岡本 美世子 院長の独自取材記事
岡本歯科医院
(狛江市/和泉多摩川駅)
最終更新日:2025/12/11
和泉多摩川駅東口改札からすぐ、モダンな外観のビル2階にある「岡本歯科医院」は、1992年の開業以来、長年にわたり地域に貢献する歯科医院だ。院内には常に四季折々の生花が飾られており、待合室に置かれたポップな赤いソファーと相まってリラックスできる雰囲気となっている。「神田で開業していた父の歯科医院には常に生花が飾られていました。当院の生花は父からのリレーです」と話すのは、明るい笑顔が印象的な岡本美世子院長。診察室には患者からのハンドメイド作品が飾られており、岡本院長と患者の温かな交流がうかがえる。気軽に足を運んでもらえる雰囲気づくりを心がけ、東京都立心身障害者口腔保健センターと連携して障害のある子どもたちの歯科診療にも取り組む岡本院長に、診療方針や注力する治療について話を聞いた。
(取材日2024年8月28日/再取材日2025年8月26日)
全身の健康までを視野に入れた幅広いアドバイスを提供
歯科医院の概要と開業の経緯をお聞かせください。

一般歯科に加え、小児歯科、口腔外科、予防歯科など歯科全般を診療しています。患者さんは小さなお子さんからご高齢の方までと幅広く、狛江市だけでなく、川崎市多摩区、東京都世田谷区や調布市などからも来院されます。父が開業していた神田の歯科医院で5年間勤めた後、育児と仕事を両立するため、自宅のある狛江で1992年に開業しました。子どもが小さかった頃は、実家が近かったので、今は亡き母にとてもお世話になりました。歯科全般に対応していますが、中でも予防歯科には力を入れています。小さなお子さんには「できるだけむし歯にならないこと」、ご高齢の方には「できるだけ長く食べられるお口の状態を保つこと」をめざすよう伝え、毎日のケアの大切さを理解してもらえるように努めています。歯科衛生士がお口の状態をチェックし、実際に歯磨きをして気持ち良さを感じていただきながら、一人ひとりに合わせた磨き方をお伝えするようにしています。
さまざまなアドバイスをされているのですね。
口腔内のメンテナンスはもちろんですが、口だけでなく体全体のことを考えることが大切です。例えば、高齢になって前かがみの姿勢になると下顎が前に出やすくなりますが、そうなると奥歯でしっかりと物を噛めなくなることが多くなります。奥歯でしっかり噛むためには前かがみ癖の改善を図る必要があるのですが、そのためには腹筋・背筋をつけることが重要。筋力がつけば姿勢が良くなり体力低下も最小限に抑えることも見込めますし、奥歯で物を噛めるようになってうまく飲み込めるようになる。お口のケアと、体全体のケアとはつながっているんです。その他、鼻呼吸の重要性や、舌の位置を上に上げるよう意識してほしいといったアドバイスもよくしていますね。これからも人の寿命は伸びていくわけですから、体力の低下を少しでも抑えられるよう、お手伝いができればと思います。
診療の際どんなことを大切にされていますか?

父は常々、「患者さんの話をよく聞くように」と教えてくれました。今でもその言葉を心にとどめ、患者さんの話をよく聞いて、わかりやすく説明し、ご納得いただける治療を施すように努めています。また、患者さんに気軽に足を運んでいただけるような温かな雰囲気づくりも心がけています。例えば、歯科を苦手とする方が不安を抱いていらっしゃるようなら、優しくお声をかけたり、治療以外の会話を交えたりするなど、患者さんがリラックスして治療に臨めるよう気を配っています。患者さんの通院ペースなども状況に応じて柔軟に対応するよう心がけ、それぞれの患者さんの情報をスタッフと共有するようにもしています。そうした情報をもとに、率先して患者さんに温かく接してくれるスタッフたちには、とても感謝しています。
安心できる環境をつくり、発達障害のある子にも対応
スタッフさんの力も大きいのですね。

歯科衛生士と歯科助手がおり、いずれも長く勤務を続けてくれているベテランぞろいです。週に1度はミーティングで顔を合わせ、互いに気になることや伝えるべきことなどを共有する機会を持っています。大まかな業務の進め方は各自のスタイルに任せていますが、症例ごとに対応で迷った点や改善すべき点など、細かい部分での振り返りや提案が多く出ます。私も勉強会などに参加するたびに内容を伝え、当院に取り入れられることがあれば積極的にフィードバックしています。互いに疑問や意見、アイデアを口にしやすい雰囲気づくりを心がけており、うれしいことに患者さんからも院内が良い雰囲気だとのお声をよくいただきます。
快適な院内環境づくりも重視されているようですね。
空気清浄機を備えるとともに、加湿器も設置しています。治療中はずっとお口を開けていなければならないことも多いため、空気が乾燥しているとお口の中がカラカラになってしまうんですよね。冬の間は暖房を使いますから、特に院内の湿度に気を配っています。また、院内感染対策の一環として、細かい粉塵や飛沫などを吸い込む口腔外バキュームを導入しています。新型コロナウイルスを含めた感染症の予防にもつながるため、入れ歯やかぶせ物を調整するときはもちろん、歯を削る際にも常時、口腔外バキュームを使用するようにしています。
自閉症など発達障害のある子どもたちの診療についても教えていただけますか?

当院では、東京都立心身障害者口腔保健センターと連携して、歯科医師・歯科衛生士ともに同保健センターで、自閉症などの発達障害の特徴やケアの方法を学び、そうした疾患がある子どもたちの口腔ケアやメンテナンスにも対応しています。歯医者に行けるようになったことをきっかけに、髪を切りに行ったり、体を洗ったりできるようになることも多いんです。何か一つできるようになることで自信になり、他のこともできるようになる。そういう姿を見られるとうれしいですよね。歯を削ったり詰めたりといった、より積極的な治療は、保健センターで行えますので、適宜ご案内しています。
足腰と同様に、歯も日頃からメンテナンスを
先生が歯科医師を志したのはなぜですか?

神田で歯科医院を開業していた父への憧れから、尊敬する父と同じ、歯科医師をめざすようになりました。大学卒業後は父の体調が思わしくなかったため、すぐに父の歯科医院に勤務。それから2ヵ月ほど一緒に働いていたのですが、私が歯科医師免許を取得したと同時に、父は入院してしまいました。その後、父が現場に戻ることはありませんでした。しかし、父が生涯をかけて大切に歯科医院を育ててくれたおかげで、父が亡くなった後も、たくさんの患者さんが継続して通ってくださいました。患者さんに対しても、父に対しても、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。父の歯科医院では、常に生花を飾っており、週に1回お花屋さんが届けてくれていました。父の歯科医院に倣い、当院でも待合室に常に生花を飾るようにしています。
周辺地域にお住まいの方にお伝えしたいことがあれば教えてください。
狛江市では40歳以上の方を対象に歯周病健診を実施していますが、2025年6月から、65歳以上の方には歯周病健診と合わせて口腔機能検査も受診できるようになりました。口腔機能の衰えは、体の他の部分の衰えにもつながります。噛みにくかったり飲み込みにくかったりと、口腔内の機能に気になることがある方はぜひご相談いただければと思います。
最後に読者へメッセージをお願いします。

年に1度、人間ドックを受けるような感覚で、歯科にも定期的に足を運んでほしいと思います。自分では見えているようで見えない問題点が、お口の中に潜んでいるかもしれません。人生100年時代といわれますが、一度失ってしまうと歯の機能を取り戻すことは困難。「食べる」という大きな人生の楽しみを失ってしまうことにもつながりかねません。歯と足腰は日頃からメンテナンスすることが大事と心得て、ウォーキングや筋力トレーニングの感覚で歯もメンテナンスしていきましょう。

