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片山 隆司 院長の独自取材記事

かたやま内科クリニック

(狛江市/狛江駅)

最終更新日:2024/10/10

片山隆司院長 かたやま内科クリニック main

狛江駅から徒歩10分、狛江通り沿いにある「かたやま内科クリニック」。狛江市医師会の副会長も務める片山隆司院長は、日本糖尿病学会糖尿病専門医で、糖尿病の患者だけでも毎月多くの診療にあたり、講演会活動も積極的に行ってきた糖尿病のエキスパートだ。得意とする糖尿病に限らず一般内科診療にも対応しており、狛江市医師会の活動として感染症対策にも尽力し、率先して発熱者を診療する外来を設けるなどして地域に貢献してきた。「患者さんそれぞれに合ったオーダーメイドの治療を大切にしています」と穏やかにほほ笑む片山院長。患者の治療に対するモチベーションを上げるためスタッフとともにチーム医療に取り組み、日々努力を続けているという。今回は診療する上での心がけや医師を志した理由、地域医療への思いなどさまざまな話を聞いた。

(取材日2023年2月15日/情報更新日2024年10月8日)

医師会活動を通して地域全体の医療レベル向上へ尽力

2002年の開院から約20年経過し、すっかり地域に根づいたクリニックですね。

片山隆司院長 かたやま内科クリニック1

開業するまで長く東京慈恵会医科大学第三病院で勤務医をしており、その後しばらくは非常勤で同病院の糖尿病・代謝・内分泌内科医長を兼任していましたので、そこから近い、この狛江での開業を決めました。一般内科のさまざまな診療ももちろんしておりますが、患者さんの約7割は私の日本糖尿病学会糖尿病専門医という専門性を求めていらっしゃる方です。地域の先生からご紹介されたり、インターネットで調べたりして来院される方も増えました。私は市民講座などの講演会をずいぶんやらせていただいていて、多い時は年間70本ペースで実施していたこともありますので、そちらを聴いて少し遠くから来てくださる方もいて、とてもありがたいことだと思っています。

この数年は狛江市医師会の活動として、感染症対策にも取り組んでいらっしゃったそうですね。

はい、この数年は本当に感染症との戦いで、常に最前線にいたという感じです。日々の診療に加えて発熱者を診療する外来を設けたり、狛江市PCR検査センターの立ち上げやワクチン集団接種会場での執務をこなしたりと非常に忙しい日々でした。特に発熱者を診療する外来については、一つでも多くの発熱者専用の外来を設けることが医師会の使命でしたから、当院は率先して実施すべきだと考えました。リーダーとして上から指示を出すのではなく、まず自らが取り組む姿勢を示さなければ人はついてきてくれないと思いましたから。

感染症対策に加えて、健診の受診勧奨にも注力していらっしゃったそうですが。

片山隆司院長 かたやま内科クリニック2

感染症の流行中はどうしても受診控えが起こり、特定健診の受診率も下がりがちです。私は医師会の活動を行う中で、糖尿病専門医として「感染症対策はもちろん、生活習慣病対策も怠らない」という方針を掲げてきました。生活習慣病を抱えていれば感染後に悪化するリスクが高まりますので、生活習慣病と感染症は同時に対策する必要があると考えたからです。できるだけ皆さんの心に響くようなメッセージ性のある情報発信を行い、特定健診の受診を勧奨しました。

チーム医療でオーダーメイドの治療を実践

診療する上で心がけていらっしゃるのはどのようなことですか?

片山隆司院長 かたやま内科クリニック3

上から目線の、押しつけた診療をしないことですね。「これをやめましょう」「こんな運動をしましょう」という指導では、患者さんの心には響かないと思うんです。とにかく患者さんのモチベーションを上げることが重要ですから、毎回の診療で、次の受診までにすべきテーマを患者さんとの約束の中で決めていきます。それをカルテに書き込み、何を話したかお互いに確認できるようにも心がけています。糖尿病という病気自体が、100人いれば100人すべて背景も生活も時期も程度も違い、まさに100通りのオーダーメイドの治療が必要になりますから、それぞれの方に合わせた指導をしていくことが何より大切です。そこまで配慮することで、「先生と約束したんだから頑張ろう」と思っていただけるのではないかと思います。

スタッフの方々にいつも伝えていることはありますか?

糖尿病の専門家として、それぞれの立場でできることをしっかりやってほしいということです。当院では毎朝ミーティングを開き、「今日はこの方がいらっしゃるから、こういう話をしましょう」と、全員で意思統一をしています。来院された患者さんは、まず採血をするのですが、採血室には毎月決めたテーマに添ったポスターなどを掲示し、スタッフは採血しながらそのテーマについて話をします。来院のたびに違うテーマの話を聞き、何か少しでも興味を持ってくだされば、ともすればマンネリ化しがちな外来診療をドロップアウトせず治療を続けていけるのではないでしょうか。1回の受診にかかる時間を45分としたら、私と接するのはそのうち5分、10分。残りの時間は常にスタッフが接しているわけですから、それぞれがプロの仕事をするチームでの診療を心がけています。

感染症の影響でチームの結束力がより深まったとか。

片山隆司院長 かたやま内科クリニック4

新たな感染症のことをゼロから勉強して、一緒に挑んできましたので、チームの結束力はさらに深まったと思います。当院に限らず、ワクチン会場に執務するときなどに他院のスタッフと交流を持てたことで、地域のコメディカルとの結束力も強くなりました。例えば専門外の患者さんがいらっしゃったときに他院のコメディカルに質問するなど、気軽にコミュニケーションがとれるようになったのは大きなメリットだと思います。地域全体の医療のレベルを上げるには、個人、つまり「点」の質を上げるだけでなく、「面」の質を上げることが重要だと今回の感染症の流行を通じて痛感しました。こうして地域の連携が強くなったことは、「面」の質を上げるにあたってとても有意義だと思います。

全身を診ること。それが糖尿病を専門に選んだ理由

先生はずっと医師をめざされていたのですか?

片山隆司院長 かたやま内科クリニック5

はい。小さい頃からそのつもりで、医師以外の何かになりたいと思ったことはなかったですね。母が病弱でたびたび救急車のお世話になり、私が付き添うことが多かったので、そんな時に見たお医者さんの姿に「かっこいいなあ」と憧れたのが最初だったように思います。それに実家は自営業で商売をしていましたから、「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」を言わない姿も毅然として見えたのです。人の命を救えてこそ医師なので、全身を診られるようになりたいとも思っていましたし、例えば手術を主業とする外科などより、患者さんといろいろな話をし、大切なことを伝えていくほうが性に合っていました。一生診ていく必要があり、かつ一番啓発活動が大事な糖尿病を専門とする医師の道を選んだのもごく自然の流れだったと思います。

多忙な日々の中、年間数多くの講演を行っているそうですが、どんな思いで取り組んでいらっしゃいますか?

糖尿病の治療は、われわれ専門の医師だけで診られるものではないので、非専門の先生が治療に参加してくれることが重要です。例えばこの多摩エリアでも、糖尿病患者さんの数に対し専門とする医師の数は決して十分とは言えませんから、専門外の先生方にも助けていただかなければいけないのです。糖尿病は薬の使い方一つにしても技術が必要なので、専門的な知識や技術、情熱といったものを他科の先生方と共有して、地域を盛り上げてみんなで診ていきましょう、団結して立ち向かいましょうという意識が大切です。地域全体の糖尿病の医療レベルをボトムアップしていくことが、糖尿病専門医として、医師会としてのミッションだと思っていますので、それが講演会などで情報発信をするモチベーションになっていますね。

今後の展望を聞かせてください。

片山隆司院長 かたやま内科クリニック6

今後も高い次元の医療を提供するために、経験や年齢を重ねても勉強する意欲と情熱、そして新しいものを吸収したいという興味を失わないようにしていきたいと思います。そして、それが患者さんやスタッフに伝わるような診療をやっていきたいですね。狛江市は全国でも人口密度がとても高いエリアです。約8万人の人口の受け皿となるために、私たち医療機関は地域の連携をより密にしていく必要があると考えています。そのためにも、当院の医療の質を上げるだけではなく、地域全体の医療レベルを上げる努力も並行して行ってきたいと思っています。

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