中所 英樹 院長の独自取材記事
ちゅうしょクリニック
(京田辺市/松井山手駅)
最終更新日:2026/05/15
学研都市線の松井山手駅から西へ徒歩7分。モダンなビルの2階に「医療法人優志会ちゅうしょクリニック」がある。院長の中所英樹先生は、日本内分泌学会内分泌代謝科専門医、日本内科学会総合内科専門医。診療内容は糖尿病をはじめとした生活習慣病が中心で、甲状腺疾患や一般内科にも幅広く対応している。中所院長は京都大学医学部を卒業後、大学院で研究に従事し、京都大学医学部附属病院、静岡県立総合病院、京都市立病院にて研鑽を積む中で、漢方といった東洋医学にもふれ、これを西洋医学と組み合わせた統合医療にも深い関心を寄せている。新たな知見を得ることに貪欲な中所院長に、日頃の診療、そして夢の構想について聞いた。
(取材日2026年4月30日)
糖尿病をはじめ甲状腺疾患や一般内科も診療
先生のご経歴、ご専門性について教えてください。

小学生の時、将来の夢を「医師」と書いたんです。母方の祖母が勧めたらしくて。高校3年生の時にも親戚から「医師になってがんを治せ」と言われました。自分は理学部も考えたんですが、本屋で医学書と理学書を見ると、確かに医学書のほうに親和性を感じたので京都大学の医学部に進学。卒業後、所属するクラブで尊敬していた先輩の影響で、第二内科(糖尿病内分泌栄養内科)に入局しました。その後、京都大学医学部附属病院や静岡の病院で臨床を学んで、大学院に戻って、血圧、循環、骨伸長に関わるナトリウムペプチドというホルモンの研究をしていました。研究も好きだったんですが、最終的には臨床をやると決めて、京都市立病院の内分泌内科に勤務しました。内分泌代謝科専門医、総合内科専門医の資格を得たのもこの時です。さらにいくつかの診療所勤務を経て、2015年に開業しました。
こちらのクリニックでは「健康寿命の延伸」をめざし、予防医療にも注力されていると伺いました。
はい。それに関連して思い出すことは、研修医時代に、高齢者専門病院で当直バイトをした時のことです。患者さんはほとんど寝たきりの方ばかりで、発語も表情もないまま、ご家族も誰も来ないような状況の中で、ただ延命されている、という状態に見えました。すごく考えさせられましたね。やはり健康寿命を延ばすことが、ご本人にとって幸せなはずだし、膨れ上がっている国の医療費も抑えられる。そのためには、糖尿病をはじめとした生活習慣病をいかにコントロールするかが大事になってきます。誰しも寿命はあるわけですが、それを迎えるまでは、なるべく自分のことは自分でできて人生を楽しめるのが一番だと思います。
こちらには、どのような患者さんが多くいらっしゃいますか?

自治体や会社の健診で引っかかって、「血圧が高めなんです」「糖尿病になりかけと言われました」と言って来られる方が多いです。「コレステロール値が高かった」という脂質異常症の方も多いですね。あとは甲状腺疾患の方。ここ京都南部では、甲状腺の疾患を専門的に診ている開業医が数少ないのです。動悸、むくみ、冷え性、そういったことをインターネットで調べると甲状腺疾患の可能性があるということで来られます。それから一般内科も対応しているので、風邪や新型コロナウイルス感染症の方、何となく調子が悪いといった方も来られますよ。
「ここに来て良かった」と思われるような対応を
普段の診療ではどんなことを大切にされていますか?

「ここに来て良かった」と思っていただきたいので、まずは「丁寧に患者さんのお話を聞く」ということです。ただ、そうなると診察に時間がかかってしまい、待ち時間の対策が大きな課題となっていました。そこで導入したのが、ネットを使った順番予約制です。来院当日にネットで予約を取っていただくと、その方の順番の7つ前になればSNSから通知が行くので、それまでは家で好きなことができます。今、何番目を診察中かも調べられるので、クリニックでの待ち時間を極力減らせるようになりました。また、土曜は大阪にある枚方公済病院の循環器内科の先生に来ていただいて二診制で対応しています。糖尿病は心筋梗塞や心不全とも関係が深いので、循環器系のことまでカバーできるようにしました。日頃から枚方公済病院との関係をつくっておけば、詳しい検査や治療が必要になった時にもスムーズに紹介できますからね。
スタッフさんの教育はどのようにされていますか?
患者さんに満足していただくための気遣いや行動をスタッフにもお願いしています。例えば受付スタッフであれば、「お待たせしてすみません」の一言をかけるとか、看護師であればプロとしての上手な採血であるとか、そういったことの積み重ねですよね。当院のスタッフは40代、50代が多いので、人生経験が豊富で接遇にも長けていると思います。新しいスタッフの採用時にNGなのは、「他責思考」の人。自己を省みなければ成長しませんし、周りの人間が振り回されますから。
栄養指導や漢方の相談もされているそうですね。

栄養指導は月に3回、午前中の予約制で実施しています。糖尿病や脂質異常症、高血圧症の方に受けてもらっています。管理栄養士さんが上手に患者さんの話を引き出しながら、一緒に目標を設定し、現実的な食事のプランを立ててくれるんですよ。栄養学のプロとじっくり話すことで、自分の問題点に気づいて、顔つきまで変わられる方が多いんです。また漢方相談に関しては、私の妻が薬剤師で中医学の勉強もしているので、これも予約制で週に1回程度実施しています。私自身、これまで西洋医学以外のさまざまな医学にふれてきた中で、漢方の考え方は好きでした。興味のある方は、診察中あるいは受付に申し出てくだされば予約できます。
めざしたいのは「統合医療」の実現
今後、どういった診療の在り方をめざしていかれますか?

私が最終的に実現したいのは統合医療です。これは近代西洋医学のみならず、漢方などの東洋医学を含めて、患者さんに合わせて提供する医療のことを指し、広い意味では、病気の治療だけでなく、予防と健康増進、自然治癒力の向上、生活の質の向上なども見据えた医療です。私は若い頃、慢性頭痛持ちだった経験から西洋医学以外の分野にも興味を持ち、勉強を重ねてきました。すでに当院では漢方相談を実施していますし、現在は一時停止しているのですが心療内科も診療していました。私はアドラー心理学も学んだことがあり、2007年から約8年間、中之島のクリニックで週3回、心療内科の診療にも携わっていたんです。また、統合医療をめざす一環として、栄養学の勉強も続けています。
患者さんに合った選択肢を用意することを大切にされているんですね。
西洋医学以外の選択肢を今後さらに増やしていければ、患者さんの選択肢が広がりますし、何か新しいことが生まれると思うんですよね。私が勤務医をやめて開業したのも、自分がめざす医療に取り組みやすいことが理由の一つでした。そして将来的には、統合医療を提供する拠点的な施設をつくりたいと考えています。そのための準備として、2025年には医療法人化を果たしました。患者さんに多くの選択肢をご用意し、「医療を通じて皆さんの人生に豊かさと幸せをもたらす」ことが医療法人としてのパーパスです。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

当院では広い視野を持ち、患者さんに合った治療法を柔軟に考えていくクリニックです。体や健康に関してお困りのことがあればなんでもご相談ください。現在は糖尿病をはじめとした生活習慣病を中心に診ていますが、私が高校生の時に親戚から「医師になってがんを治せ」と言われたように、いずれは新しい視点を加えたがんの治療を手がける予定をしています。また医療従事者の方についても、「患者さんのために」という強い思いをお持ちの方や、統合医療に興味のある方と、将来を見据えてつながっていきたいと考えています。

