志田 崇 院長、吉澤 尚志 先生の独自取材記事
しだ内科・消化器クリニック
(白井市/西白井駅)
最終更新日:2025/10/14

西白井駅より徒歩9分の場所にある「しだ内科・消化器クリニック」。志田崇院長の専門分野である内視鏡検査や消化器疾患の診療に加え、風邪や生活習慣病、皮膚や痛みの症状、経験豊富な臨床検査技師による超音波検査などにも対応。さらに月に1回、日本循環器学会循環器専門医である吉澤尚志先生が専門性の高い循環器内科の診療を行っているのも特徴だ。同院の理念は自分の家族や大切な人に提供できる医療・看護をめざすということ、そして時代に乗り遅れないということ。開業して10年間、変わらぬ思いで地域医療に貢献し続けてきた志田院長と、中高大学時代をこの地で過ごしたという吉澤先生に現在の思いや心がけについて聞いた。
(取材日2025年8月23日)
内視鏡検査も循環器疾患も気軽に相談可能なクリニック
志田先生の専門分野は消化器外科だと伺いました。

【志田院長】私は千葉大学医学部卒業後、同大学医学部附属病院の第一外科に入り、いくつかの病院を経て開業前は船橋中央病院の内視鏡センター長として勤務してきました。かなりの件数の内視鏡手術や腹腔鏡手術を手がけてきましたね。内視鏡検査は下手だと患者さんに多大な苦痛を与えるんですよ。できればすべての患者さんから「すごく楽でした」と言ってもらいたいという気持ちで研鑽を積みました。母校の病院では消化器外科のほかにも乳腺外科や心臓外科など広く携わり、また当直では救急患者を受け入れますので外科以外のさまざまな疾患に対しても見極める目が養われたと思います。
こちらでは、やはり内視鏡検査が診療の中心になるのでしょうか?
【志田院長】もちろん私の専門分野ですから、内視鏡検査や消化器診療は当院の強みの一つです。めざすのは大学病院やがんセンターと同水準以上の内視鏡検査。例えば、大腸内視鏡検査の場合、盲腸までは2分程度で挿入し、観察はしっかりと7~10分くらいかけてAIとのダブルチェックで見落としを防ぐようにしています。このように精度の高い内視鏡検査を提供すると同時に、プライマリケアにも力を入れています。風邪や糖尿病、脂質異常症、高血圧などの内科疾患だけでなく、皮膚がかゆい、痛みがあるなど、患者さんの主訴はさまざまですが、地域のかかりつけ医として真摯に対応しています。
この地域で、循環器内科を専門的に診られるクリニックは少ないのだとか。

【志田院長】そうですね。開業当初は今以上に内視鏡検査が中心の体制だったのですが、患者さんの不調の原因が必ずしも消化器にあるとは限りません。またご高齢になると何もないように見えても心房細動などのリスクは上がってきます。多くの患者さんと接する中で、専門的な循環器診療や超音波検査の必要性を感じ、今の体制になりました。超音波検査は経験豊富な臨床検査技師が、循環器疾患については日本循環器学会循環器専門医である吉澤尚志先生が専門性の高い診療を行っています。
【吉澤先生】志田院長と同じ大学の後輩で、私の実家が近く、父を診ていただいていた縁もあり、心不全・心房細動に関わる外来を担当することになりました。この辺りには循環器内科が少なく、大きな病院まで通うことに不便を感じている方も多いかと思います。心臓や血管に不安のある方、また心不全入院を経験された方の定期フォローとしても、気軽にご相談ください。
家族に提供したい医療をめざし、適した治療法を提示
クリニックの理念についてお聞かせください。

【志田院長】当院では2つの理念を掲げています。1つは、自分の家族や大切な人に提供できる医療・看護をめざすということ。例えば大腸がんが見つかった際、それが自分の親や兄弟、子どもだったらどうするか。開腹手術、腹腔鏡手術、内視鏡手術、ロボット支援手術、抗がん剤、どの方法を選ぶのか。医師は自分の得意な方法で対応するのではなく、あらゆる選択肢の知識を持った上で、どれが適するのかを提案できなければいけません。インフォームドコンセントが大事といわれますが、医療情報を伝えるだけでは患者さんは困ってしまいます。私は「自分の家族だったらこうします」と一言つけ加えた上で、最終決定は患者さんに委ねるのが大事だと思うのです。看護師や事務スタッフもそれぞれの立場で、家族に提供したい医療を志しています。
もう一つの理念は何でしょうか。
【志田院長】時代に乗り遅れないということです。絶えず勉強して新たな知識を吸収し、患者さんに還元できるよう努めています。医療は日々進歩しており、昨年までの常識が研究の結果否定されるということも出てきますので、勉強はやめられないですね。先進の検査機器を導入しているのも、良いものを取り入れることで安全性と精度を向上させたいとの思いからです。AI機能を搭載した内視鏡も県内でも早くから導入していましたし、内視鏡のファイバーは太さの異なる3種類を用意して、患者さんの体型や体質によって使い分けています。ポリープ切除も通電の有無による2種類の方法に対応しており、こちらも症状に合った方法を都度選択しています。
吉澤先生はどのようなことを心がけて診療されていますか?

【吉澤先生】患者さんは「いきなり心臓の病気になった」と思われるかもしれませんが循環器疾患にはストーリーがあります。高血圧や糖尿病を放置していると、症状に気づかないうちに動脈硬化が進み、動悸や違和感を感じるようになり、そこから不整脈や心筋梗塞につながることも。ご家庭での食生活や職業や生活背景が関係することもありますね。それらを含めて、患者さんを取りまくストーリーを把握できるよう心がけています。大きな病院にはすでに発症して手術が必要な方が運ばれてきますが、そこに至る前に早期発見や予防につなげられるのがクリニックの良さ。循環器の病気では生活習慣がとても重要なファクターとなりますので、できればご家族と一緒にいらしてください。治療の必要性や手術について、また食事や運動など生活習慣の改善点についても、わかりやすく説明いたします。
スタッフとともに「良い医療」を提供していく
開業して10年、ここまで続けてこられた原動力は何だとお考えですか?

【志田院長】これはもうスタッフの力に他なりません。同じ志を抱き、院内にも患者さんにも目を向けてくれるスタッフたちには感謝の気持ちでいっぱいです。スタッフたちに支えられて当院も成長し地域の病院やクリニックとのつながりもでき、高い専門性を持った医師や超音波検査に対して知識が豊富で後進育成にも携わっている臨床検査技師にもご協力いただいています。私にできることは、スタッフたちの働きやすい環境をつくること。プライベートも大切にしてほしいですし、生き生きと働いてほしいと思っています。誤解を恐れずに言えば当院は「スタッフファースト」。何よりもスタッフが活躍できる職場でありたいですし、それが良い医療として患者さんにも還元されるのだと信じています。
吉澤先生はこちらで勤務されるようになって、病院とクリニックの違いを感じていらっしゃるとか。
【吉澤先生】私はずっと病院で研鑽を積んできましたので、「手術しか選択肢がない」という状況ばかりを見てきました。ですがその手前から介入することで、手術を必要としない状態を維持することもめざせますし、ご本人の年齢や考え方によっては、悪化しても「手術をしない」という選択肢もあります。一番の目的は、病気の予防や早期発見、そして健康寿命の延伸。それでも病気になってしまうこともありますが、患者さんが笑顔になれる選択肢を一緒に見つけていきたいですね。患者さんが現在「循環器疾患」というストーリーのどの位置にいるのか、年齢や背景も考慮しながら一緒に考える。また、すでに病気を経験されている方は少なからず心臓にダメージを負っていますから、こまめな管理で再発防止をめざす。これができるのはクリニックならではだと感じています。
読者へメッセージをお願いします。

【吉澤先生】「循環器内科を受診したいけれど、なかなか時間が取りにくい」とお悩みの方は、ぜひ当院をご利用ください。“時間”もその方にとって大切なものですから、利便性の面でもメリットを感じていただけるのではないでしょうか。
【志田院長】これからも地域のかかりつけ医として、患者さんの良き相談相手になりたいです。患者さんから「話を聞いて安心しました」「ここに来て良かったです」と言ってもらえたら、私もうれしくなります。患者さんにとって医療機関は敷居が高いところかもしれません。ですが来ていただければ、きっと適切なアドバイスができると思います。
自由診療費用の目安
自由診療とは内視鏡検査/胃:2万円、大腸:3万円