかなと思います。当院では2つの理念を掲げているんです。1つは、自分の家族や大切な人に提供できる医療・看護をめざしましょうということ。例えば大腸がんが見つかったのが自分の親や兄弟、子どもだったらどうするか。開腹、腹腔鏡、内視鏡、抗がん剤、どの方法を選ぶのか。医者は自分の得意な方法で対応するのではなく、あらゆる選択肢の知識を持った上で、どれが適するのかを提案できなければいけません。インフォームドコンセントが大事といわれますが、医療情報を伝えるだけでは不十分。患者さんは困ってしまいます。私は「自分の家族だったらこうします」と一言つけ加えた上で、最終決定は患者さんに委ねるのが大事だと思うのです。看護師、事務スタッフもそれぞれの立場で、家族に提供したい医療を志しています。

もう一つの理念は何でしょうか。

もう一つは、時代に乗り遅れない医療・看護を提供することです。4〜5年前の知識でやっていたら古くなってしまいますので、絶えず勉強して新しい知識を地域の患者さんに還元することが大切です。今日は木曜日で休診日ですが船橋中央病院の外来を担当する日でしたので、あちらの病院の図書室で最新の医学論文を検索していました。日々進歩する医療では昨年まで正しかったことが臨床研究の結果否定されるということも出てきますので、勉強はやめることはできないですね。内視鏡以外の論文も読みます。自分の場合はそれが気分転換にもなっていて。もちろん休みの日は勤務医時代の同期や先輩に誘われて飲みに行ったりもしますけどね。それぞれいろんな病院で活躍しているので、交流も勉強になるんですよ。

今後どのようなクリニックにしていきたいですか?

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専門である内視鏡をやりながら、地域のかかりつけ医をめざしていきたいです。加えて、がんの患者さんの良き相談相手になれればと思います。先日も、がんセンターにご紹介した患者さんからほかに治療法はないのかと逆に尋ねられまして。「がんセンターの先生がやろうとしているのはエビデンスに基づいた治療で大丈夫ですよ」とご説明して納得されたのですが、自分の知識で患者さんに安心してもらえるとやりがいがありますね。クリニックを開いてうれしいのが、ここに来て良かったですと言ってもらえること。患者さんにとって医療機関は敷居が高いところだと思います。でも、こんなことで相談して良いのかなと思わずに気軽に来ていただいて、適切なアドバイスができればと思います。

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